ミス・ビットコインが聞く!最先端RegTech分野を牽引するBassetがメルカリグループに参画した理由

2021年8月5日、暗号資産ブロックチェーンの分析技術RegTechを有するBassetが、メルカリグループで暗号資産サービスの提供を予定するメルコインと共同でサービスの企画・開発を行うことを目的として、メルカリグループに参画することを発表しました。

「Basset×メルコイン」のニュースは、業界でもたちまち話題になりました。

奇しくも株式会社withBの顧問も務める、「ミス・ビットコイン」こと藤本が、Bassetの共同創業者である竹井 悠人氏とウォルレーブン・綾氏とは古くから知人ということもあり、今回、急遽インタビューを敢行しました。
黎明期から業界をよく知るお二人が今、なぜメルカリグループに参画したのかを、業界歴の長いミス・ビットコイン目線で伺います。

竹井 悠人氏
株式会社メルコイン Security部長

東京大学および同大学院でコンピュータ科学を修めたソフトウェア エンジニア。IPA 未踏事業やスタートアップ CTO 等を経て、bitFlyerで最高情報セキュリティ責任者(CISO)およびブロックチェーン開発部長を歴任。数百億円規模のウォレットを守り抜きつつ、独自ブロックチェーン製品miyabiの設計開発を主導した。2019年には暗号資産にまつわる金融犯罪を防止するという問題意識でBassetを起業、リアルタイムでのブロックチェーン データ分析アルゴリズムを開発。その後、2021年7月に Basset の買収を経てメルカリ グループに入社。

ウォルレーブン・綾氏
株式会社メルコイン NFT Product

With 10 years of working experience in the cryptocurrency space, Aya’s specialization is in the frontend development and product design of cryptocurrency products. Aya designed the Satori physical bitcoin , and previously worked for 4.5 years at bitFlyer where she led the design for a blockchain explorer (chainFlyer) and trading interface (bitFlyer Lightning). She has also designed user interfaces for several other startups and has been active in the NFT community. In 2019, she co-founded Basset Inc., a Bitcoin data analysis company, which was acquired by Mercari in July of 2021.

暗号資産・ブロックチェーンとの出会い

藤本:お二人はBassetを起業する以前から暗号資産(仮想通貨)・ブロックチェーン業界におられますので、私も昔からの顔なじみなんですが、この機会に改めてブロックチェーンに興味を持ち始めた頃のお話と、なぜBassetを起業されたのかを伺いたいと思います。まず、竹井さんからお願いします。

竹井氏:私はエンジニアですので、新しいソフトウェアエンジニアリングの技術を追い求めており、その中で、暗号資産やブロックチェーン技術は、技術的な興奮といいますか、新しさみたいなところで、ものすごくやりがいを感じたんです。

特にブロックチェーン上のデータって全世界に公開されているものであって、なおかつその金融上のインパクトは非常に大きいと。そこのデータにものすごい価値を感じたので、この分析をやることに、新しい時代としての、フィンテック時代としての意味があるだろうと思ったのが最初のきっかけです。

暗号資産のブロックチェーンに書かれた情報は、最先端フィンテック分野における宝の山だと思っていました。

藤本:全世界にデータが公開されているというのは、例えばビットコインのアドレスや取引は公開されているといったような基礎的な知識は読者の方もご存知だと思いますが、どのようにそのデータを活用できるか、わかりやすい具体例はありますか。

竹井氏:Bassetで一番前面に押し出してきたところでいえば、データを見ることによって、例えばこのアドレスは一般の方のアドレス、このアドレスは投資家かもしれない、いわゆるホエール(大口投資家)かもしれない、いかがわしいグレーなアドレスかもしれないなどを分析することなどが挙げられます。このあたりは金融のやり取りの中ではものすごく重大な意味を持ってくるので一番わかりやすいところです。
将来的にあり得ることとして、消費活動等で暗号資産が使われるようになってきたら、例えばAmazonの「これを買った人はこちらも買っていますよ」といったレコメンドと同じようなことが、ブロックチェーンから読み取れるようになるかもしれません。そういったところに可能性を感じています。

