投げ銭から暗号資産担保ローンまで、Fintertechが目指す未来を分かち合う投資とは?

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暗号資産(仮想通貨)を担保にする新しいローンサービスの開発や投げ銭サイトが構築できるソフトウェアの提供、不動産プライムローンサービスの提供、クラウドファンディング等、先端技術による次世代金融の創出に取り組んでいる、Fintertech株式会社。今回は、同社でデジタルアセット担保ローンを担当する神脇啓志氏にお話を伺い、Fintertechが取り組んでいるサービスや、今後の事業構想、仕事の魅力など幅広く語っていただきました。

Fintertech株式会社 神脇啓志(かみわきひろし)氏(Twitter:@H_Kamiwaki)
早稲田大学卒業後、大和証券SMBCに入社し、日本株式トレーダーとしてキャリアを開始、その後、外資系証券会社を経験し、資産運用会社において機関投資家サイドの日本株式・外国株式のトレーダーとして従事。2021年にFintertech株式会社に参画し、デジタルアセット担保ローンを担当。

インタビュアー 秋山繫雄(あきやましげお) / 株式会社withB コーディネーター
FX/CFD専門オンライン証券会社にて顧客管理・コンプライアンス・リスク管理部門に従事した後、イスラエルのシステム会社の日本代表に就任。2016年に仮想通貨(暗号資産)業界に飛び込み、セミナー・勉強会を開催するなどをして知識と人的交流を深める。2018年に株式会社withBに参画し、金融業界を中心とした異業種の人材を当業界へとスカウトし当業界発展に尽力している。

Fintertechのサービス

秋山:はじめに、御社が展開するサービスについてお伺いします。

神脇氏:当社は4つの事業を現在展開しております。
まずは、私が担当している「デジタルアセット担保ローン」。簡単に説明すると従来の証券担保ローンの暗号資産(仮想通貨)版です。弊社は大和証券グループ本社とクレディセゾンの合弁会社なのですが、デジタルアセット担保ローンは大和証券の証券担保ローンのノウハウを活用しています。次に、「KASSAI」は、SaaS(Software as a Service)型の誰でも投げ銭サイトを作成することができるサービスです。コロナ禍においては、ソーシャルグッドな取り組みとして、例えば、収入が減ってしまったアーティストや運営団体が、投げ銭サイトを簡単に作成して寄付を募ることができるサービスを提供しています。

Funvest」はファンドへの出資を通じて企業へ融資を行い、リターンを得ることができる、手間のかからない、新しい資産運用(貸付型クラウドファンディング)です。2%3%の、いわゆる定期預金の金利を上回るリターンが期待できるミドルリスク・ミドルリターンの商品です。
「不動産投資プライムローン」は、投資目的で購入する不動産物件を担保として、その購入資金の借入ができるローンです。

暗号資産を担保に資金調達ができる、デジタルアセット担保ローン

神脇氏インタビュー写真

秋山:では、ご担当するデジタルアセット担保ローンについて、サービスの概要をお願いします。

神脇氏:デジタルアセット担保ローンは、暗号資産を担保に資金調達できるサービスです。法人・個人事業者様向けに2020年にサービスを開始し、2021年には個人向けのサービスも開始しました。当初の担保資産はビットコインのみでしたが、2022年からイーサリアム(以降、イーサ)も新たに加えました。貸付利率は、実質年率4%8%で、お借入金額が上がると利率は下がっていきます。海外の競合サービスと比較しても世界最低金利水準となっています(当社調べ)。月々の利息等の支払いもなく、お支払いは1年後の返済期日の1回のみですが、延長やロールオーバーのオプションもございます。担保率はご契約時にのみ200%以上必要となっており、お借入の金額に対して2倍相当のビットコインやイーサが必要ということになります。担保率が120%以下の水準では、担保処分の可能性があります。これは言葉を換えて表現すると、担保資産がご契約時の値段から40%未満の下落であれば担保処分の心配は一切ないと言う事になりますので、Defi等と比較して「思った以上に担保処分はされないんですね」とご好評頂いております。

秋山:今まで担保処分が行われた事例はあったのでしょうか?

