NFTビジネスを加速させるプロトコル

2021年6月10-11日に開催した「Non-Fungible Tokyo2021」DAY2のセッション“NFTビジネスを加速させるプロトコル Protocols to accelerate NFT business”をレポートします。

Mickey Maher(ミッキー・マハー)氏
SVP Platform Partnerships

Flowパートナーシップ担当、Dapper Labsの上級副社長。以前は、Unity、Upsight、Applifierで最高幹部を務め、初期事業の立ち上げに貢献した。Unityでは、モバイル広告ビジネスを開発前から収益3億ドル近くになるまでに成長させた。それ以前は、アメリカン・エキスプレスの事業開発部長等、決済事業に従事。

Robbie Ferguson(ロビー・ファーガソン)氏
Co-Founder & President at Immutable

オーストラリアを拠点とし、ブロックチェーンゲームの業界リーダーであるImmutable(元Fuel Games)の共同創業者。Immutableのプラットフォームを通して、ゲーム内エコシステムの不透明な世界に透明性をもたらし、ゲーマーに真のデジタル所有権を供給している。
Immutableの共同創業者の1人。

Witek Radomski(ウィテック・ラドムスキー)氏
Co-founder & CTO at enjin

大手NTFエコシステム開発者であるEnjinの共同創業者であり最高技術責任者。社内の技術エンジニアリングおよび製品ビジョンを監督し、ソフトウェアのセキュリティ、デザインおよびテスティングにおいて成功事例を導き出すこと、Enjinのブロックチェーンソフトウェア製品の開発、導入、統合を主導する。2017年には、史上初のNFTコードの1つを書き上げる。また、開発者が1つのスマートコントラクトで代替性と非代替性両方を配備することを可能にする高度なイーサリアムトークン規格、ERC1155の作者でもある。

Steve Lee(スティーブ・リー)氏
Asia Head & Investment Director at BlockTower Capital

ニューヨークの暗号資産ヘッジファンドである BlockTowerに勤務。3年前に投資チームに加わり、二次利用および一次利用両方の市場機会を調査している。以前は、ポートフォリオマネジャーおよびトレーダーとして東京とシンガポールのゴールドマンサックスで8年間勤務。

自己紹介

登壇者集合写真

スティーブ氏:まずはそれぞれの自己紹介とプロジェクトについてご説明ください。

ミッキー氏:私はDapper LabsのプラットフォームとパートナーシップのSVPを務めています。

Dapper Labsは2つのことをやっており、1つ目は分散型アプリ開発スタジオでイーサリアム上のCryptoKittiesとFlow上で有名なNBA Top Shotを開発と提供しています。

2つ目はFlowです。Dapper Labsのこれまでのイーサリアムでの学びを活用して作ったブロックチェーンで最も多くの経験豊富な分散型アプリとERC721規格のNFT開発者がいるチェーンです。

Flowはレイヤー1ブロックチェーンで、NFTコレクタブルとゲーミングをサポートするために1から作りました。これには3つの柱があります。1つ目はスケーラビリティ、2つ目はゼロに限りなく低いコスト、そして3つ目が一般向けのUI/UX設計です。

ロビー氏:私はImmutableの共同創業者の1人です。

このプロジェクトは約3年半前にDapperのすぐ後に立ち上げました。Dapperと同じようにイーサリアム上でコンテンツを作成しておりエイトボットというNFTを活用した初めてのマルチプレイヤーゲームを作成しました。

このゲームは全てがオンチェーンなので今のイーサリアムのガス代(取引手数料)だと凄い金額がかかるでしょう。なので私たちもイーサリアムの限界については同じく色々と学んできました。

このNFTを大規模なものにさせるのに一番良いのは、新しいチェーンを作るよりもイーサリアムを拡大させる為に顧客の要望を満たすサービスを作る事だと考えました。

そこで私たちはImmutableXというレイヤー2スケーリングソリューションを作りました。この手順を使うと誰でもガス代なしでイーサリアム上のNFTを発行し、売買できます。

確実に使用者のこれまでに無い新鮮な体験と流動性が重要だというミッキーの意見に対して我々の意見は完全に一致し、私たちはこの2つNFTの発行と売買をゼロコストでイーサリアムと同レベルのセキュリティと相互運用性でイーサリアムDeFiへのアクセスを誰でもできることで実現します。

そして使用者が取引したいものを取引するための流動性ツールも作っています。現在マジック:ザ・ギャザリングを運営しているクリス・クレイが作ったGods UnchainedのトレーディングカードNFTが取引できる代表的なアイテムです。