一般消費者から暗号資産の支持が得られるになってきたら、絶対にこれらの情報が活用できるときが来ると信じています。

藤本:ありがとうございます。綾さんにも同じ質問を伺わせてください、ブロックチェーンと暗号資産に興味を持った経緯をお聞かせいただけますか。

綾氏:最初は2011年頃に、ネット上のフォーラムで、スカルがデザインされているようなすごくカッコいいパソコンを見つけて、実はそれがビットコインのマイニング用のパソコンで、そこで初めてビットコインのことを知りました。

その後、2013年頃に日本に引っ越してきて、 2014年ぐらいに東京にあったBitcoin Tokyo Villaに通っていて、そこで真衣さんにも出会いましたね(笑)。

その頃から、結構、周りの人がビデオ等を買うときにビットコインで支払いをしていて、そのタイミングで、これはプライバシー的にすごく面白いなと感じ始め、それからアドレスのコレクターになりました。 

藤本:懐かしいですね。もうその頃からアドレスのコレクターになっていたって、やることが面白いですね(笑)。

綾氏:その後、某取引所で働き、今までホビーだったことをもう少しワークにしたい気持ちが高まったので、次の仕事も絶対ビットコイン関係!と思うようになりました。なので、Bassetを設立することは、私の個人的な興味の延長線上にある自然なことでした。

暗号資産は自由であるはずという思想と現実との葛藤

綾氏インタビュー写真

藤本:今それをお仕事としてされているということですよね。

興味本位で綾さんに聞きたいんですが、やはりビットコインって自由なお金として生まれて、それこそ綾さんと私が出会った頃の(ビットコインの)ミートアップは、本当に自由な発想力を持つ柔軟な人が多かった。

やはりそれは多分、その頃にミートアップに集まっていた人って、お金は、使う人の責任だから良いことにも悪いことにもある意味自由に使えることが大事だと思っている人が多かった時代だと思うんです。

ただ、先ほど竹井さんのお話にもあった、例えばグレーな人のアドレスといったところで、特定の誰かがグレーと決めてしまうことに対して、自分自身が葛藤することがあるんです。綾さんは、どう思いますか。

綾氏:私もそう思います。

藤本:やっぱり一緒ですか。

AML(マネーロンダリング対策)が大事だということはもちろん分かりつつも、数年前に私たちが理想に思っていた“自由なお金”と逆だから、正直、どっちが正しいのか悩む場面が何度もあって。綾さんはそこをどうやって自分を納得させて、今の事業をされているのかも聞いてみたかったんです。

綾氏:なるほど。私はどちらかというと、カオス感が好きで、アナーキストのほうにいるんですよね。なので、プライバシーを守るのは非常に大事だと思っています。

弊社の分析ツールなどでブロックチェーンのデータを分析することで、自分のアドレスについて、こんなことが分かるんだ、こんな追加情報が得られるんだ、ということをすべてのビットコインユーザーに知って欲しいです。

メインストリームのユーザーにビットコインを使ってもらうためには、安心感が得られることにプラスしてユーザーの知識を上げるためのエコシステムが必要で、それを作りたいと思っています。

ブロックチェーンのオープン性をどう活かすか

竹井氏インタビュー写真

藤本:私の中でもすごく納得です。

そこでまた竹井さんにお話を戻しますが、例えば今ってGAFAと呼ばれる世界的な大企業がそういうデータを独占していてマーケティングとかに活用している訳じゃないですか。

今後、さらに進化して、データを基にブロックチェーンアドレスにマーケティングするようなこともできるようになると思ってまして、それを誰かが独占しないようなやり方がブロックチェーンらしいなと個人的には思っているんですが、Bassetとしてはどのようにお考えですか。そのあたりの未来感や想いなどをお伺いしたいです。

竹井氏:例えば、どこまでそれが可能なのかわからないのですが、分析のために我々が使っているようなアルゴリズムや手法は、どんどんオープンにされるべきだと思っています。

なぜかと言うと、ソフトウェアエンジニアリングの世界では、技術を誰かの独占資源にするのではなく、みんなで共有、オープンソース化していきましょうという考えが広がってきています。 

