Next “X to Earn”

Next “X to Earn”登壇者集合写真

2022年7月15日に開催された「Web3 Conference Tokyo Vol.2」のセッション “NextX to Earn”をレポートします。

Kazuki Abe(あべ かずき)氏
ERUCA LAB PTE. LTD./Wall of Death Inc.

ERUCA LAB PTE LTD. Co-Founder, COO / 早稲田大学政治経済学部経済学科4年 / PENTAというListen to Earnプロダクトを運営する、ERUCA LAB PTE. LTD.のCo-Founder, COOで、プロダクトの戦略設計や、開発以外の全てを担当。過去の職歴としては、モノバンドル株式会社の人事担当や、株式会社Donutsでのライブ配信アプリのPM, モンスターエナジージャパン合同会社にてフィールドマーケオペレーションなどの長期インターンを大学一年時から経験。昨年12月から現ERUCA LABの前身となる株式会社ウォールオブデスにてCOOとして従事。

Ben Pember(ベン・ペンバー)氏
DEFY Labs Co-founder

共同設立者 スポーツとテクノロジーの分野で経験を積んだ起業家です。IMGを退社後、2013年にExceed Sports & Entertainmentを設立し、健康・ライフスタイルイベントのIP開発に特化した地域ビジネスを展開し、数々の賞を受賞している。8年間で10カ国、32のイベントを主催し、50万人以上の参加者を集めた。2017年にDistrict Technologiesを共同設立し、B2CおよびB2Bのロケーションベース、ゲーム化されたフィットネスモバイルアプリを構築、拡張し、大きな成功を収めているチームを構築。Benは、adidas、Redbull、MasterCardなどのグローバルブランドと数百万ドルのパートナーシップを獲得し、ビジネスに強い商業的フォーカスをもたらしている。

F太郎(えふたろう)氏
Nodle

2017年仮想通貨デビュー。当時はクリプトの技術的な点には興味がなく、ひたすら金の匂いを追って適当な銘柄を物色。冬の時代は冬眠して子作り・子育てに専念。2021年春にNodleと出会い、世界を変えるプロジェクトと確信し、勝手に日本でのPRを開始。いつの間にかアドバイザーとして運営のお手伝いをすることに。現在はNodle JapanのTwitterやTelegramの運営、日本でのイベント企画やマーケティング活動を行っている。

A.T(エーティー)氏
Nannda Founder

2018年頃より、「Play to Earn」領域で事業を展開。日本最大級のモバイルeスポーツサービスの創業者。日本と中国の大手ゲーム会社数社と共同でオンラインeスポーツ大会を開催し、規制の厳しい日本での「X to Earn」システムの構築に貢献。GameFiのコンセプトクリエーションと立ち上げに参加した後、Nanndaを設立し、コンセプトクリエーション、トークノミクス、エコシステムデザインを中心に活動している。

新井氏:Next “X to Earn”というテーマで、今回は4つのプロジェクトの方々に来ていただきました。最初にDEFYのBenさんからお願いします。

Ben氏事業説明資料

Ben氏:皆さんこんにちは、私はDEFYというプロジェクトから参加しているBenと言います。私たちのプロジェクトはいわゆるポケモンGOのような、ロケーションを使ったゲームを開発しています。今はアルファ版なのですが、8,000人程のユーザーがいて、日本にも大きなコミュニティがあります。私たちのコミュニティは、この数か月でどんどん成長しているところです。

私たちのゲームはハッキングタワーズとアタックドローンというものがあって、位置情報を使ってプレイするゲームとなっています。また、もう一つの要素として、ディクリプティングウォレットと、暗号解読のような要素も持ち合わせています。ここに対してハッキングを行なうことによって、DEFYのトークンを手に入れることが出来るようになっています。

私たちのビジョンとしては、仮想世界と現実世界を融合させていくことです。そのために私たちは、リアルの中でゲームができるようなARの技術を使ったり、ビデオやコンテンツを提供したりしています。私たちの考えとしては、ストーリーやナラティブに力を入れることで、長期的なエンゲージメント、長期的に活発なユーザーを作っていきたいと思っています。儲かるからではなく、楽しいからプレイすることによって長続きする、そういったゲームになっていくと考えています。