神脇氏:そのような事例自体はありますが、ほとんどありません。当社からお客様ごとに担保率150%、140%に達した時点で、メールにより担保率の下落と追加担保差入のご提案を通知させて頂いております。ビットコインやイーサは手放したくないというお客様がほとんどですので、追加の担保差入れをして担保率を回復させ担保処分を回避するというケースが多くを占めています。

秋山:そこで諦めて返済するという訳ではなく、継続で追加担保を入れていく方が多いということですね。

神脇氏:そうですね。また、実際には120%に到達したからといって、FX証拠金取引のように自動で担保処分されてしまう訳ではないんです。我々としても担保処分は極力避けたいと思っていますので、トレーディング担当がギリギリまで相場等をウォッチし、担保処分を免れたというケースもあります。

デジタルアセット担保ローンサービスを利用するメリット

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秋山:御社サービスの利用者の利用目的は見えない部分もあるかもしれませんが、利用者の傾向によって御社のサービスを利用する大きなメリットが見えてくると思うのですがいかがでしょうか?

神脇氏:法人のお客様の場合、日本では、暗号資産を保有していると毎決算時に含み益に対して課税されてしまうので、暗号資産を売らずに納税資金が確保できるという点でご好評をいただいています。代表者様個人で保有し眠らせていた暗号資産を活用して、会社で資金調達をされる方もいらっしゃいます。

個人のお客様の場合においても納税資金用ニーズがございます。また、まとまった出費が必要となった際に、眠らせていた暗号資産の値上がり益の恩恵を感じられなかったお客さまにご活用いただいております。

秋山:ハッキングや流出などが発生し得る暗号資産ですが、利用者が安心して御社に暗号資産を預けられる理由を教えていただけますか?

神脇氏:万が一ハッキング被害に遭った場合でも、契約上、お客様より借入資金返済があった際には暗号資産を返還することとなっております。ただし、弊社が倒産、経営破綻してしまった場合は、銀行における預金保護および預金保険等の仕組みは現状ありません。よって提供企業の信用力が非常に重要と考えており、弊社は大和証券グループ本社、クレディセゾンの合弁企業として、両社の経営基盤を元に事業を行っておりますので、こうした点も踏まえてご利用をご検討いただければ幸いです。
担保管理の詳細はセキュリティ上の都合により非開示とさせて頂いておりますが、母体の金融機関としてのノウハウも活用し、万全の体制で行っております。

秋山:暗号資産取引においては金融庁の暗号資産交換業者の登録が必要になりますが、御社の場合は登録なしでビジネスができていますが、なぜ必要ないのでしょうか?

神脇氏:我々のサービスは貸金業法の規制のもと、暗号資産を担保として現金を貸し出しており、暗号資産の交換業務は行っていません。ですので暗号資産交換業ではなく、貸金業者として登録しビジネスを行っております。

Fintertechが目指すビジネス

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秋山:御社が暗号資産分野において目指す方向性や、今後やっていきたいことを教えてください。

神脇氏:会社として掲げているスローガンとして「We-vestment」というのがあります。投資を意味するinvestmentの”in”をindividual(個人)が利益を得るものと解釈し、その”in”を“we”に変えて「We-vestment」とすることで、共感投資やつながり投資を表現しています。今後、社会が多様化し、ライフスタイルやコミュニケーション手段などが変化していく中で、新しい価値や価値観が生まれていくと思います。我々はその価値や価値観に対して素早く共感、対応し、新たな金融手段を提供していきたいと考えています。

暗号資産に関していうと、残念ながら日本では過去に大きな流出事件があった為、ネガティブに捉える方も多くいらっしゃいますが、一方で、暗号資産の未来に夢を託している方々もいらっしゃいます。我々も同じく暗号資産の未来を信じており、暗号資産を新たなアセットクラスと捉え、新たなローンを提供させていただいております。

金融の側面から見ると、暗号資産担保ローンが今後より浸透していくことで、実際のエコノミーとクリプトエコノミーに流動性を提供することになります。寝かせていた暗号資産を担保に日本円を調達し現実の世界で消費・投資いただき、クリプトの世界では弊社がこれから取り組もうと考えているステーキングやレンディングを行うことで、クリプトエコノミーに再循環させることができます。

また、サービスサイトのファーストビューに、「あなたが夢を託した暗号資産と、あなたのやりたいことにかけ橋を渡します」という様な趣旨の文言を載せているのですが、お客様の夢と暗号資産をつなぎ、既存のエコノミーとクリプトエコノミーをつなぐブリッジ役になりたいと考えています。

今後の構想

秋山:担保ローンで、ビットコインに加えイーサの追加がありましたが、そのような形でデジタルアセット、暗号資産による担保を引き続き広げていくという部分や、担保ローン自体をどう展開していくのかなど、今後の構想をお伺いしてもよろしいでしょうか?

