クリプト界のニューアイコンに聞く!今Web3の世界で起きていることとは?

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2021年から活動し、2022年8月現在のTwitterフォロワー数1.5万を超えるたぬきち氏。さまざまなイベントへの参画を通じて彼女が肌で感じているWeb3の今、そしてブロックチェーン・暗号資産業界の魅力について伺いました。

たぬきち 氏(@web3_honey)
2021年秋よりTwitterを中心にブロックチェーン・暗号資産関連の情報発信を開始。ブロックチェーン・暗号資産をさらに広めるため、関連イベントの主催、登壇など幅広く活動。IVS Crypto公式アンバサダー。

パンケーキスワップから魔界入り、一瞬にしてDeFiの虜に

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私がブロックチェーン・暗号資産について興味を持ったきっかけは、私のTwitterのプロフィール画像にもなっているパンケーキスワップ※1です。

2021年の2-3月頃でしょうか、たまたまインターネット上で投資関連の情報を見ていたら、パンケーキスワップが話題になっていました。これはなんだろうと思い、調べてみたのが最初です。自分の周りで暗号資産関連サービスを使っているという人もおらず、そこで初めてDeFi(分散金融)というものを知りました。

FXや株などの投資を行う中で、お金や国などの概念に疑問を持ち始めていた時期だったので、Defiに出会った時にすんなり受け入れられたのです。「あぁ、これがあったのか!」と思いましたね。

ブロックチェーン独特の世界観に惹かれて

中央集権的に管理されない暗号資産には、国の垣根がありません。また、銀行にお金を預けるように自分の資産を他人に守ってもらうのではなく、自らがウォレットで管理しなければなりません。この自己責任の世界感が面白いと感じ、一気に惹かれていきました。

当時、イールドファーミング※2の年間利回りが1,000%を超えるようなDeFiが“魔界”と称され流行っており、私もパンケーキスワップを入り口に“魔界入り”したというわけです。始めの頃は、特に自分が情報発信するということはなく、情報収集を続けながら様々なDeFiサービスを使ってみるなどして楽しんでいました。

※1PancakeSwap(パンケーキスワップ)
BSC(バイナンススマートチェーン / 暗号資産取引所BINANCEが提供する独自チェーン)上で運営されるDEX(分散型取引所)の一つ。プールに資金を預けて流動性を確保することで、利息を得ることができる。

※2イールドファーミング
DEX(分散型取引所)などのDeFiサービスにユーザーが資産を貸し出すことで流動性提供に貢献し、金利や手数料を得る運用方法。

ブロックチェーン・暗号資産の世界で見つけた自分の居場所

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ブロックチェーン・暗号資産業界の方々に初めて実際に会ってお話しした時、ここに自分の居場所があると感じました。業界の方々は、今まで出会った人とは雰囲気が全く違ったのです。新しい分野で今後の保証がなくても信じて全力投球し、仕事も時間も全て注ぎこんでいる姿勢に魅力を感じましたし、これが自分に合っていると思いました。

私が業界に興味を持ったのが2021年なので、まだ日も浅く知識も少なかったのですが、この人達と一緒にいたいという強い想いから、その輪の中に入るため自分でも業界のことを勉強するようになりました。勉強していると少しずつ知識もついていき、今度はそれを発信したいという気持ちにシフトしていったのです。

日本のブロックチェーン・暗号資産をもっと盛り上げたい

これまで顔出しもせず表に出ることもしてきませんでした。Twitterで情報発信するだけだったのですが、2022年から動きを変えました。日本のブロックチェーン・暗号資産業界を盛り上げるため、自分が前に出て積極的に活動していこうと決意したのです。

そのきっかけは、藤本真衣氏です。ブロックチェーン・暗号資産のアイコンとして、また一人の日本人女性として、業界で活躍し続けている姿が素敵だなと思っています。私自身、日本の事業者を盛り上げていきたい気持ちが大きいので、彼女がしてきたようなことを自分もやりたいのです。

人との対話で自分を磨く

とにかく人が好きで、イベントで自分に会いに来てくれる人がいると本当に嬉しいです。直接お会いした方はもちろん、Twitter上でコメントをくださった方とも全員とコミュニケーションを取りたいので、全てのコメントに返信しています。たくさんの方の意見を聞かせてもらうことで、私自身の勉強にもなりレベルを上げることに繋がるからです。

YouTube、Instagram、Telegram、Discordグループなど、最近は媒体も増え通知が鳴り止まず、通知だけでスマートフォンの充電が切れてしまうほどです。反応に時間がかかってしまうこともありますが、その全てが嬉しいです。

以前は仕事もPC派でスマートフォンはあまり見ませんでした。SNSアカウント自体持っておらず、ブロックチェーン・暗号資産に関わり始めたことで初めてアカウントを作ったという状態だったので、最初は投稿のやり方さえも分からなかったのです。ですが、今は真逆でずっとスマートフォンを触っている状態ですね。

ブロックチェーン・暗号資産をより深く知るには?