私たちはPlay to Earnの次にある、より高度なものを作ろうとしています。私たちはEarnよりもデジタル所有権を重要視しています。そのためにクリエイトとコラボレーションに力を入れていこうと考えています。まずクリエイトに関しては、クリエイター向けのプラットフォームを今年中にリリースします。これを使うことで、NFTゲームだけでなくそのチームプレイでの創造体験を生み出すことが出来るようになります。計画では、モバイルゲームは1つ目のステップです。この次に、クリエイタープラットフォームがあって、その次にマルチプラットフォームを目指しています。マルチプラットフォームでは、いわゆる色々なプラットフォームに対応していくことで、VRだったりAR、もちろんPC版を提供します。さらにその中でP2P、個人対個人だったりチームで何か楽しめるようなゲームをローンチしようと思っています。

Ben氏事業説明資料2

上の画像は私たちのNFTマーケットプレイスです。ここではゲーム参加のチケット代わりにもなっているカスタマイズ可能なプライベートマスクをNFTアセットとして手に入れることができます。そのNFTアセット作成の中で、AIドローンや、そのAIドローン向けの武器やアクセサリーを作ることができるようにもなっています。

私たちは1月にローンチしたばかりのプロジェクトではあるのですが、クローズドアルファを4月に行なっています。これまで述べてきたように、日本で非常に急成長しています。以上です、ありがとうございました。

新井氏:Thank you very much、 Benさん。続いて、Nodle JapanアドバイザーのF太郎さんです。よろしくお願いします。

F太郎氏登壇写真

F太郎氏:初めまして。Nodleの日本アドバイザーをしています、F太郎と申します。本日は、NodleのConnect to Earnによる量産型ネットワークの拡大というテーマでお話させていただきます。

まずはNodleの概要からお話します。Nodleとは、スマホを利用した世界最大の分散型ワイヤレスネットワークを構築するプロジェクトです。そして現在Nodleのネットワークはグローバルに広がっていまして、183ヶ国、4,000以上の都市に広がっています。また、NodleはAstar Networkと同じくPolkadotのパラチェーンとなっています。

F太郎氏事業説明資料

Nodleの誕生についてお話します。上の写真左下が、NodleのCEOのMichaです。彼が2014年にP2PのメッセージアプリのFireChatを開発しました。このFireChatというのは、メッシュネットワークを使ったアプリを持っている方たちが、Bluetoothを利用してインターネットアクセスなしでメッセージのやり取りができるアプリとなっています。

このアプリは、元々ライブのようなイベントを想定して開発されました。ですが、実際には香港の学生デモ(上の写真右下)、傘の革命があった時に大量にダウンロードされ、1週間で50万ダウンロードを突破しました。この現象の理由は、既存のインターネットの制限にあります。インターネットは電波塔を経由しているため、1ヶ所に人が集まるとアクセスできなくなってしまうのです。一方で、FireChatは、1人1人がアプリを持つことでそれがノードとなり、誰にも止められず、ブロックされないネットワークを自分たちで作り出すことができます。そのため、政府がインターネットアクセスを止めたり、もしくは検閲しようとしてもできないという状況を生み出すことができたのです。実際にMichaが香港の現場にいたのですが、分散型アーキテクチャの威力を実感したと言っていました。このような経験からメッセージだけではなく、あらゆるものを接続するために2018年にNodleを設立しました。

F太郎氏事業説明資料2

次に、Connect to Earnとは何かについてお話します。FireChatの経験から、”ネットワークを持続させる”ということが課題でした。FireChatをずっと皆さんが開いていないと、メッシュネットワークは途切れてしまいます。ですので、その構築のためには、ノードとして皆さんが常にアクティブであることと、位置情報も間接的に利用するので、個人情報を一切必要としないという2つの条件を満たす必要がありました。そこで、ノードとして接続に貢献するユーザーに、ブロックチェーンを用いて報酬を支払うConnect to Earnが考案されました。