神脇氏:新たな担保資産の追加を引き続き検討しています。お客様のニーズを把握したうえで、様々な観点から新しい担保資産を追加したいと考えています。

また、レンディング、ステーキングを行うことにより、より低い利率でのサービス提供を実現することで商品力を高めていきたいと思っています。

また、5月には個人のお客様向けに不動産購入目的のローンサービスを開始しました。
これまでは、個人のお客様は総量規制によりお借入れは年収の1/3が上限となっておりましたが、今回不動産購入目的に限定することで、総量規制の除外貸付として、年収の制限なしでお借入れが可能となりました。ついに日本でも暗号資産を担保に家が買える時代の到来です!

他には、今はまだお伝えできない部分もあり残念ですが、暗号資産保有者にとってより利便性の高い金融サービスをご提供するべく、「デジタルアセット担保ローン」のサービス拡張に引き続き取り組んでおります。

今後の当社のプレスリリース等にご注目頂けたらと思っております。

暗号資産・ブロックチェーン業界に出会ったきっかけ

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秋山:次に、神脇さんご自身についてのお話を聞かせてください。神脇さんは元々、金融・フィンテック業界の中で、『金融業界の中で暗号資産に詳しい人』という立場でいろいろとご登壇されていましたが、暗号資産やブロックチェーン業界に踏み入れられた理由や興味を持ったきっかけなど、業界に異動するにあたっての経緯などお伺いできればと思います。

神脇氏:新卒で大和証券SMBCという会社に入社し、株のトレーダーとしてキャリアをスタートしました。その後、数社の外資系でトレーダーを経験した後に資産運用会社、いわゆる機関投資家側に移り、そちらでも株のトレーダーとして従事していました。

証券会社時代に、よく先輩方にバブルの頃はまだボーナスが封筒で渡されていて、机の上に封筒が立ったもんだよという話を聞いていました(笑)。

就職氷河期に入社した私は、将来バブルが起きる気配を一切感じられませんでした。ただ、仮にバブルが起きた時に、そもそもそれに乗れなきゃ意味がないんじゃないかと考え、そこから常に新しいものにアンテナを張っておりました。そんな中、ビットコインの存在を知りましたが、その当時情報がほとんどなく、年に何回か見かける程度でした。

2016年当時、証券会社でセールストレーダーとして機関投資家に毎朝株のマーケットニュースメールを出していましたが、そこにビットコインの値段やニュースも配信しておりました。おそらく、機関投資家にビットコインの情報を毎日配信していたのは日本で私が初めてじゃないかと思います(笑)。ほとんど反応はありませんでした。そこで、これはむしろチャンスだと感じ、ビットコインを購入しました。一度暗号資産を保有すると技術が気になりだし、家でイーサのマイニングを始めるなどのめり込んでいきました。

23年前ぐらいには、大和証券主導でブロックチェーンのプロジェクトがあり、機関投資家側トレーダーとしてお誘いいただき、プロジェクトに参加しましたが、それが趣味からビジネスに変わった瞬間でした。そして実はそこにいたメンバーが、後のFintertech設立のメンバーで、そこで今の会社と繋がりができたという経緯があります。その後、大和証券の子会社のFintertechがデジタルアセット担保ローンとしてビットコインを担保にやりだしたというのを耳にして衝撃を受けました。それは、伝統的金融機関である大和証券が、ビットコインを担保資産として認めた、つまり新しいアセットとして認めたという事ですから。そこからこの会社でなら面白い事ができそうだと設立メンバーに連絡をとり、今に至っております。

元トレーダーが感じたビットコインの凄さ

秋山:いろいろな角度で暗号資産、ビットコインに興味を持つ人がいると思いますが、神脇さんの場合は、トレーダーとして培った直感といいますか、有望なアセットを見抜く千里眼をお持ちで、ビットコインには神脇さんを惹きつける魅力があったということでしょうか。

神脇氏:そうですね。ちょうど金融緩和で日本円やドルが日々刷られている状態だったのですが、それに対して、発行上限のあるビットコインはゴールドと同様もしくはそれ以上の価値の保存手段になり得るのではないかと感じたのと、留学の際に海外送金を経験したのですが、手数料も高く日数もかかるのに対して、ビットコインであればグローバルで即日送金できる点にとても驚きを受けました。

秋山:既存の金融業界の方々からよく聞くこととして、ビットコインは「価値の裏付けがない」「 裏付けがないものを信じることができない」、という点が引っかかる方が多いのですが、この点に関して、ご自身がこれで納得できたみたいなところはありますか?