ウィキャット氏:私はEnjinのCTOを務めています。

Enjinはこの分野に長年取り組んでいてもう12年ほどになります。 ブロックチェーンに参入したのは2017年で、ゲーム企業向けのNFT開発プラットフォームを提供しています。

最初はイーサリアムで提供し、素晴らしいイーサリアムコミュニティが私たちのツールセットを使って構築されています。

他にもウォレットやゲーム開発者向けのSDK、そしてNFTに必要なあらゆるツールがあり、 現在はPolkadotとパートナーシップを締結してefinityというプラットフォームを開発しています。将来的にNFTは複数のチェーンに存在するようになるのでクロスチェーンNFTの標準規格とツールを確立することを目指しています。

スケーリングソリューション差別化のポイントは

スティーブ氏:私の知っている限り、Flow、ImmutableX、EnjinはNFT分野においてベースレイヤーチェーン、スケーリングソリューション、ユーザー、その他開発者が簡単にNFTを発行するためのツールを提供しようとしています。

スケーリングソリューションという観点だと各プロジェクトがそれぞれ違うアプローチをとっています。

ですので現在のスケーリングソリューションの状況と自社のソリューションの差別化するポイントをお願い致します。

ミッキー氏:Flowのノード構造はユニークです。Flowでは計算と意見の一致の役割が4種類の別々のノードに分けられています。エグゼキューションノードは全ての計算を行っています。

その他の3つのノードではチェック&バランスを全て行います。

この構造のおかげでかなり拡大化することができ、イーサリアム以上のスケーラビリティを実現しながら安全かつ分散化したチェーンを可能にしています。

ロビー氏:私のパートはとてもシンプルです。私はNFTの価値は2つの要素で決まると思っています。1つはセキュリティともう1つはネットワーク効果です。

セキュリティにはどう分散化しているのか、どれぐらいの攻撃耐性があるのか等の要素があります。ネットワーク効果はどれだけの人がそのシステムで使いたいかです。

つまり多くの人が使うシステムを実現する為にはこの2つの要素が重要です。

そこで私たちは簡単に考え、イーサリアムにはこれまでに無い新鮮な体験や拡張は厳しいと思い、考えられる最高の認識を構築しようと考えました。

イーサリアムの体験が悪いのは真の分散型を追求しているからです。

その一方で、基本的にイーサリアムをハッキングしようとすると数十兆円必要になります。

そこで私たちはイーサリアムのセキュリティとネットワーク効果を活用したスケーリングソリューションを構築できないかと考え、ゼロ知識証明のロールアップという技術を使うことにしました。
この技術ではオフチェーン、もしくはレイヤー2トランザクションを圧縮し、その圧縮された証明をイーサリアムメインネットにアップロードします。

ウィキャット氏:スケーラビリティについては「計算コストがどれぐらいか」「セキュリティモデルの代償」等色々な要素を考える必要がある面白いトピックです。

そして処理能力という観点だとノードの数が増えればスピードは遅くなり、ユーザーが増えるとより多くのデータがアップロードされて必要となる資源は増えるので、何らかの制限をすることを検討しないといけません。

Enjinのフィロソフィーとしては、誰でも何でも展開できるのでイーサリアムは今後もずっと巨大なままだと考えられます。

私たちがPolkadotとParachainと協力しているのは、例えば特定のDeFiやゲーム目的にチェーンを作ることが可能なのでその側面を利用し、様々なチェーンで柔軟に機能する規格を構築するのは良い方法だと思っています。

なぜなら将来的な想像を公開出来るので、zkロールアップ、オプティスティックロールアップのような新しいスケーリング技術を様々なチェーンで使うことができるからです。

ImmutableX・efinity・Flow それぞれの強みは?