なので、そのアルゴリズム自体はどんどんオープンになっていくべきだし、そのアルゴリズムを使ってBassetではない別の人たちが新たな洞察・インサイトを引き出すというのは、あって然るべきだと思っています。

その上で、そのアルゴリズムとそのベースになるデータのようなところを、どこまでオープンにするか、ということが今度はセンシティブな問題になると思っています。先ほどおっしゃっていたような、この人はグレーかもしれないみたいな、ではそのグレーって何ですかということの問題ですね。

いわゆるAMLと呼ばれる資金洗浄対策のコンテクストにおいて、この人は危ないですよというフラグのことをグレーといっているのか、それとも、ただ単にこの人は自分にとって不都合だというだけのグレーなのか、そこら辺ってものすごく恣意的だと思うんですね。

その判断は本来、個々人に委ねられるべきで、Basset自体がこの人グレーですと言うべきではないと思っています。なので、まずはそのアルゴリズムを公開して、判断基準については、それぞれの事業者さんたちで判断してね、というのが理想形かなとは思っています。

大手メルカリに参画する、その意味は

藤本:確かにおっしゃる通り、それぞれの事業を行っている人たちが、サービスを提供できるかできないという範囲は、逆にその人たちに決める権利があるし、でも、基のデータがなかったら判断のしようがないので、元データの部分をBassetさんが提供していけるのは素晴らしいですね。

実は今回のお話で、メルカリのような日本を代表する、誰もが知っている大手の企業と、お二人のようなブロックチェーンらしさをすごく持っている素敵な人たちが参画してご一緒されたというのは、私としても結構胸アツだったんです。

素敵な組み合わせだなと思って、ですから、参画したその経緯や理由など、そのあたりを詳しく教えてもらえませんか?

竹井氏:まず、今おっしゃっていただいた通り、参画するか否かの打診が来たタイミングで、 メルカリグループ自体の基盤というのは本当にものすごい厚みを持っていると強く感じました。 

抱えているユーザー数はものすごく大きいですし、その強力なエンジニアリング基盤については、テクニカルブログなどで、クラウド関連の技術の記事がたくさん出ていることや、分析のデータが出ているということをよく知っていたので、このグループに入ることによって、Bassetのエンジニアリング開発が加速できるのではないか、が一番初めに思ったことでした。

Bassetだけだった時代は、ビジネスの小回りは利くんですけれども、一方でスタートアップがコンプライアンスをやっていくというのは、ある意味限界みたいなところがあって、そこにブーストをかける要素として、メルカリというブランドが入るということはプラスになると感じたところがあります。

立派な土俵をちゃんと提供していただいて、その上に乗っかるというのは、またとないチャンスかもしれないと思ったからというのが、参画の背景にあります。

藤本:綾さんは、いかがですか。

綾氏:私はバックグラウンドとしてUXとかデザイン関連の仕事をしていたんですけど、  メルカリってUXをすごい大事にされているなと思っていました。

今までBassetでやっていた仕事は、どちらかというとBtoBがメインでしたけど、今後BtoCも頑張りたいなという気持ちもあるので、メルカリ経由でどうやってこのデータをBtoC向けにするかというのが非常に面白いなと思っていました。

メルカリはマーケットプレイスだけではなくて、メルペイとかmercari R4D(社会実装目的の研究開発組織)といった、エクスペリメンタル系(試験的)なところもやっているので、新しいアイディアとか仕事のコンテンツのプラクティカリティな部分をすごく感じたので、非常に良いなと思っていました。

Basset×メルカリの魅力

竹井氏インタビュー写真2

藤本:私も人材紹介のお仕事をやっていて、イケてるエンジニアを採用するのってメチャクチャ大変だったりするんですよ。

竹井さんがおっしゃったような、技術者が興味を持つ技術ブログの内容がどんどんアップデートされているとか、そういったところはすごく大事だと思って、このインタビューを通して、 たぶんまだメルコインさんに興味はあるけど、ちょっと大きい企業すぎるし、自分で大丈夫かなと思っている人たちが、技術ブログやこちらインタビュー記事を読んで、やはり思い切ってエントリーしてみようとなれば良いなと改めて思いました。