神脇氏:通貨や投資対象として捉えると、その値動きから投機的だというイメージが目立ちますが、視点を変えてネットワークとして捉えると、グローバルネットワークで、13年間、24時間365日稼働するゼロダウンのシステムであり、仮にどこかの国がなくなっても他の国で生き残り続けるというそのシステム、ネットワーク自体に価値があると思っていて、DAOで成り立っている唯一無二のものではないかと思います。そのネットワークに価値を感じるか感じないかは、そのネットワークで実現可能となる将来をどのように予測できるかによると思います。今回、ウクライナがビットコインやイーサリアム等で、世界中から資金援助を受け付けましたが、これまで出来なかったことがすでに実現できております。

Fintertechを選んだ理由

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秋山:親会社が大和証券ということもあり、御社も大企業の雰囲気も持ち合わせているのではと思うのですが、実際のところの会社の雰囲気や、働いてみて感じた点について教えてもらえますか。

神脇氏:そうですね。まず自分が転職する際、ブロックチェーン、クリプト分野において、純粋ベンチャーか、大企業系ベンチャーで働くかと考えた時に、日本でやっていく上では厳しい規制対応が必要である点を意識しました。規制はネガティブな印象もありますが、世界で最も厳しい規制があるアメリカ株式市場は世界ナンバーワンの市場となっています。規制対応に長年のノウハウがある大和証券とクレディセゾンの合弁企業であるFintertechであれば、規制対応をしっかりやっていけるのではないかと考え、大企業系ベンチャーを選びました。

もちろん、純粋ベンチャーと比べて、機動力では劣る部分はありますが、一方でリスクマネジメントをしっかり行いながら事業を推進できる安心感があります。また、クリプトやブロックチェーンがマスに普及した際には、当社グループ内には、資産運用会社、ネット銀行やスマホ証券等がありますので、ベンチャー企業からしたら喉から手が出るほどのインフラにリーチできるという点は、非常に大きなアドバンテージなんじゃないかなと思います。

そのような点から大和証券とクレディセゾンのこの出島機関であるFintetechは、非常に魅力的に感じました。

伝統的金融機関とは違う?社内の雰囲気

神脇氏:社内の雰囲気は、基本的に「We-vestment」というスローガンのもと、好奇心を持って新しいモノの価値を認めあうという部分が根底にあるので、今までの金融機関での勤務経験からすると、Fintertechは非常にフラットで、いい意味でカジュアルな雰囲気の会社です。私自身この会社に来て、初めてSlackを業務で使用しているのですが、Slackの良いところは絵文字も使ったりできるので、コミュニケーションが深まりやすく、リモートワークでは非常に役立っている部分がありますね。おそらく、伝統的金融機関において社長や上司に絵文字で返事することはないのではと思います(笑)。

社長からは、誰かが何か新しいことを提案した際に、「Yes, but…」ではなくて、「Yes, and…」で物事を進めていこうと言われています。できることを皆で考えていこうというやり方が徹底されているので、心理的安全性が確保されており、年齢等に関わらず発言がしやすい環境です。根底では金融機関としてのお堅い部分はしっかり持ちつつ、そのうえで、フラットな組織体制の中で、社員は自由に活躍できているんじゃないかと思っています。

秋山:伝統的な金融機関の子会社でもあるので、朝8時に出社してスーツにネクタイでというような堅いイメージを、先入観を持って見てしまったりする方もいるかもしれないと思うのですが、先ほどおっしゃっていたフラットな働き方が非常に重要視されている点をふまえ、現状どのような感じで皆さま働かれていらっしゃるのでしょうか?

神脇氏:私も今回、大和証券に入社し出向という形なので、大和証券の規定に沿った運用になっているのですが、大和証券自体がジーンズを着て出社するジーンズデーなどの取り組みを行っていたりしている会社です。そこからさらに、Fintertechは、出島機関のベンチャー会社でもあるのと、大和証券とオフィスが違うということもあり、基本的にカジュアルな服装で勤務することがほとんどですね。

あとは、リモートワークも個々人の介護や育児などの事情に合わせたリモートワーク運用の試みも行われています。リモート会議では、開始数分間は、意識的に雑談時間を取り入れたりもしていますし、Slackで、例えば『times_kamiwaki』というチャンネルを作り、昨日ここに行って楽しかったですとか、個人が好きにつぶやける場所も勝手につくれますし、皆さんが想像する大和証券とかクレディセゾンよりもかなりカジュアルだと思います。また、大和証券グループ間でチャットにて連絡可能な為、他の金融グループは分からないですが、グループ会社間の交流ってここまで活発なのかというのは驚きでした。

Fintertechで活躍できる人物とは?