これを実施するために開発されたのがNodleキャッシュアプリです。このアプリは、全てのスマートフォンをノードに変えるアプリで、BLEというBluetoothローエナジーという技術を使っています。これはGoogle PlayストアやApp Storeで簡単に入手可能で、90秒で設定可能です。Eメールアドレスすらも必要ありません。

ダウンロードをすると、他のいわゆるX to Earnのアプリと違って、放置するだけで暗号資産Nodleを獲得することができます。そこで一番重要な点が、色々なプライバシー技術を使って、プライバシーファーストでかつ低電力でできるので、皆さんのバッテリーに影響を与えることはないということです。

ここでもう一つの戦略として、Nodle SDKというものを開発しています。これは既存のアプリにNodleのConnect to Earnの導入が可能となります。ですので、皆様が開発しているアプリにこれを導入することで、広告モデルに依存もなく、ユーザーのデータを収集せずにマネタイズすることが可能となり、ユーザーエクスペリエンスの向上が期待されます。

F太郎氏事業説明資料3

例えば自転車のシェアサイクルをしている会社があるとして、その会社で使用する時に、Nodle対応のBluetoothチップを自転車に付けて、かつその会社のシステムを、NodleのシステムとAPI連携させます。そうすることで皆さんのスマホや、Nodle SDKを搭載したスマホが自転車の位置情報を追跡することができます。それによって自動的に会社からNodleチェーンを経由して、Nodleがそれぞれのスマホに支払われるという仕組みとなっています。これが会社だけではなく、個人でも利用できるようになり、もちろんシェアサイクルに限らず色々なアセットのトラッキングに応用できるConnect to Earnの仕組みです。

実際に使うNodleやNodleのネットワークを使用することで、ユーティリティトークンにもなり、ガバナンストークンにもなる予定です。そして、これらは最大供給量210億枚で、60%はマイニングプールに入っている状態です。ですので、まだNodleネットワークを使っている企業は少ない状況です。皆さんが獲得できるのはマイニングプールから出ているもので、これが10年以上かけてサイクルされる予定です。それ以降は企業が支払うNodleで、皆さんがスマホのNodleキャッシュアプリで稼ぐNodleが循環するようになる、かなりサステナブルなトークノミクスが想定されています。

実はNodleのパラチェーンのトークンホルダー数はPolkadotを除いて2番目に多いです。つまりパラチェーンの中では一番トークンホルダー数が多いプロジェクトとなっています。このことからも、現時点でConnect to Earnによるネットワークの拡大という点においては成功していると言えます。

F太郎氏事業説明資料4

最後に今後の展望です。今はアセットトラッキングに注力していますが、それ以外にも画像下方にある会社だったり、自治体と協力してNodleのネットワークを使った色々な試みをしています。一番左にもありますが、フランスのパリ市もNodleを使ったスマートシティに向けて実装を開始しています。

そして、Web3をリアルワールドにということで、アセットトラッキングだったり、出席参加証明にも取り組んでいます。例えば、このNodleのキャッシュアプリを持っている人が特定の何かに出席したら、そこでNFTが発行されて参加証明になります。あとはP2Pのインターネットアクセスなしでのコミュニケーションも可能です。また、食品モニターや環境モニタリングなどにも応用できます。面白い試みとしては、例えばレストランが、近くを通った人に割引クーポンを配ったりする、といったことも可能となります。

最後に宣伝にはなりますが、我々はNodle Japanをやっています。そこでは日本語のNodleの情報を発信しています。こちらもチェックして頂けると嬉しいです。また最初にお話しした通り、Nodleキャッシュアプリをダウンロードするとネットワークの構築に貢献できます。また、皆さんが無料で暗号資産を入手することができますので、ぜひダウンロードしていただければと思います。Nodleの利用や開発に興味がある方も、ぜひご連絡いただければと思います。以上です、ありがとうございました。

新井氏:ありがとうございます。続いてAbe君、よろしくお願いいたします。

Abe氏登壇写真

Abe氏:初めまして、PENTAというListen to Earnのプロジェクトをやっている、コーファウンダーのAbe Kazukiと言います。よろしくお願いします。