両社がコラボしていく中で、読者の皆さんがすごい気になるところというと、今後メルカリさんと共同で展開するサービスだと思うのですが、現時点で伺える範囲でお教えいただけるとありがたいのですが、いかがですか。

竹井:そうですね、公開している情報では、メルコインは、まず暗号資産交換業に参入しようとしている点ですね。現時点で三十数社が暗号資産交換業者登録されている中で、もう飽和状態にあるんじゃないかとおっしゃる方もいるんですけど、そこに新たにチャレンジするというのは、それなりの意義があるし、勝算があってのことです。

ここにBassetの技術がどう活きてくるのかといった時に、例えば、先ほど申し上げたBassetのコンプライアンスに関するデータソースや、将来的にマーケティングの活用ができるようなデータソースというものを活かしていきたいと思っています。

なおかつ、メルカリ自体は古物のマーケットプレイスというアナログなものを本業としていますが、ここに暗号資産というデジタルなものを将来的に融合させられることができるのではないかと、そこでBassetのデータソースを活かせるのではないかと思っています。 

加えて、NFT事業を考えています。NFTはやはり今ものすごく注目を受けていて、一時のバブルではないかといわれていますが、次々といろいろなNFTの商品、商材というものが市場に登場してきています。

この流れは、誰もやらないといったらそのまま終わってしまいますが、みんなが注目している限りはずっと続いていくと思うんです。なので、メルカリがスピードを絶やさないようにする部分を担って推進力になっていきたいと思っています。ここでもBassetのデータソースというものが、 例えばNFTの流通における後ろ盾というと変ですけれども、情報源みたいなところ、インサイトを与えられるようなプラットフォームになればなと思っています。

藤本:なるほど。NFTが流行り始めた頃、OpenSeaって何なの?という話のときに、初期の頃は、メルカリのデジタル版みたいなものだよと説明していました(笑)。NFT領域にもということで、私もとても楽しみにしています。

綾さんからも何かありますか。

綾氏:竹井と意見は結構かぶっています。私たちのチームには、ブロックチェーンやNFTなど新しい技術に強い関心を持っている人が集まっているのですが、それに対する意見や知識の領域は皆、千差万別です。これまでの経験やメルカリで経験したことを共有し、一緒に成長していくことを楽しみにしています。

また、マーケットプレイスのバックグラウンドを持つメルカリは、暗号資産やブロックチェーンの使い方を、広く届けることができるユニークな立場にあると思っています。

業界で働く上で身につけておくべきこと

藤本:ありがとうございます。

採用につなげたい部分の質問をさせていただくと、Bassetが得意とする、複雑なコンプライアンスへの対応や競争力の向上を実現するRegTechの分野における大切なこと、この分野で働く上で必要なこと、考え方やスキル、これからの暗号資産業界に必要なことについてお教えいただければと思います。

竹井氏:一般的な話になってしまいますが、RegTechは最先端の金融に携わるものなので、一つはまず金融の動向みたいなものを、興味を持って前のめりで追いかけられるようなそのパッション、情熱みたいなものというのは非常に求められます。

それと同時に、プロフェッショナルとしての倫理ですね。やはり金融の分野は、今や暗号資産の業界だって数百万人の人、もしかしたら一千万人を超えているかもしれない人たちがやろうとしているような世界であって、そうなってくると、業界としてのクリーンさや透明性がますます重要になってきます。

そこに対して、自分たちが今までの銀行業と同じような形で、私たち自身も最先端でいながら、でも立派に誇りを持ったプロフェッショナルとして生きているんだよという倫理観みたいなところを、同時に必要とされると、まず思っています。

金融では、例えば、株の取引等で利益追求する人でしたら一人勝ちみたいな図でも良いのかもしれませんが、業界に携わる者としては、本当はみんなが勝てるようなマーケットにすることが、裾野を広げるという意味では一番良くて、長い目で見ると、暗号資産業界に入ってくれる消費者が増えてメリットが大きいですよね。 

その一千万人なら一千万人で閉じるのではなくて、そこから二千万人、四千万人と言うように、倍々ゲームで増やしていけたら良いと思っています。なので、公正な取引ができ、コンプライアンス・法令遵守の観点で問題がないようなマーケットを作っていく。こういうことに対して理解ができるような人というのは特に重要ではないかなと思っています。

藤本:ありがとうございます!綾さんはどうですか?