Mickey氏写真
Mickey Maher氏

スティーブ氏:もう少しスケーリングソリューションについて話したいと思います。

先ほどの説明で、皆さんのプロジェクトがどのようにスケーリング問題に取り組もうとしているかは理解できました。

ここからはより開発者視点で話をします。昔私がNFT分野に参入した際多くの人達が素晴らしい技術を持っていました。ですが開発者とユーザー、どちらかにとって扱いにくいものばかりでした。

このパネルを視聴している開発者の視点で、ImmutableX、efinity、Flowのどれを使おうか迷っている時、NFT分野の開発者がなぜあなたのプロジェクトのスケーリングソリューションを選ぶのかをお教えください。

ウィキャット氏:私たちは多くのゲーム開発者と話をし、様々な課題を把握しています。

トークンに対し、トークンとは何か、トークンをどのように取引するのか、どうユーザーはトークンを入手するのか等の事を特に困るゲーム開発者が多いです。

わかりにくいところを把握しているからこそ、それを解消し使いやすくしようとしています。
例えば、efinityではゲーム開発者は自分のクライアントが確認でき、誰がプレイしているか把握できます。なのでトランザクション手数料を代わりに支払うことやユーザーの持っているトークンコレクションを把握する事が出来ます。

そういった課題を解決するためにFuel tankやチェーンにマルチシグを組み込んだりしています。
イーサリアムはトラストレス(ブロックチェーンの思想である非中央集権を実現するために必要な概念のこと)なのでトランザクションなどでいくつもアクセスの権限が必要となります。ネイティブソリューションによって理解しにくい所を無くす事で、ユーザーと開発者両方にとって快適な体験を実現しています。

ロビー氏:私たちはNFTを活用して何かを行いたいあらゆる人達が、ブロックチェーンの専門用語を理解出来ていないと、作りたいアプリケーションを構築することが難しくなります。そこで私たちはAPIのセットを提供しています。

NFTの発行やトレードをしたい場合、APIを使用するだけで最もセキュリティが強固で分散化されたブロックチェーンでNFTが確実に使用出来ます。

普及する為に色んな人達がブロックチェーンを活用したビジネスを構築する必要があります。そういう人達が複雑な機能を簡単に作れることが重要です。

しかし結局のところ、NFTはデジタル所有権を表す新しい資産クラスを定義しています。

この事からNFTはゲームやコレクションをはるかに越えて活用されていくでしょう。そしてそのためには、個人や会社に関わらずアクセスする際に簡単になっている必要があります。

ミッキー氏:Flowはレイヤー1ブロックチェーンでイーサリアム上にはありません。

なぜなら私たちがイーサリアムから移行することを決めたからです。

私たちはあらゆるレイヤー2ソリューションの調査をし、自分達でもレイヤー2ソリューションを構築し、その時点で存在していたあらゆるレイヤー1チェーンを検討しました。

私たちがしたいことを実現し、この業界をより良いものにするにはレイヤー1、特にシャーディングなしでスケーラブルなレイヤー1が必要と判断しました。

そのレイヤー1はスマートコントラクトとアプリケーション間の真の構成の可能性を実現できる必要があると考えました。Flowは何かを犠牲にすることなく拡大化できるチェーンです。

2つ目としてはFlowはNFT、コレクタブル、そしてエンターテインメントアプリケーションを考慮しながら、コードの1行目から私たちが作ったチェーンだということです。

そのため様々な選択肢と特徴、UI/UXデザインなど、Flowでしか実現できないアプリケーションがいくつもあります。

NBA Top Shotの美しい決済メカニズムが実現できるのはFlowがそういう活用を前提に作られたチェーンだからです。

ガス代や決済などあらゆる場面でFlow上のアプリではクリプト、暗号資産(仮想通貨)、ブロックチェーンを意識しないといけないところはありません。

理由はFlowが普及を前提に作られたからです。

Flowには誰でも代理で取引の署名ができる概念がある為、ガス代やアカウント作成のコストも非常に低く、開発者はユーザー用にトークンを少量保有しているだけで良いのです。

Flowでは、ユーザーはクリプトを一切意識する必要がありません。

私たちは複数のサーバーを使用しデータベースを構築するにあたって、ブロックチェーンのユニークさや美しさを損なってしまうと考えています。このシャーディングの調査をした結果、それによって解決される問題よりも生まれる問題の方が多いと考え、使わないことを決めました。

Flowは4つのノード構造によってスケール可能なシングルシェアードブロックチェーンを実現しています。

気になる各社のユースケース

Robbie氏写真
Robbie Ferguson氏

スティーブ氏:これまで技術について沢山お話致しました。

なのでここからはユースケースの観点で話をしていきたいと思います。

現在一般人がこの分野に参加してきた時に、どの段階であなたのプロジェクトやサービスを使うことになりますか。

ミッキー氏:一番わかりやすい例としては、ユーザーはNBA Top Shotを使うことでFlowブロックチェーンの全てを体験する事が出来ます。

NBA Top ShotはFlowのフラグシップアプリとしてDapper Labsが開発しました。
それ以外にもFlow上で開発されている様々なDappsがあり、さらに計画されているものだけでも数百個あります。

