トラベルルールって何?法改正の動向に注目!

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2019年6月、各国の暗号資産交換業者のマネーロンダリング対策(AML)、テロ対策資金対策(CFT)などに関してのルール制定のベースとなるガイドラインを作成するFATF(マネーロンダリングに関する金融活動作業部会)は、一般に”トラベルルール”と呼ばれる、交換業者間での顧客情報の共有に関するガイドラインを公布しました。

 

この記事では、トラベルルールを発表した国際機関であるFATFの概要から、ル―ルの内容までを具体的に解説していきます。

FATF(マネーロンダリングに関する金融活動作業部会)とは

パリに本部を置くFATF(Financial Action Task Force)は、マネロン・テロ資金供与の対策(AML/CFT)として国際的な協調を図るために設立された政府間の機関です。現在は、日本や中国を含む35以上の国や委員会、理事会などで構成されており、実質的に参加国への強制力を持つガイダンスを”Reccomendation(勧告)”という形で公布しています。

 

2018年10月、FATFはこの勧告(ガイダンス)に”Virtual Asset(VA – 暗号資産)”と”Virtual Asset Service Providers(VASPs – 暗号資産サービスプロバイダ)”を新たに追加しました。この時点から、暗号資産サービスプロバイダはFATFが勧告(ガイダンス)として定めるAML/CFTの規制下に置かれ、事業者のライセンス取得・登録が要求され、FATFの監督下に置かれるようになりました。

2019年6月に新たなルールが制定

昨年6月には、これらの事業者に対するFATFの要求をさらに明確化するため、主に新技術に関連する勧告である”Reccomendation 15(勧告15)”に解釈ノートが追加されました。この解釈ノートは、暗号資産および暗号資産サービスプロバイダに対して様々なリスクに即した形でルールを適用するためのものです。

 

具体的には、AML/CFTを目的とした暗号資産および暗号資産サービスプロバイダの監視・監督、ライセンス義務化および登録、顧客のデューデリジェンスや記録の保管、疑わしい取引の報告などの対策措置、また制裁など強制力のある対応策、国際的な協力など、マネロン・テロ資金供与を防止するための多角的なルールとなっています。

新ルールの一つ「トラベルルール」とは?

これらの具体的なルールの一つに「トラベルルール(勧告16)」と呼ばれる要件があります。このルールは、暗号資産取引所にて高額の送金が行われた場合、送信者と受信者に該当する顧客の情報を両取引所間で共有するといったものになります。

 

この顧客情報は具体的に、1) 送金者の名前、2) トランザクションの処理に利用される送金者のアカウント番号、3) 送金者の地理的な住所および国固有の個人識別番号等、4) 受信者の名前、5) トランザクションの処理に利用される受信者のアカウント番号の5点によって構成されます。

最後に

FATFに参加する日本を含めた35以上の国や委員会、理事会はこれらのガイダンスをベースとしたルールを2020年の6月までに定める必要があり、その後はFATFによるモニタリングも開始される予定となっています。一方で、プライバシー技術を持つ通貨など、これらのアドレス情報などに関してはいまだに不透明な点や課題が多いのも事実です。

 

モニタリングが始まるとされる今年の6月まで残すところあとわずかとなりましたが、日本国内においてもAML/CFTに関する法整備の動向に注目していきたいですね。

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