暗号資産業界はWhatからHowへ

綾氏:将来的に、結構先の話になるかもしれないんですけど、たぶん暗号資産業界というものはなくなると思います。どういう意味かというと、暗号資産の技術そのものが他の産業に対して、Whatではなくて、HowとWhyになると思います。

例えば、昔はインターネットが合うか使えるかは相性がありましたが、現在はもうインターネットって当たり前に、WhatではなくてHowかWhyになっていますね。

たぶん暗号資産もそうだと思っていて、いつか、誰でも、どんな人でも、こういうブロックチェーンとかこういう知識を持たないとダメになると思います。

藤本:それキャッチフレーズに使いたい(笑)。WhatじゃなくてHowになるって。この記事の見出しにしたいぐらいすごく響きました。さっき綾さんがいってくれたみたいに、確かにインターネットがわかりやすい例ですよね。

業界で働いてみたい人へ、必ずしも専門知識は必要じゃない

藤本氏インタビュー写真

藤本:では、この記事を今読んでいらっしゃる方で、暗号資産業界で働きたい、メルコインさんに興味が湧いてきた、という方々に向けたメッセージのようなものがあれば、お二人から伺いたいのですがいかがですか。

竹井氏:私も前職のbitFlyer時代から、かれこれ5、6年暗号資産に携わっていることになるのですが、やはりこの変化の荒波というのがすごく面白いんですよね。

藤本:めっちゃわかります!

竹井氏:ドラマチックだし飽きる兆候がないというか、常に新しい技術が出てきたり、新しいニュースが出てきたり、それこそ、もちろん良いものも悪いものもありますけれど、その中で、自分がどう貢献できるのかというところに、常に頭を働かせられるっていうのがすごく面白いです。

今であればDXって、いわゆるデジタルのコンテクストで使われますけど、ブロックチェーンなんて、DXなんていっている場合じゃない、デジタルは当たり前の世界だから、それこそが中心地なんだと思って飛び込んできてもらったら、すべての見え方が変わってくるだろうし、何をやらなければならないということは、次々に出てくるから面白い。自分がその中から興味あるものができるというような世界だと思います。

藤本:ありがとうございます。綾さんは、どうですか?

綾氏:ブロックチェーンとかビットコインとか、そのあたりのノウハウを知らなくても、それは気にせずに、こういうブロックチェーン関係の仕事をするのもありだと思っています。どちらかというと、もう少しワイルドな背景を持っている人にぜひこういう仕事をしてほしいです。例えば、日本語ではわからないけど、unusual item(珍しい物)意味不明なオリジナルなユニークなアイディアを持っている人はどんどん暗号資産関係の仕事をしてほしいと思っています。

藤本:お2人とも素敵なメッセージを、ありがとうございます!

綾氏:この業界は今技術者が増えてきてますけど、もう少しクリエイティビティが必要だと思っているので、もっともっとクリエイターのような人にもきてほしいです。 

藤本:中には、やはり大手の会社だと、自分のクリエイティビティが活かされないかもとか、やりたいことをやれなくなるかもと不安に思う人もいるかと思うのですが、お二人はメルコインさんで一緒に働くようになって、そこら辺はどうですか?