例えばmotoGPやVIVEなどのサードパーティゲームがFlow上で立ち上げられており、これからもその数はどんどん増えていきます。

ロビー氏:私たちの戦略は至ってシンプルでイーサリアムのレイヤー2として全ての人に最高の体験を提供することに焦点に置いています。そして私たちとFlowが目指しているのはまったく違うマーケットだと考えており、Flowはたぶんリソースが必要なIPなどによるオープンなエコシステムを目指していると考えていますが、私たちは誰でもパーミッションレスなレイヤー2を目指しており、そこでは誰もが自分の好きな機能を使うことが可能です。

例えば独自のウォレットやクレジットカードプロバイダーを使うことができます。

要約すると、私たちが提供しているのは安全安心かつ数万のNFTを処理できるスケールがあり、誰でも使えるレイヤー2です。

ミッキー氏:少しFlowに関して補足を致します。

Dapper LabsがNBA Top ShotでやっているのはFlowの1つの事例にすぎずFlowには完全にオープンなエコシステムが存在します。

私たちはイーサリアムのエコシステム構築方法を参考にしながら、エコシステムを構築しています。私たちはFlowの欠点に対応しているだけでなく、イーサリアムの素晴らしいと思ったものは取り入れる取り組みをしています。

私たちはイーサリアムで学んだことに基づきFlowを構築しているので、Flowはイーサリアム2.0もしくは3.0だと考えています。

つまりFlowは、より良い真のオープンなエコシステムを構築するのにイーサリアムのデメリットを改善したものです。

ウィキャット氏:ゲーマー又はゲーム開発者はenjin.ioに行ってゲームセクションを見てみてください。そこには面白いゲームが豊富にあり、ぜひいろんなタイトルで遊んで欲しいです。

アプリやゲームの開発者で、開発を行うプラットフォームを探している場合は、EnjinのWebサイトのdocsセクションを訪れてください。

クリプトファンならば今年efinityで私たちが何をしようとしているのかを閲覧出来ますので、ぜひ読んでみてください。efinityに関する情報はefinity.ioにあります。そこで、私たちがどのような新しいクロスチェーンエコノミーを作ろうとしているのかなどがわかります。

金融、アート、ゲーム… NFTは可能性の塊

Steve氏写真
Steve Lee氏

スティーブ氏:次に少しビジネスサイドの話もしようと考えています。

ここまでは技術、ユーザー、開発者サイドの話をしました。

次の質問はビジネスチャンスに関するものです。

私の質問は2つありどちらか好きな方に答えてくれればいいです。

1つ目は、現在のNFTセクターにおいて最もビジネスチャンスがあるのはどこだと思いますか。つまり新しくNFTでスタートアップを行いたい人はどの分野に取り組むべきかをアドバイスしてください。

2つ目は、プロジェクトとしてはNFTのどの分野に一番大きなチャンスがあると思っていますか。つまりゲーミングコミュニティやUFC、NFL、もしくはイーサリアムコミュニティ全体の様なデータやプログラムで良いのですが、プロジェクトとして現在どこに多くのリソースを割いているか教えてください。

質問は2つありますが、どちらかだけに回答お願い致します。

ウィキャット氏:私はこのNFTの分野は、進化し続けるとても面白い分野だと思っています。

この分野に参入する場合、まず考えないといけないのは「どうあなたのNFTに面白い使い道を用意するか」です。なぜならどのブロックチェーンでもNFTというデジタル資産の歴史や所有権という新しい概念を実現する面白いリソースを持てます。

そして人々はこのNFTを使用してトレードを行い、囲い込まれたエコシステムの外に自由に経済圏を作る事が可能です。

つまりNFTは可能性の塊で、今NFTを持っている色んな開発者と話を進めています。

収益化や新しい経済を生み出すなどNFTには無限の可能性があり、ただのイメージをNFTにする以上のNFTのユースケースを色々と見つけることが重要です。

ロビー氏:私は2つのポイントを話したいと思います。

NFTがデジタルカストディになることについて話すのであれば、今年一気に増えたNFTの活用例を出すと、コレクティブルによるデジタルアートではNFTをただ持てば現実世界からの証明は不要というのが提供する価値だと考えています。

