ブロックチェーン業界での成長と英語学習 – techtec創業の田上氏

techtecインタビュー1

ブロックチェーン・暗号資産(仮想通貨)業界に興味がある方のために、業界で必要な知識をどうやって身につけていくかを探る特集記事。

今回は、ブロックチェーン・暗号資産(仮想通貨)の無料学習サービスおよび英語学習コースを提供する「PoL」を運営する株式会社techtecの田上智裕氏にインタビューしました。

田上 智裕(たがみ ともひろ)氏

チームラボでのアプリ開発、リクルートホールディングスでのブロックチェーン全社R&Dを経て、2018年1月に株式会社techtecを創業。ブロックチェーンの学習サービス「PoL(ポル)」を運営。

理解されなかったからこそ必要だと思った

ー まずはPoLについて、簡単に教えてください 

PoLはブロックチェーンの学習サービスで、オンライン上で暗号通貨とブロックチェーンについて学べるサービスです。学習するとPoLトークンという資産が貰えます。

ー 田上さんはなぜPoLをスタートしたのでしょうか?

もともと私はリクルート社でブロックチェーンのR&D(研究開発)を2017年に1人でやっていました。当時は国内外でリサーチして役員にプレゼンするんですけど、そもそもブロックチェーン自体を知らない方が多く話が通じなかった。それが最初のきっかけです。

Dappsと呼ばれるアプリケーションは出てきていましたが、情報が業界内に閉じている印象があり、業界外にも拡げていきたかったんです。そして当時の学習ツールはCryptoZombie(ブロックチェーンプログラミングを学ぶ海外サービス)ぐらいしかなかったので、ビジネス系学習サービスが必要だと思い始めました。

暗号通貨・ブロックチェーン学習は”歴史を追って”

田上氏インタビュー写真

ー それでは、田上さんは最初どのように勉強しましたか?

withBの藤本真衣さんとお会いしたのが20才ぐらいのとき。その頃からビットコインについて勉強し始めていて、当時は大石哲之さんのブログぐらいしかなかったので、それらを読んでいました。EthereumがICOしだした頃ですね。

それからCoindeskのような海外メディアなどを読みながら情報収集してきたので、私はブロックチェーンの歴史と共に生きてきたような感じですね(笑)

当時はこれといった勉強方法はなく、その時々の情報を常にキャッチアップしてきたので、これから勉強する方には私と同じ方法は参考にならなさそうですね。でも逆に、歴史を追って順に勉強してきた経験はあるので、それをPoLを使って再現してもらいたいと思っています。

ー 今は初心者向けのカリキュラムですよね?

はい、今は基礎カリキュラムを出していて、「ブロックチェーンに興味あるが何を勉強したらいいか分からない」という方に使いやすいサービスになっています。

今後は活用事例をどんどん出していきたいと思っていて、その第一弾としてALISさんと組んでカリキュラムを出しました。初心者から上級者まで網羅的なカリキュラムを目指しています。

ー ブロックチェーン業界は初心者の方が手を出すのは比較的難しいと感じます。PoLはどういうタイミングでどのように使って欲しいでしょうか?

そうですね、まずは興味を持ってもらうことが一番大事で、興味を持ち始めて最初の勉強にPoLを使って欲しいです。

いきなりLibra(Facebook社が発表したステーブルコインの一種)のような最近のテーマを学び始めてもしょうがないので、最初の歴史(基礎)から勉強して欲しいです。

ブロックチェーン業界はまだ10年ぐらいの歴史で、まだ過去の情報を一通り追えるレベルです。それらを勉強して初めて、最近のステーブルコインなどがどのような仕組みなのか背景を理解できてくる。そういった点で、PoLだと最初から順に理解していけるようになっているので、活用しやすいと思います。

ー 実際、ブロックチェーンの学習はオンライン/オフラインで出てきていますが、PoLの魅力はどういった点でしょうか?

一番は無料で始められるというところですね。今はまだ基礎的なカリキュラムだけですが、最初に無料で始めていただき、いずれはPoLだけやっていれば大丈夫というものにしたいです。

ー PoLを卒業したあとはどのように学習していくのがいいでしょうか?

PoLをクリアしていただいたら直近のニュースが追えるレベルにはなっているはずです。そこからは海外記事を読んだり勉強会に参加して引き続き勉強してほしいです。

英語力で差がつく業界

ー実際に記事を読んだりカンファレンスに行ったりすると英語オンリーな機会が多いですよね。PoLで出している英語カリキュラムもその辺りを見据えてですか?