まずPENTAの説明をさせていただきたいと思います。僕たちはPENTAをWeb3のミュージックプレイヤーと定義しています。普段の皆さんの音楽体験を、PENTAを通してエンハンスしていくというミュージックプレイヤーを目指しています。

普段皆さんが音楽を聴く時、例えば今だとYouTubeやTikTokなどで、AIによってレコメンドされた曲を聴いているという認識はありませんか?昔であれば、レコードショップに行って、そこに置いてあるCDを眺めて試聴して、何か偶然出会ったものを好きになるというような体験があったと思います。AIの発展によって、そういったセレンディピティの喪失みたいなものが進んでしまっているのではないかと僕たちは考えています。そこで、PENTAの中で音楽体験をより深めるという目的で、自分で音楽を調べたり探すという体験を設計していきたいと考えています。

今の音楽業界にはアーティスト側に関しても問題があると思っています。収益構造であったり、例えばプロモーション費用が音楽の製作費の半分を占めているという現状が非常に問題があると思います。本来プロモーションにかけている半分の金額を、音楽制作にかけることが出来たらもっと良い音楽が作れるのではないかという想像ができますよね。そこに対して、スマートコントラクトを使って、より綺麗な収益構造を作っていくというようなことをPENTAを通して実現したいと考えています。

この問題の解決策として掲げているのが、ゲームライクのミュージックプレイヤーというものです。PENTAは、ゲーミフィケーションを通して音楽を探すことをゲーミフィケーションして、その体験を通して音楽を聴くという体験をエンハンスするということを掲げています。PENTAを使用して音楽を聴くと、Listen to Earnが出来る。僕たちの独自トークンのPENTA、ユーティリティトークンと、あとガバナンストークン、サウンドワールドトークンSWTが稼げるというアプリケーションになっています。

なぜトークンが稼げるのかについてお話すると、僕たちはPENTAでListen to Earnをしてもらうタイミングで音楽に関する行動データを取得します。それをオンチェーンのデータベースに変えていきます。行動データのオンチェーンデータベースを使用して、音楽のプロモーションであったりマーケティングにそのデータを活用して使っていくということを進めていきます。トークンはPENTAと、SWTを用意しています。PENTAは我々のユーティリティトークンで、これはデュアルトークンシステムです。最初にローンチするのがPENTA、ユーティリティトークンで、これはインフレーションモデルで無限のサプライというように設計しています。

もう一つがSWT、サウンドワールドトークンという名前で、これがPENTAのエコシステムのガバナンストークンになっています。これは後からローンチする予定なのですが、ディフレーションのモデル、10ビリオンのサプライに制限しているデュアルトークンのモデルで設計しています。

Abe氏事業説明資料

上の画像はListen to Earnのメインのシステムの流れです。まずPENTAでListen to Earnをするためには、音楽を聴かなければなりません。音楽の再生に関しては、最初の段階では、Apple musicやYouTube musicに頼って再生していただこうと思っています。音楽を再生しているというステータスを、デバイスであったり、例えばShazamのような、外で流れている音をマイクロフォンで特定します。そして、その音がどういう曲なのかとか、どれくらい聴いているのかのデータを集めて、そこに対してEarnを発生させるというシステムで、Listen to Earnをやっていきます。

次は、アーニングのコンディション、アーニングの条件についてお話したいと思います。僕たちは今、Listen to Earnの条件を4種類用意しています。一つが、例えばAという曲を初めて聴いた時と、その曲を初めて聴いてから1ヶ月以上経ってからもう一度戻ってきて聴いた時、あとは基本何でもオッケーですというアーニングの仕方、この3つを、まず音楽を聴いた時にアーニングできるポイントとして設計しています。

もう一つは、先ほど音楽を探すという体験を大事にしたいとお話したのですが、他の人がまだ聴いたことない曲を初めて自分が聴いたということが、オンチェーンのデータ上に乗っかってきた時に、その次に聴いた人という存在が発生しますよね。僕たちはその音楽を最初に見つけた人も報酬を得るべきだと思っています。まだ世の中に知られていなかったものを初めて見つけるということは賞賛されるべきことだと思っているので、そこに対して、例えばAという曲を僕が聴いたとしたら、その後に僕のフォローで音楽を聴く、その同じ曲を聴いた人が発生した時に僕に報酬が入るというような設計をしています。