そしてNFTを使うことで、オリジナルであることが証明できます。

まだあまり話していないこととしましては、ユーティリティについてであり、特に現実世界と結びついたNFTの事です。

実資産や不動産のような現実世界のものと紐づいたNFTが出てくると、次のブームが来てついに金融機関がNFTに投資を始めるでしょう。

なぜならあらゆる金融資産のトポロジーは実際はユニーク資産だからです。

分かりやすい例だと、UniswapではLPトークンをノミネートするためにNFTを使っています。

NFTはあらゆるユニークなものを表すことができるので、NFT×金融は大きな市場になるでしょう。
私たちの場合はすでにマーケットがあるので、トレーディングカードゲームから始めました。ゲーム市場は毎年数兆ドルを生み出しています。私たちはその市場で自分のアイテムを本当に所有できる価値を提供しました。

ミッキー氏:Flowは基本的に世界のNFT分野に対する需要に対応しています。

NFTの分野でデジタルファッション、音楽、e-sports、インフルエンサー、アート、コレクティブル、エンターテインメント、ゲーミングなど複数の面白いジャンルが生まれており、あまりにも多いので全ては挙げられていません。ただ他の皆さんが言っていたようにこの業界も参入者のNFTに対する目線もまだまだ若いです。

多くの人たちはユーティリティについて考えず、ただクリエイターにアートを作ってもらって売るだけです。

有名ブランドやIPは現在、どのように自分たちのファンをNFT分野に持ってくるために、どのようなユーティリティを追加すべきか考えています。

だからこそこれから面白いプロジェクトが増えると考えられます。

ますます広がるプロジェクト

Witek氏写真
Witek Radomski氏

スティーブ氏:それぞれのプロジェクトについて聞いてみたいことがあります。

まずはEnjinチームからお願いします。

Enjinに対しては、ウォレット、コード、NFT発行方法などエコシステム全体を提供しており、そして今はPolkadotエコシステムに進出しようとしていますが、これはクリプト業界の人を少し混乱させるかもしれないと考えています。

efinityプロジェクトが立ち上げられたら、元々イーサリアムベースプロジェクトとefinityの間でのリソースの配分や両プロジェクト間のコミュニケーションはどうする予定でしょうか。

ロビーに対しては、色んなプロジェクトがImmutableXのスケーリングソリューションを採用すると発表していますが、そういったプロジェクトの開発者からImmutableXのスケーリングソリューションの体験をどう思っていますか。

ミッキーに対しては、Dapper Labsがアバターのスタートアップに投資をするというニュースを見て、個人的に興味のあるメタバースの世界に御社が参入しようとしていることを知りました。

そこでメタバースに対してどのような考えを持っているか教えてください。

特に考えがない場合は、Flowで現在計画中の数百のアプリの中から特に面白いものをいくつか紹介してください。

ウィキャット氏:イーサリアムがなくなることは決してないでしょう。

ただ現在多くの人がイーサリアムをDeFiやゲームなど様々な目的で使っているので、イーサリアム上でトランザクションを行うのは難しくなっていくと考えられます。

しかし、イーサリアムで多くのNFTやプロジェクトが誕生してきたのも事実です。

そのためenjinはそれぞれの目的に応じて、色んなチェーンやソリューションが使い分けられるようになることが将来のあるべき姿だと思っています。

私たちは最初はレイヤー2も検討していて、2年間ほど実際に開発し、そこそこのソリューションは出来上がっていましたが、よりオープンなアプローチが必要だと考え、Polkadotを検討し始めました。

Polkadotの設計ではそれぞれのチェーンがそれぞれのユースケースに最適化された手順やデータストレージなどを持つことができます。このフィロソフィーにEnjinも共感しています。

例えばゲームに特化したチェーンを作る場合、ゲームに必要な要件はたくさんありますがPolkadotならばそれらを満たした美しい手順を作ることができます。

私たちの目標はイーサリアムとあらゆる特別なブロックチェーン、そして他のあらゆるチェーンとのスムーズなクロスチェーン間での移動の実現です。

これがEnjinの目指す方向性であり、イーサリアムのSolidityの生みの親ギャビン・ウッドがPolkadotを主導しているため、その将来性は非常に有望だと思っています。