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ブロックチェーンや暗号資産、Web3関連の情報収集はTwitterが中心です。情報が速いというのもありますし、投稿主の考えも一緒にのってくるのでそれも含めてもう一度自分の頭のなかで整理し、自分の意見に取り入れていくことができます。

ブロックチェーン系のメディアを見たりHashHubリサーチなどのレポートを読んだりもしますね。そのなかでわからない単語が出てきたらその都度調べて、自分の中できちんと理解するようにしています。

しかし、それだけだと人に説明しようとしたときになかなか上手くできないものです。なんとなく頭の中で理解をしても、自分の言葉で言語化することができないのですね。

短期間で知識を深めるコツはとにかく“言語化”すること

言語化まで落とし込むには、AMA(「Ask Me Anything」の略語であり「何か質問ある?」の意)で質問したり実際にWeb3サービスを提供している事業者の方と直接お話をすることが重要だと考えています。

私自身もコミュニティに所属したり、イベントや勉強会に積極的に参加するようにしています。最前線で活動する方に質問したり参加者同士でディスカッションすることで、自分の知識レベルを上げる機会を増やしているのです。

私がここまで“言語化”にこだわるのには理由があります。ブロックチェーンや暗号資産についてわかりやすく魅力的な情報発信をして、たくさんの方にそんな面白いことがあったのかとまず興味をもってもらう、この役割こそ私が担いたいと思っている部分だからです。

また、業界全体を盛り上げたいと考えているので、特定の銘柄の暗号資産やNFTプロジェクトに傾倒したり知識に偏りが出ないように気をつけています。

アメリカのブロックチェーン・暗号資産事情とは?

ConsensusそしてNFT.NYCと、2022年6月には大規模なブロックチェーンイベントが立て続けにアメリカで開催されました。海外のカンファレンスでは、日本では出会えない方に出会うことができたり、情報も新しいものが入ってきます。私もそれに参加するため、3週間に亘りアメリカに滞在してきました。

そこでまず驚いたのは、予想以上に暗号資産やNFTが一般化しているということです。いたる所にビットコインATMがあり、ブロックチェーン関連デザインの服を着ている人に出くわす機会も多々ありました。ウォールアートにNFTの絵が描かれていたりシールが貼ってあったりというのもたくさん目にしましたね。

東京で生活していて、こういったものに出会う機会はなかなかありません。イベント期間中というのもありますが、会場から離れた場所でも見かけることがよくあったので、アメリカではこれが日常なんだと感じました。

ブロックチェーン・暗号資産業界で活躍する女性たち

日本でブロックチェーン・暗号資産関連のイベントに参加すると、女性比率が極端に低いことに気づきます。数えるほどだったり自分ひとりだけということもよくありますね。

しかし今回アメリカで参加したイベントでは、男女比率の差が全く気にならなかったのです。ブースに立っている方も特に男性が多いということはなく、多くの女性が業界で活躍していることを実感できました。私としては、普段からブロックチェーン・暗号資産業界に女性が少ないことが気になっていたので、日本でも女性が進出してほしいと今回の経験を通して強く感じました。

日本のブロックチェーン・暗号資産の今

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直近では、SNSでの情報発信に加えて、イベントの運営に携わったり登壇する機会も増えてきました。

前述のアメリカ滞在期間中さまざまな種類のイベントに参加したのですが、日本では馴染みの薄かったNFTホルダー限定イベントが非常に多く、衝撃を受けました。日本でもこういったことがやりたい!という想いから実現したのが、日本初のBlue Chip※3NFTホルダー限定イベント「BluechipPartyJapan Exhibition 2022」です。

当日はBored Ape Yacht Club(ボアードエイプヨットクラブ)、Mutant Ape Yacht Club(ミュータントエイプヨットクラブ)、Doodle(ドゥードル)、 Azuki(アズキ)、CLONE X(クローンエックス)などのアートが展示され、私もトークショーで登壇させていただきました。引き続き、Blue Chip NFTを日本で広めるお手伝いができればと思っています。