竹井氏:業界の最前線にいるので、やることがいっぱいで、私もですし、綾も、それぞれ自分たちのチームを持っているし、その中で、これをやっていこう、あれをやっていこうというのが、メルカリの人というよりも、その業界の人というような感じで動いているので、そこは自分たちの頭を働かせながらやっていかなければいけません。

メルカリ・メルコインは言われたことをやるだけのような会社ではなくて、むしろ自分たちでこれから切り開いていかなければいけないというところでは、本当にスタートアップのようですね。メルカリグループって大きなグループなのに、スタートアップの感覚がすごく色濃くあります。

藤本:そうなんですね!それはすごいみんなが聞きたかったコメントかなと思います。

今後のBassetの展開、メルコインとともに目指すこと

株式会社メルコインインタビュー集合写真

藤本:いろいろな人の面接を手伝っていて、大手の交換業者や大手の会社に行くときに、皆さんが懸念に思うところの一つとして、自主的にお仕事できるのか?という点があるので、実際にお仕事をされているお二方からのメッセージは、検討している方にとってはとても参考になったと思います。ありがとうございます。

では最後に、今後のBassetの展開について、またBassetとメルコインが目指すこれからについてお教えください。

竹井氏:そもそも私としては、Bassetというツールが、BtoBでもBtoCのコンテクストでも、誰もがブロックチェーンが面白く見られるとか、そこから、ビジネスインテリジェンス的な情報が得られるなど、そういう可視化プラットフォームになりたいというところがすごくあったんです。Bassetのタグライン、「Visualizing On-chain Insights」というコンセプト通り、そのブロックチェーンの情報を誰もが見られるようにしてあげたいというところがありました。

メルコインのプラットフォームに入ってもそこの想いというのはやはり変わらなくて、ブロックチェーンデータの分析というものが、むしろもっと加速できるかもしれません。 

なので、今までやっていたRegTechのようなコンプライアンスのみならず、例えば先ほどいったようなNFTのデータの分析や、ブロックチェーン自体の研究開発だと、そういうところにもより積極的に踏み込んでいけると思っています。

そこで、ブロックチェーン自体が、そのメルカリのユーザーたる一般の方々にも親しみを持っていただけるような形で、マーケットがプレゼンスを持っていけたらなと私は思っています。

藤本:ありがとうございます。綾さんはどうでしょうか。

綾氏:確かに竹井がいった通り、データ分析やデータ周りは、結構つまらないイメージがあるかもしれませんが、もう少しデータでどういう楽しいことができるのかを進められるのかなと思っています。

組織の在り方やカルチャーについて

藤本:ありがとうございます。最後に、こういうことを聞いて欲しかったとか、これが話したいという、何か言い残したことはないですか?

竹井氏:私自身の興味としては、例えば「ダイバーシティ&インクルージョン(diversity and inclusion)」のようなところに、すごく興味があります。

例えば前職のチームがまさにそうだったのですが、男女の比率も女性比率が多かったし、  そもそも国籍などは全然問わなくて、ほぼ全員別の国籍で、国籍がかぶっている人が殆どいないというぐらいのチームだったりして、メルコインの中でもそういうことをどんどんやっていきたいと思っています。

実際にメルカリグループとしても、ダイバーシティ&インクルージョンをすごく全面に押し出しています。

そういうところもあるので、カルチャーとしてのオープンネスみたいなところを推しているところがあって、Basset自体も、当然私も綾もそういうところは大きく走り抜けてきたので、そこのカルチャーが私たちにとってはすごく連続性があります。

メルコインにおいても、そのようなカルチャーがあるので、ある意味そこに対してどうなの?って思っている人たちには、我々もオープンなんですよというところは是非知ってほしいです。 

藤本:いいですね。実際、綾さんも今カナダでほんとにグローバルな環境ですよね。綾さんもチームを持っているといっていましたが、そこもやはり結構グローバルなチームだったりするんですか?

綾氏:はい、フラットな体制で、今はチームでNFTの方をやっています。

NFTチームはまだ小さめなんですが、みんなブロックチェーンに興味をもっていて、メンバーは、いろいろなバックグラウンドもあったりして、すごくダイナミックになっていると思います。言い方が結構ストレートすぎるかもしれないけれど、メルカリグループに入るときに怖かったのは、会社が大きすぎて、クリエイティビティとかフリーダムがないようなところがすごく心配でした。入ってみて、ぜんぜんそうではなくて(笑)。

藤本:綾さんの顔見ていたらわかります。楽しんでますよね!

綾氏:そうじゃないと、すごいストレスになるので(笑)。自由さがあって今すごくハッピーです。

藤本:素晴らしいですね!本日は、ありがとうございました。

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