ロビー氏:開発者のエクスペリエンスについての質問に答えるため、まずはソリューションについて話をさせてください。

レイヤー2では選んだチェーンのコンセンサスメカニズムや分散化のレベルなどの基盤となる部分は妥協できません。

失敗したら混雑し、ダウンタイムが発生する恐れがあり、EVM(イーサリアム仮想マシン)をコピーしただけのバイナンススマートチェーンみたいになってしまいます。

正しい方法でやらないと欠陥が発生し、分散化されたエコシステムを実現できません。

私たちがレイヤー2を選んだのはイーサリウムと競合することなく、ユーザーがNFTを使うのに最高のソリューションを作れると思ったからです。そして、私たちは現在無数にあるDAppsが使用したいと思うプロトコルを構築しようとしています。

DapperがFlowに移行するのを決めた時にさえ、本当の意味でのレイヤー2ソリューションは存在していなかったと思います。

当時メインネットにはステイチャネルはなかったですし、そういった時に私たちはゼロ知識証明ロールアップが、実績のある将来が約束されたスケーリングソリューションで、これによってレイヤー2が実現すると判断しました。

インテグレーションエクスペリエンスという観点だと、つい先日ImmutableXを利用し始めたサードパーティのマーケットプレイスの話をしたいと思います。

ImmutableXを使うメリットとしてはエコシステムが充実しているので、多くのAPIドキュメントがあり簡単かつ迅速に開発が可能です。

当然開発者からも良いフィードバックを貰っています。

ミッキー氏:1つ目の質問はメタバースで、Flowはオープンワールド、つまりメタバースを前提としたチェーンです。

メタバースはシャーディングを使うチェーンでは実現できないと思っています。

私たちはあらゆるスマートコントラクトが別の当事者によって活用される、オープンワールドなメタバースのコンセプトに賛同したのでFlowを構築しました。

そしてシングルシェアードシャードブロックチェーンのFlowのエコシステム全体で、そのメタバースを作りあげようとしています。

私たちはメタバースコンセプトが面白いと思い、将来性もあると考えたのでFlowを始めました。

そしてウェイティングリストの何百もの開発者に関してですが、Flow上で開発を行うためのウェイティングリストはありません。

これを言っておくのは重要な事で、なぜならFlowのことを閉鎖的と考えている人も多く、Flowでは開発したいと思った瞬間から開発を開始し、すぐにアプリを立ち上げることが可能なことを伝えたいです。

Dapper Labsが提供するのは無償でのスマートコントラクト監査です。

これによってそのプロジェクトのセキュリティを確保できます。

これを行うのは私たちがケイナンスという新しいプログラミング言語を開発したからです。

開発者に関して話すとジーニーは現在開発を行っていますし、他にもベンマーロのセールを行ったマーケットプレイスのVeVeのようなアーリーアダプターや、ヘイローアートはFlow上のアートで大きな利益を得ており、チェーンモンスターのようなゲームやAnimoca BrandsのMotoGP Ignitionなどがあります。

こういった企画からも分かる通りFlowで成功しているプロジェクトはNBA Top Shot以外にも多く存在し、Flowには開発者のオープンエコシステムがあります。

クリプトに新規参入してきた人へ

スティーブ氏:私は2017年からこの業界にいてNFTは2018年から関わっています。

そのためNFT分野で多くの成功と失敗を見てきました。この4,5ヵ月で多くの個人投資家がNFTの分野、特にNFTコレクタブルとアートに参入しています。

個人的にはNFTの今の相場はバブルだと思っていますが、多くの新規参入者からNFTはバブルなのか投機なのかといった質問を受けています。

NFT分野の現在の発展に大きく貢献してきた皆さんから、NFTバブルでクリプトに参入してきた人に何かアドバイスをひと言でお願いします。

ミッキー氏:ただアートを発信するのではなく、コンテンツでもユーティリティでも直接ファンに届いてファンを獲得できる様に取り組むことが私からのアドバイスです。

ロビー氏:「長期的な視点に立て」です。

NFTはバブルなのか、はたまたファイルフォーマットがバブルなのかなどは本質的ではない質問です。NFTはデータの表現方法で、以前と比べると今は多くのことに活用できます。

短期的な市況はわかりませんが、長期的な視点ではNFTはビジネスモデルなどを劇的に変化させるでしょう。

ウィキャット氏:NFTを発行するというのはブランドなどを使って永遠に残り、人々が所有して活用するものを生み出すということです。

NFTはブロックチェーン上で生き続けるのでNFTを買う人と発行する人どちらにとってもWin-Winを目指すことが私からのアドバイスです。

スティーブ氏:このセッションを視聴した人にとってこの3つのプロジェクトのテクノロジーやどのようなビジネス機会を彼らが想定しているのかNFT分野全般について良い学びになったと思います。

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