SBINFT:セッショントーク

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2022年7月11日に開催された「Non Fungible Tokyo 2022」のセッション “SBINFT:セッショントーク”をレポートします。

高 長徳 (こう ちゃんどく) 氏
CEO of SBINFT Co. Ltd.
GMOメディア、Yahoo! JAPAN、ドリコムやモブキャストなどでゲームプロデューサーやプラットフォーム事業責任者などに従事。 2018年よりブロックチェーン領域でプラットフォーム事業を展開。2021年9月にSBIグループにジョインし、SBINFT株式会社代表取締役に就任。

高氏:SBINFT代表の高と申します。SBINFTの事業紹介を簡単にお話しさせていただます。よろしくお願いします。

SBINFT株式会社事業説明資料

我々SBINFTの事業はメインでSBINFT Marketという、NFTマーケットプレイスの運営をやっております。ほかには、NFTのコンサルティング事業や、NFTでとても大事な要素であるコミュニティのビルディングサポート等を行っております。

最近は、NFTコンサルティング事業に注力しています。今日ご来場の方のように、NFTを事業に生かしたいというパートナーさんがたくさんおられ、そういった方々の問い合わせに対してコンサルティングを行っています。たとえばNFTコンテンツを販売したい場合、販売は我々のマーケットプレイスで行いたいのか、自社で独自に販売したいのか、ご相談によってマーケットプレイス機能を新たに実装したりなど、全てAll in oneで行っております。

高氏登壇写真

次に、NFTマーケットプレイスの詳細についてお話します。我々のマーケットプレイスはパブリックチェーンを使っています。イーサリアムと、イーサリアムと互換性のあるPolygonというMATICトークンを使っているマーケットプレイスです。NFTの売買取引をフルオンチェーンで行っており、OpenSeaと近しい仕様になっています。ただし、弊社のマーケットプレイスは誰もがNFTを発行できるサービスではなく、違法画像等のアップロードを防ぐため、個人の方も承認制、公認制をとっております。しっかりと審査を行って、承認された方のみ我々のマーケットプレイスでNFTを発行して販売することができる仕組みです。2次創作物に関しては、元々承認している、ホワイトリストに該当するパートナー等が売買を行える仕様になっています。決済に関しては先程のパブリックチェーンに対応していますが、クレジットカード決済にも対応しています。

我々のミッションは、ブロックチェーンで革新的な世界を実現することです。中でも今、一番力を入れているNFTの社会実装を実現するために様々な事業に取り組んでおります。

まず1つ目は、NFTを有効活用したコンテンツによる社会実装です。我々の得意な領域はブロックチェーンに関連する事業、技術です。

しかし、この領域の技術はめまぐるしい進化を遂げています。例えばNFT、メタバースの話もあります。分散型ID(DID、Decentralized Identity)というIDに関する技術も分散化されていきます。イーサリアムの共同創設者ヴィタリック氏が次のテーマとして提唱するSBT(Soulboundトークン)という譲渡不可能な新しいNFTの市場も出てきていますが、我々はこうした技術にもしっかりと対応していきます。

また、ブロックチェーン技術を使ってNFTを社会実装するにはウォレットが重要になります。我々はこれらの技術を駆使して、既存のサービスである、チケット、ファッション、地方創世、エンタメ、アート、ゲーム等々、様々な産業・事業に対して、NFTを使った付加価値を与える新たな体系を実装していきます。

SBINFT株式会社事業説明資料2

2つ目として、弊社は2021年4月にNFTマーケットプレイス「nanakusa」をリリースしたのですが、その後9月30日にSBIグループにジョインし、名前がnanakusaからSBINFTになりました。SBIグループとしての大事な戦略が「SBIグループと連携した金融×ブロックチェーンプラットフォーム構想」です。SBIホールディングスは皆さんご存知のとおり、いわゆる国内随一の金融コングロマリットです。上図左側のように、様々なグループ企業が集結していますが、これ以外にも数十社のグループ会社を束ねている大きな金融会社になっています。我々SBINFTはSBIグループのブロックチェーンネイティブな事業者として、暗号資産取引所を運営するVC Trade等々と共に、Web3主軸事業を担い、SBIグループ全体と融合して、新たな金融コングロマリットをWeb3で実現させる大きな構想のプラットフォームを作る取り組みを行っております。

3つ目はNFTマーケットプレイスの公認制・承認制のアーティストについてのお話ですが、我々はアーティストとアーティストのホルダーファンの方達と共に目指すクリエイターエコノミーというものに取り組んでおります。我々の中では特異な領域ですが、クリエイターの発掘や発信、デジタルアーティストやアーティスト以外にも音楽やライター、フォトグラファー等々、多くのクリエイターを発掘して、世界に発信していくような土壌を作ります。クリエイターの発信の際に、我々とのパートナーや、様々な版権、IPとのタイアップを行います。その他イベントプロモーション、フィジカルのイベントも今後は力を入れていく予定です。

また、常設ギャラリーも構想として準備段階に入っています。NFTアートといってもバーチャルやメタバースだけでは、イメージか分からない部分があるので、これらを解消するためにフィジカル会場での常設ギャラリーを準備しております。

そして重要なのがコミュニティビルディングです。アーティストとホルダーを繋げるためにコミュニティがとても大事だと思っています。主にDAOといわれますが、誰かが運営するものではなくファンとアーティストそれぞれが想いを伝え合いながら大きなコミュニティを作っていき、そこにまた新しい要素を加えて一つの大きなエコノミーを作る、このようなものを目指して取り組んでおります。

NFTやWeb3が社会の中で実装されたその先に、我々が今目指している社会実装があります。これらが実現した先にはクリエイターにとっての新たな世界、クリエイターがNFTやWeb3の中の活動だけでしっかりと生活ができる、そのような基盤を作るための施策を行い、環境を構築することが我々のゴールです。

次に、我々が取り組んでいる事業についてご紹介します。

先程のマーケットプレイスや、コンサルティング事業にて提供しているツールなどを使って、どんな事業を行っているかをご紹介いたします。

SBINFT株式会社事業説明資料3

まず、今年に入って我々はローソンエンターテイメントさんと一緒に、NFTの要素を加えた新しいチケットの開発や、ローソンチケットサービスに対するDX化などチケットサービスの新たな体系を作っていくための準備を行っています。

次の事例は、株式会社バンタンさんと共に取り組んだ国内初の卒業証書NFTです。バンタンさんが運営しているファッション・ヘアメイク・デザイン・映像の専門学校にて、実際に今年の3月の卒業生に対してNFT卒業証書を発行しました。今回、初の試みとしてパブリックチェーン(Polygon)でNFT化された卒業証書を発行し、各卒業生が保有するデジタルウォレットに配布しました。

最後に、AIを応用したNFTの真贋判定技術研究です。当社のマーケットプレイスの中で承認制・公認制を取っている理由の一つは誰でもNFTの発行を可能にしてしまうとそこで違法画像や、IPの版権を無視するような画像をあげてしまうケースが出てきます。それを止めるため、制御するために我々は公認制・承認制をとっていますが、それでもやはり誰かがあげてしまう可能性を0にすることができませんので、そのNFTをミント、発行するタイミングでAIで画像の真贋判定を行います。それができるように技術研究を行っており、その先に、このNFTを持っている各ウォレットがどんなNFTを持っているのかを傾向として取れるので、それらを新しいマーケティングデータに使えないかなども含めて技術研究をしながら事業に展開する準備をしています。

我々の事業と今後の取り組みに関しての説明は以上です。ご清聴ありがとうございました。

高氏登壇写真2

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