秋山:暗号資産を使って新しい金融領域、新しいビジネスに関わっていきたいと思っていらっしゃる方々で、御社への入社を目指されている方も多いと思います。そういう方々に対して、こんなことをやっていただきたい、もしくは御社に来たらこういうことができるんだということなどお聞かせいただけますでしょうか?

神脇氏:現在、プロダクトマネージャー、事業開発、エンジニアや事務のポジションを歓迎しています。フィンテック系、特にクリプトやブロックチェーン業界は非常に速いスピードで情報が更新されていくので、業務時間内だけで情報を把握するとなるとなかなか難しい部分があります。なので、クリプト・ブロックチェーンなど新しいものにプライベートでも好奇心を持って接することができることが大事ですね。クリプト・ブロックチェーンといっても、分野が非常に広くなってきているので、全てをカバーできる人はなかなかいないと思います。なので、まずはこの業界に一歩足を踏み込んでみて、前職での業務経験を活かしながら、自分の得意分野や興味ある分野を深めていってもらい、それを既存のサービスや新サービスに展開していってもらいたいと思っています。

秋山:暗号資産に詳しい方で、関わっていきたいけれど、金融はちょっとわからない方。もしくは反対に、金融業界におり、暗号資産に興味・関心は少しあるけれど、まだあまり知識・経験がないという方。そういう方々も御社に入って活躍の場を生み出せそうですね。

神脇氏:当社は金融機関が母体の会社ですので、他業界(金融未経験)の方々の経験というのはむしろプラスになりますし、さらにクリプトに詳しいとなるとよりよいです。金融業界経験はあってもクリプトに詳しい方はまだまだ少ないです。当社の場合、異動で来た方でクリプトに全く触れていなかった方もいますので、グループ内においても、クリプトに詳しい人を見つけるのが難しいという状況です。ですので、クリプトに詳しい金融の方はもちろん大歓迎です。また大和証券は転職者採用が今まで少なかった為、他の金融機関での経験は非常に重宝されます。ちょうど大和証券グループが中途採用を拡大するというニュースもでておりましたが、元・大和証券であっても問題ないとしております。私も元・大和です(笑)。

転職を考えている候補者へメッセージ

神脇氏インタビュー写真5

秋山:転職希望者、候補者に対して、特に金融業界から暗号資産・ブロックチェーン業界へ踏み込もうとしているが、悩んでいる方々に向けて応援メッセージをお願いします。

神脇氏:ビットコインが生まれて13年、つまりブロックチェーンが始まってまだ13年と歴史が短い業界ですので、歴史が長い業界に飛び込むよりはチャンスが多くあると思います。特に若い方や、逆に私みたいに40歳を超えてから転職する人もいると思いますが、この短い歴史の業界に一歩踏みいれることは、その方のキャリアにプラスに働くと思います。

また、この業界は、情報が更新される速度が速いので書籍化が難しいんです。そこがまさに、今転職を考えている人にとっては考えてみてほしいところだと思っています。知識不足等の面で迷っていたりするとは思いますが、書籍化してもすぐ陳腐化してしまう業界において、1日でも早く一歩足を踏み入れ、日々フルタイムで情報に触れられることは非常にチャンスだと思います。その日から自分にとっての知識やノウハウの蓄積が始まり、いずれ大きな財産になっていきます。時代が変わっていく歴史的な瞬間をぜひ一緒に経験しましょう!

秋山:最後にこの業界に転職して良かったと思える経験を教えてください。

神脇氏:まだまだ歴史が浅い業界なので、人材が揃っていないという部分もあり、1つの仕事だけをやっている人はこの業界にはなかなかいないと思います。今までは、私自身トレーディング一筋で十数年やってきましたが、現在は、お客様との面談やサービスサイトの刷新でデザイン・文言を考えたり、Twitterを運用したり、noteで記事を出したり、キャンペーンを企画したり、また事業開発という形で他のクリプト業界の方々と商談したりと今まで関わった事のない様々な業務に関われるという部分が非常に刺激的だと感じています。

また、新たな技術やプロジェクトが日々どこかで誕生している業界ですが、それに対して堂々と業務としてリサーチできるのは非常に嬉しいです(笑)。それを即座に情報共有し、意見交換できる場が社内にあるのは前職からすると非常に恵まれた環境だと感じています。

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