※3Blue Chip(ブルーチップ)
複合的観点から一般的に優良と認知されているプロジェクト。

デジタルの存在に留まらないNFT

NFTはIRL(「In Real Life」の略語であり「現実世界では」の意)のイベントとすごく相性がいいと思うんです。2022年秋に開催されるGASHO2.0とMEGAMIのコラボレーションイベントはその好例ではないでしょうか。

MEGAMIは、著名イラストレーターのさいとうなおき氏がデザインしたジェネラティブNFT※4です。合計1万体販売されたのですが、あっという間に完売してしまいました。これは驚くべきことですよね。

GASHO2.0は、デジタルの存在であるNFTを現実世界へ運び出すアプローチとして、日本特有の技術を用いた立体感のあるフィジカル2.5Dアートボードを製造し、さまざまな展示会イベントを実施しています。

「GASHO2.0 × MEGAMI ONLY EXHIBITION」と冠されたこのイベントでは、特殊技術により凹凸のついたMEGAMIシリーズの作品たちが展示されます。特にMEGAMIのNFTホルダーにとっては、自身が保有する作品が目の前に現れる特別な体験ができる場となるでしょう。これは、NFTとリアルを繋ぐイベントのひとつの理想的な形ではないかと思います。

こういった事例がどんどん増えており、まさに今佳境にあるのではないでしょうか。IRLイベントがあることで、NFTについて今は興味がない人がまずは知るきっかけになってほしいですね。

※4ジェネラティブNFT
あらかじめ用意されたパーツを、プログラムの自動生成によって組み合わせることで量産されたNFT。MEGAMIの場合、ベースとなるモデルとその派生54体をさいとうなおき氏が描き、それらの特徴を受け継いで9,946体をプログラムにより生成している。

音楽×NFTの可能性

2022年6月に、音楽×NFTをテーマとした、「VVAVE3(ウェイブスリー)vol.1 @WOMB渋谷」というイベントに運営として関わらせていただきました。渋谷のクラブで開催するNFTイベントということで、集まる人数も客層も全く検討がつかなかったのですが、なんと500人以上もの方々が集まってくれたのです。

当日は、Shinichi Osawa氏や大森靖子氏といった有名アーティストにもお越しいただいたので、彼らを目当てに来られた方も多かったでしょう。しかし、音楽やファッションといった皆が好きなものとNFTをかけ合わせた何かを打ち出していくことで、より多くの人が興味を持つきっかけになると思うのです。

これからどのように日本で暗号資産やNFTが一般化していくのか注目していますし、それを広めていく立場でありたいですね。

ブロックチェーン・暗号資産業界で働く醍醐味とは?

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裏側で使われている技術やNFTの“エモさ”など、ブロックチェーン・暗号資産業界の面白さを語り始めればキリがありません。しかし、私にとっての1番の魅力は、やはり人だと感じます。出会う人出会う人、この人たちと仕事がしたい、一緒にいたいと思わせてくれる方ばかりなのです。

最近STEPN※5やってるよとか、このWeb3サービスどう思う?といった他愛もない話から、エンジニアの方に技術のことを教えてもらったり、事業者の方にサービス内容を聞いたりなど、人との会話がとにかく楽しいです。

※5STEPN(ステップン)
Solana(ソラナ)ブロックチェーン上に作成されたNFTゲーム。SolanaのネイティブトークンであるSOL(ソル)を用いてスニーカーと呼ばれるNFTを入手し、歩いたり走ったりすることでスニーカーをレベルアップさせる。レベルアップして価値の上がったスニーカーを売却し、利益を得ることもできる。

ブロックチェーン・暗号資産業界へ踏み出すなら今

最近、Web3業界で働きたいけど、今後どうなるかわからないし悩んでいるといった相談を受けることがあります。私は、絶対面白い業界なので少しでも携わってみたい気持ちがあるなら今踏み出した方がいいと考えます。今は保証がないように見えるかもしれませんが、そこに賭ける面白さもあるし、それこそが勝ち筋だと思うんです。

特に、女性の方にも業界へ踏み込んできてほしいですね。ちょっと興味があるくらいでも構わないので、まずはぜひイベントに来て面白さを知っていただきたいです。2022年9月23日に開催される、前述の「GASHO2.0 × MEGAMI ONLY EXHIBITION」には私も参加予定です。

ほかにもイベント情報や業界情報を@web3_honeyどんどん発信していくので是非フォローしてみてくださいね。

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