キャッシュレス大国、中国が推し進めるデジタル人民元とは?

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2019年は様々なプロジェクトが独自ネットワークをローンチ、また大企業も続々とブロックチェーンのコンソーシアムを組成(提携の発表)するなど、業界にとっても変化の大きな1年となりました。そんな中、15億人を超える巨大なユーザーベースを持つFacebookが6月に「Libra」を発表したことは、大きな衝撃を与えましたが、その直後、中国から中央銀行発行の「デジタル人民元」発行に関しての報道が相次ぎ、その勢いはとどまることなく2020年に突入しました。

 

この記事では昨年末まで業界の注目を集め続けた「デジタル人民元」についてお伝えします!

デジタル人民元(DCEP)とは

中国のデジタル人民元(DCEP)は、中国の中央銀行により発行が計画されている、人民元をデジタル化したものを指します。DCEPは”Digital Currency Electronic Payment”の頭文字を取った略称です。

 

デジタル人民元の発行が行われるのは、基本的に中央銀行から民間銀行に対してのみとなります。また、民間銀行が保有する人民元の紙幣の枚数以上の発行はできないため、極度なインフレやビットコインのような激しい価格変動は起こらず、基本的には従来の人民元の紙幣同様に利用することができます。

 

中国は国際ブランドである銀聯や、QRコード決済であるAlipay、WeChatPayなどすでにキャッシュレスの形が浸透しており、キャッシュレス大国として知られています。デジタル人民元は、それらのように会社に依存する形の資金管理や決済とは違い、国が主導する形でのデジタル通貨発行ということになります。

 

また、クレジットカードには信用が、QRコード決済には銀行口座の開設が必要であるのに対して、デジタル人民元は一定額までは国内外問わず誰でも利用が可能、これを超える金額に関してはKYCが必要となるとされています。

デジタル人民元(DCEP)の技術と特徴

 DCEPはブロックチェーン技術を利用して資金の移動を管理し、従来の紙幣と同様に中央銀行がその価値を担保します。またビットコインなどと違い中央銀行がその台帳を管理するため、データベースが分散せず合意形成が不要となり処理速度が早くなります。

 

ブロックチェーン技術としては、台帳管理の仕組みにビットコインと同様のUTXO(Unspent Transaction Output)が使われているとされ、Ethereumのようなスマートコントラクトは実装されません。

CBDCとは

CBDCは”Central Bank Digital Currency”の頭文字をとった略称として知られる「中央銀行のデジタル通貨」です。名前の通り、中央銀行が独占発行権を持つデジタル通貨で、多くの場合ビットコインなどの根幹技術であるブロックチェーンの利用が検討されています。

 

CBDCに関する研究は、中国のみならず70を超える様々な国で行われており、この一つであるカンボジアでは、後発国ながらも自国通貨「リエル」の電子化と「eウォレット」の国レベルでの実装が、ブロックチェーンによって実現しています。

ステーブルコインとCBDCの違い

ビットコインなどに代表される仮想通貨は、これまでの中央銀行が価値を担保している法定通貨と異なり、高いボラティリティ(価格変動)に晒されているため、日常の決済で普及していくためには様々な課題がありました。

 

例えば、ビットコインでは、昨日は80万円だった価値が、朝起きたら70万円になっていたといったことが起きる可能性が十分にあります。これらの背景もあり、日常における決済には浸透が難しいといわれています。

 

それに対し、ステーブルコインは米ドルなど低リスクの資産と価格をリンクさせることができるようにデザインされています。この価格の紐づけメカニズムは、法定通貨の預け入れによる資産裏付けにより実現しており、大きな市場シェアを誇るTetherもこの仕組みを採用しています。

 

ステーブルコインは法定通貨などの裏付けにより誰もが発行可能であるのに対し、CBDCは中央銀行のみが発行権を有しているので、流通を国が管理できるということになります。まさに紙幣のデジタル版と言えるでしょう。

最後に

デジタル人民元が発行されれば、世界で現在4%ほどのシェアと言われている人民元が世界中に普及してそのパワーを拡大していくと予想できます。暗号通貨に関してはネガティブな態度を崩さない中国ですが、ブロックチェーン技術を国レベルで応用して通貨を流通させる最初の国として目が離せませんね。

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