Abe氏事業説明資料2

そしてこちらが8月の頭にローンチ予定のモバイルベータのUIになっています。上の画像の左から2番目の画面がホーム画面です。ここでApple musicだったりYouTube musicで音楽を再生しながらスタートのボタンを押すと、上の画像の右から2番目の画面に飛びます。ここで音楽を再生している間はアーニングが出来るというような流れになっています。

僕たちはPENTAを通して音楽を聴く、音楽のプールのような部分と、音楽を持つというところ、音楽を聴く体験のゲーミフィケーションの部分、あとはオンチェーンのログというところを残していきたいと思っています。最初のクローズドベータのタイミングでは、ユーザーにゲーミフィケーションの部分のみを提供します。僕たちのヘッドフォンNFTを購入していただいて、そのNFTをセットした状態でListen to Earnをすると、トークンが貰えるという設計になっています。それで、そこのコード、音楽を何分聴いたかというプレイングのステータスの部分をログとして残して、オンチェーンのデータとして保存していきます。

ここが、X to Earnで一番大事である、このシステムが本当にサステナブルなのかという点に関して、外部経済性がこのアプリに対してあるかどうかが問題だと思っています。先程オンチェーンのデータをマーケティングに使用するという話をさせていただきましたが、例えば今までテレビで曲を使ったり、デジタル広告を出していた部分を、PENTAのアプリ上で行ったり、ヘッドフォンNFTでアーティストとコラボをすることでプロモーションの費用をいただいて、それをListen to Earnのユーザーとアーティストに還元しようと考えています。

Abe氏事業説明資料3

上の画像が僕たちのトラックレコードの部分です。元々5月に3週間かけてWebのアプリケーションでプロトタイプバージョンをやっていました。その時にホワイトリストを100人で設定したのですが、なんと16,000人の応募を頂きました。その時にロイヤリティとして60,000Astarを頂きました。その3週間の間、毎日使ってくれた人の割合が、大体100人中の54人、54%のリテンションレートというところでした。トラックレコードとしては、プロトタイプの時に、devillageが主催のAstar Networkとマイクロソフトがメインスポンサーで入っているAstar Networkハッカソンというハッカソンがありました。そこで、約60チームの中からメインのプライズをいただきました。今はTwitterでは約22,000人、Discordでは大体7,000人の方から既にご支援いただいているという状況です。

次に今後の展望をお話します。僕たちはListen and Earnのベータローンチを行い、ユーティリティトークンのローンチを皮切りにQ2をしようと思っています。その次にCompose and Earn、いわゆるアーティストがどのように収益を得るかを設計し、その間にミュージックNFTのサポートであったり、そのミュージックNFTのサブスクリプションサービスみたいなものを作って、ミュージックNFTをステーキングすると、そのミュージックNFTをステーキングした報酬が貰えるというようなことをしようと考えています。

その後は、NFTや音楽の真贋判定の部分で、例えば誰でもその音楽データさえ持っていれば、ミュージックNFTにして偽物を作れてしまうというような話があると思います。そこをプルーフ・オブ・プロセスという観点で、音楽を作るプロセスを僕たちのオンチェーン上に乗せてもらうことで、NFTの真贋判定をしようと思っています。このPENTAのエコシステムは、今後3年間ぐらいでDAOによって運営される形にしたいと考えています。次はドバイ法人で僕たちはこのプロジェクトを進めるのですが、最終的にはそこの法人も畳もうと考えています。

チームメンバーは他に4人いて、ファウンダーはmasatojamesです。僕たちは元々株式会社Wall of Deathという会社で、音楽系SNSのアプリケーションを約2年やっていて、特に日本の音楽業界の知見はある程度あるというところで、PENTAをやっています。以上です、ありがとうございます。