まさにそうですね。この業界で本気で戦っていくには英語力がないと勝負にならないと思っています。

国内勉強会でも英語で実施され、同時通訳がないものも多い。そこでやっぱり、その先に行ける人と止まってしまう人との差が出てしまう。なのでブロックチェーンに特化した英語サービスも始めました。

ー 英語が必須でない求人もあるので、まだ英語に自信がない読者の方はwithBメディアで求人情報を見てみてください(笑)ただ、外に出る立場の方やリサーチする方は特に英語力が必須になってきているので、ぜひPoLの英語サービスをチェックして欲しいですね。

ー さて、英語学習も他にたくさんあると思いますが、PoLを選んでほしい理由はなんでしょうか?

英語学習は確かにたくさんありますが、他のサービスでは、業界で実際には使わない英語をたくさん学びます。それは忙しい皆さんには大変で、時間がもったいない。

一方PoLでは、実際にこの業界で使われている英語を取り入れて学んでもらえるようになっています。なのでこの業界に興味のある方には特に使ってほしいです。

ー 実際に学習された方の声は届いていますか?

PoLはユーザーとかなり近い距離で運営しています。SNSやチャットを通してだったり、ユーザーがオフィスに遊びに来たりもしてくれています。彼らの声をサービスに反映していっているので、ユーザーとの良い関係を築けていると思います。

ー このサービスで学習した方には、その後どのようなキャリアを積んでほしいですか?

この業界を引っ張っていける人になってほしいです。

ブロックチェーンには詳しいけど英語が苦手という人が受講生の中にも多いので、ここで学んでどんどん外に出て行っていただけると嬉しいですね。グローバルでのパートナーシップ締結などでも活躍ほしいです。

ー 日本にいても暗号通貨・ブロックチェーン界隈には外国人がたくさんいたり、情報源も英語が多いですよね。

はい、実際にPoLでも、中国のPrimasとパートナーシップを結んでいたり、今後も海外企業との提携発表予定があります。

ー エンジニアの英語力についてはどう思いますか?

エンジニアの現場はチャットでの会話が多いし、日本にいる外国人は日本語が話せることも多いので、会話力が必須とまではいかないです。ですが海外で働くという選択肢もこの業界にはたくさん機会があるので、そうなると英語はもちろん必須です。

ー 特にブロックチェーンエンジニアの英語力はどうでしょう?

もちろんドキュメントは英語が多く、Ethereum Foundationが出しているドキュメントやCoinbaseが出しているブログももちろん英語。そういった一次情報から直接学ぶ方が正しくて早いので、やはり英語力は身につけておきたいですね。

トークンがもたらす学習意欲の向上

田上氏インタビュー写真2

ー 最初にお話のあったPoLトークンの目的と成果はいかがでしょうか?

まず、トークンと呼んでいますが、現状は規制や開発の問題でブロックチェーン上の暗号通貨ではありません。今はデータベースで管理された数値で、ゆくゆくはブロックチェーンに乗せていきたいと思っています。

もともとはリテンションレート(継続率)の向上のために発行していました。その結果、想像以上に数字の改善が見られています。一番良い時は4倍ぐらいものリテンションレートの改善がありました。

なので今後はブロックチェーンだけでなく、Webサービスにトークンの力学を盛り込んでいくケースは結構出てくるんじゃないかなと思っています。

ー 実際にそのようなトークンインセンティブについても、カリキュラム内で学べるようになってますよね。

はい、そういったことも学んで欲しいです。

優秀な人たちと一緒に成長を続けてほしい

ー今後の計画を教えていただけますか?

直近ではライターコースやビジネスコース、リサーチャーコースや海外プロジェクトとの提携カリキュラムなどを準備していきます。あとはPoLトークンの獲得方法や使い道を増やしていきたいです。

ー最後に、これから学習する方に向けてメッセージをください。

暗号通貨・ブロックチェーン業界には優秀な方が本当に多い。なのでこの業界に入ってからは、優秀な人と触れ合えるので、とても成長できる環境だと思います。

わからないことばっかりで、規制もリアルタイムで決まっていたりテクノロジーも未完成だけれど、業界を自分たちが作っていけるので、ぜひ飛び込んで欲しいです。

PoLがそのための助けになれば嬉しいです。

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