新井氏:ありがとうございます。最後にA.Tさん、よろしくお願いします。

AT氏登壇写真

A.T氏:はじめまして、Nannda、Own to EarnのNFTプロジェクトをやっています、A.Tと申します。よろしくお願いします。

今回紹介させていただく僕たちのプロジェクトは、コレクタブルNFTやジェネレーティブNFTとGameFiの良いところを取り入れているようなプロジェクトになっています。

僕たちはOwn to Earnと呼んでいるのですが、どのような仕組みかといいますと、基本的にPFP(プロフィール画像)のNFTでプロジェクトを提供しています。なので、もちろんPFPとして普段使ってもらっても良いのですが、コレクタブルNFTやジェネレーティブNFTを買ったことがある人ならご存じかと思いますが、朝起きたらフロアプライスが下がってるということがよくありませんか?その原因は、市場に沢山出ているNFTがすごい売買されて、売った人が沢山いるから価格がどうしても下がってしまうんですよね。

僕たちNanndaは、それをどのように解決しようか、そして持っている人たちに対して沢山良い体験をしてもらおうかと考えました。まず設計の流れでいいますと、持っているNanndaのNFTを僕たちのNanndaのプロトコルに預けてください。そうするとホルダーは売買が出来なくなるので、市場で売りに出るNFTの数が減っていきます。そして、もっと欲しいという人が増えれば増えるほどフロアプライスが上がっていきます。なのでそのような形で、NFTの価格が上がっていくということに対して貢献していただいたホルダーの方に、預けてもらった分だけのトークンをお渡ししますという仕組みになっています。

AT氏事業説明資料

例えば、今日の時点で「今日から30日間預けます」と言ってくれた方と、逆に「5日間だけ預けます」と言ってくれた方の2人がいたとします。この場合、前者の方がお渡しするトークンの量が多くなります。つまり、NFTをこれからもずっと持ちたいと言ってくれる方に対して、より多くのトークンをお渡しすることで還元するという仕組みです。しかし、それでは手元からNFTがなくなってしまうので、僕たちはホルダーの方にクローンのNFTをお渡しするので、それをPFPとして使っていただくことが出来るというような形になっています。

僕たちはまだ、ホワイトペーパーであったり諸々の情報を公開していないのですが、基本的に大体数千枚前半のセールしかしないと決めています。なので、コレクタブルやジェネレーティブ、PFPの中では非常に少ない方だと思います。もしそれ以上に欲しい時は、2つのキャラクター、これを預言者と呼んでいるのですが、預言者NFTを持っている方が僕たちの独自トークンを消費していただくと、スペルブックという本が出てきます。この本のNFTをリビルすると、また預言者のNFTを作ることができるという形になっています。

GameFi、STEPNやAxieで例えると、ミントやブリードに近い機能になります。僕たちは単なるPFPのNFTのプロジェクトなのですが、そのような機能も入れています。

今日30日預ける人がいて、翌日、その方は29日預けるのと一緒になりますよね。ですので、僕たちはその瞬間に、29日預ける人と同じ分のトークンをお渡しします。もしその瞬間に自分が「まだまだ30日預けたいと思っています」ということであれば、翌日になったタイミングで「もう一度、30日預けます」とお伝えいただけるとありがたいです。これで、何が起きてくるかといいますと、例えばNanndaが持っているホルダーの8割の人が常に「30日間預けます」という宣言をしていると、NanndaのNFTの8割はこれから30日間売りに出ないことになります。そういったDeFiの世界でよく捉われる、いかにトークンを持ってもらうかという仕組みを、難しいインターフェースじゃない形でホルダーの方にお渡しします。

AT氏事業説明資料2

もう一点ありまして、僕たちは預けられたNFTの数に応じて、ラップされたNFTを発行します。このラップされたNFTは、保有者の方がPFPとして使えるものを指します。これを僕たちはクローンNFTと呼んでいますが、それとはまた別でゲーム用のNFTを作ります。このゲーム用のNFTは全て無料でユーザーにお渡しします。ですので、ギブアウェイでもお渡しするし、色々な形で無料で使っていただけます。

僕たちが最初に用意しているゲームは、ラップされたNFTにそれぞれ一つずつ番号がついていて、プロトコルで4時間に1回、番号を発表していきます。もしその番号が当たっていたら、そのゲームNFTを持っている人もトークンが貰えて、それを発行する際に使った元々のNanndaのNFTを持っている人にもトークンが入ります。そして、その貰える量は、元々のNFTの預け期間によって変わってくる、レアリティによって変わってくるというような仕組みになっています。このように、ゲーミフィケーションの要素も入れていこうと考えています。

僕たちは最初にNFTを3,000枚程度しか作らない予定です。もし、8割預けられていると、市場で売買できる量は600枚程度になってしまうんですよね。そうすると、欲しい方の数に全く足りなくなってきます。そのような場合は、ホルダーの方が新しいNanndaのNFTを作ることが出来ます。これによって、例えば新しいEarnの場所を用意するというところと、僕たちの独自トークンの明確な使い道を用意しています。

AT氏事業説明資料3

次のお話は少し難しくなります。僕たちはサステナブルなトークンエコシステムを作ろうとしています。基本的にGameFiは、最近のSTEPNなどもそうなのですが、ほとんどがプロトコルに溜まってきた収益の一部で、市場でトークンやNFTを買い付けます。その買い付けを原資にして、市場で価格がなるべく維持できるようにアプローチを取ります。僕たちは、それは資本効率があまり良くないと思っています。ですので、僕たちは手元に入ってきた収益を基本的にはDeFiで運用をしていくアプローチを取ろうと考えています。このDeFiも、なるべくリスクが低いDeFiプロトコルを取って運用をしていきます。

僕たちはここで、VEモデルと呼ばれる、DeFiでよく使われる仕組みを取り入れています。DeFi AとBとCがあった場合、運用する時は大抵一番利回りが良いところ、安全性が良いところを選択すると思います。例えば、A、B、Cの利回りが1%、2%、3%だと仮定して、3%のCが一番大きいDeFiであれば、大抵そのCを使いますよね。ですが、僕たちはこれをどこに使うかというのを、トークンホルダーの投票で決めます。DeFi Aを運用しているDAOが僕たちのトークンを買ったと仮定します。僕たちのトークンに投票をしたら、より利回りが良いDeFiよりも、自分たちのプロトコルに僕たちの手元にあるUSDCやイーサリアムを持ってくることができます。それによって、彼らのDeFiは人気が上がって収益も増えて、トークンのバリエーションも上がっていくような形です。通常のGameFiやNFT、X to Earnのプロトコルであれば、ユーザーにいかにトークンを消費してもらうかが多い中で、僕たちはそれ以外の人たちにもトークン買いの需要を作っています。また、入ってくる収益も、別のトークンのステーキングホルダーに分配するような仕組みになっています。なかでも、先ほどの新しいNFTを作ったり、NFTホルダー以外の買いの需要、ユーティリティを複数用意している点が特徴的であると思っています。

Next “X to Earn”登壇者集合写真2

さらに、預言者のNFTホルダーの投票によって収益の一部をドネーションしていきます。なぜドネーションをするかというと、元々Nanndaは旧約聖書からインスパイアされているプロジェクトです。旧約聖書には預言者のモーセがイスラエルの民が飢餓で苦しんでいる時に、神にお願いして食べ物を降らせたというストーリーがあります。その食べ物の名前がヘブライ語でマナと言って、そのマナを日本語に直すと「これは何だ」という意味になります。我々のプロジェクト名はそこから取ってNanndaという名前になっています。

今、僕たちが生きている世界でも、今日生きることが出来ない地域がまだまだ沢山あって、そういった飢餓や天災で苦しんでいる方々にドネーションをするということ、またどの地域にドネーションするのかを預言者のNFTホルダーの投票で決めていく仕組みになっています。

まだ一部のNFTインフルエンサーさんや、DAOの方としかお話ができておらず、ほぼTwitterでの情報発信だけなのですが、国内外色々なクリプトの方々に最近話題にしていただいているので、ぜひフォローしていただけると嬉しいです。ありがとうございました。

新井氏:ありがとうございます。みなさんの共通項として、サステナブルという言葉が出ていたと思います。

ユーザーをどのように獲得していくか、トークンを付与してどんどん成長させていかないとサステナブルな仕組みというのは作れないのか、こちらの質問についてどう考えられているのか一言ずつでも良いので教えていただきたいです。まずは、Abe君からお願いします。

Next “X to Earn”登壇者集合写真3

Abe氏:サステナビリティをどう付けるかは、大きく分けて2つあると思います。一つは、僕たちであれば、PENTAのエコシステムの内部でどう価値創造するかという部分です。ここがゲームを楽しいと思ってもらえるところ、NFTのプライスが上がるところだと思っています。

もう一つが外部経済性です。僕たちであれば既存の音楽業界であったり、今のエコシステムと繋げて誰からいくら払ってもらうのか、完全にWeb2の商売のようなビジネスの観点が2つあると思っています。この辺りを如何にバランスを取って、どこまでEarnさせて、どこまでエコシステムにお金を調達してきて、どこまで内部で価値を生み出せるのかをしっかり設計することがトークノミクスだと思っています。ですので、まずはそこを頑張らないといけないと思っています。

新井氏:これに関してはPENTAに限らず、おそらく今世の中に出ている○○ to Earnのプロジェクトは、そこに一番苦しんでいると思いますね。F太郎さんはいかがでしょうか?

F太郎氏:そうですね。Nodle自体はNodleというトークンが、そのユーティリティトークンでもあります。なので、やはりNodleで考えると、どれだけNodleネットワークが普及するか、普及してどれだけ有用なネットワークになるかというところが、サステナブルに繋がると思います。

新井氏:他のお二方はNFTとトークン、デュアルトークンとNFTみたいな形だと思っています。他のお二方に比べると、Nodleはシングルトークンモデルになると思っていて、シングルトークンだけですと、僕の中ではサステナブルがより難しいのではないかと思うのですが、どのように考えていらっしゃいますか?

Next “X to Earn”登壇者集合写真4

F太郎氏:ガバナンストークンとユーティリティトークンを分けるデュアルシステムが一般的だと思うのですが、チームがどこまで考えているのか、まだ伝わってきていない部分もあり、改めてチームと話してどのような考えをもっているのかを確認した上でフィードバックさせてください。

新井氏:そうですよね。トークンエコノミクスも常にアップデートを続けていくものだと思いますので、今後どのようになっていくのかが非常に気になるところではあります。A.Tさんは、いかがでしょうか?

A.T氏:サステナブルについて毎日考えているのですが、結論としては、付加価値をどう作っていくかに近いと思っています。それこそ先ほどAbe君がおっしゃったように、外部から収益を得ていくこと。これは既存のもので例えると、Web2で、特にSNSでDAU10億になるから成り立つみたいな話と近いと思っています。そのネットワークが大きくなった結果、ビジネスが成り立つというもので、初期のグロースにおいては、やはりこのトークンがEarnというのは強いですよね。まさにビットコインがそうだったように、ビットコインは沢山の人が持っているから価値があります。ビットコインの思想が好きで買っている人もいれば、単に儲かるからやっている人たちもいて、そういった形でそれにアクセスする人が増えることによって、その価値が付く、付加価値が増えていくというアプローチと、やはり最終的にどこを目指すか、それがプロトコルの思想に変わってくるところだと思っています。

STEPNで例えると、STEPNで儲かる世界線を維持するというのは相当大変だと思いますが、例えばジムに行っているお金の代わりにSTEPNの靴を買って、もしかしたら何か買った分のお金が返ってくるかもしれないという気持ちで頑張っていたら、気づけば体が健康になっているみたいなことが、今後も起きてくると思います。なので、自分たちのプロトコルが最終的にどこを目指して設計しているのか。そこによってサステナブルの定義や取っていくアプローチが変わっていくと思います。

新井氏:これは個人的な考えなのですが、やはり儲かることを優先して作ってしまうと、崩壊に近いものが起きてしまうというところがあると思っていて、その通りだと思いました。それでは皆様、ありがとうございました。

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