暗号資産の信用基盤を作りたい、もっと安心して取引できる世の中へ

Elliptic盛本まりあ氏インタビュー

ブロックチェーン・暗号資産(仮想通貨)業界内で活躍する女性にスポットを当てた特集記事「ブロックチェーン女子部」。

今回は、Ellipticの盛本 マリア氏にお話を伺いました。

盛本氏が感じた暗号資産の問題点とは?同氏が暗号資産・ブロックチェーンに期待する未来についても語っていただきました。 

盛本 マリア(もりもと まりあ)氏

コネチカット州立大学大学院環境化学研究科土壌化学専攻(修士)卒業。大手リース会社の法人営業に従事したのち、大手IT企業に転職。Webコンサルタント職を経て、個人事業主として暗号資産関連含む様々なプロジェクトに従事。2020年にEllipticに入社し、セールス&マーケティングマネージャーを務める。

Elliptic(エリプティック)とは?

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2013年にイギリスで設立されたEllipticは、暗号資産のリスク評価ソリューションを提供しています。暗号資産・ブロックチェーンの特徴のひとつに、非中央集権性というものがあります。中央で監視する組織がないということはメリットも大きいのですが、それを悪用して違法な取引や犯罪に使われてしまうケースもあるのが事実です。

そんな中で、暗号資産の取引元の安全性をチェックする仕組みが弊社のサービスなのです。暗号資産の出所がクリーンであるかどうかの確認を行うソリューションで、暗号資産取引所を中心にご利用いただいています。 

昨年日本進出を果たしたElliptic

Ellipticの日本法人は昨年立ち上がったばかりで、私を含めてまだメンバーは2名しかいません。私はセールス&マーケティングマネージャーという立ち位置になるのですが、業務内容は多岐に渡ります。

業務の中心である国内のクライアントやプロモーションに関わる部分以外に、アジアの営業支援に入ったり、地味なところだと自社Webサイトの制作もやったりしますよ。過去に、個人でメディアを立ち上げた経験で得られたWeb制作の知識が今になって活かされていますね。

暗号資産・ブロックチェーンとの出会い

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2017年、暗号資産の価格高騰もあり業界が盛り上がっていました。その頃、私は大手IT企業でwebコンサルタントとして勤務しており、広告案件として暗号資産関連のものに触れる機会があって、その存在を知ったんです。

当時は規制もなく、暗号資産取引所のTVCMも盛んでしたよね。その直後にハッキング事件も発生し、暗号資産はちょっと怪しいのかな?という気持ちもありました。

その後、個人事業主としてベンチャー企業に参画しました。既存の問題に対するソリューションとしてのサービスを立ち上げようという構想から、二酸化炭素排出量の取引に暗号資産を使えないかというアイディアが持ち上がりました。

ブロックチェーンや暗号資産について深く調べ始めたのはこの時です。ハッシュ化の技術や暗号化の技術単体には過去にも触れたことはあったのですが、それらのかけあわせでブロックチェーンという技術が成り立っているということ。そして誰も管理しない状態で安全に取引ができるというところに強く惹かれたんです。

暗号資産は個人の強力なツールとなりうる

個人事業主として活動する中で、個人の信用力の問題を感じることがありました。会社員と比べると、個人事業主は金融機関の審査等で時間がかかったり不利になったりすることが多いですよね。

その点、暗号資産は需要と供給が一致すれば、直接取引が可能になります。もっと手軽にビジネスができる強力なツールとなりうるのではないかという期待もしています。

暗号資産が抱える問題

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たくさんの可能性を秘めた暗号資産ですが、まだまだ投機先として見られてしまうことがほとんどで、危ないものだという印象も強いですよね。

前述の二酸化炭素の案件についてもまだ(暗号資産の)市場が成熟していないということで、興味は持ってもらえるものの、話はなかなか前に進みませんでした。暗号資産を健全な形で浸透させるためには、まず信用基盤を作らなければならないのでは?そう考えていた時にEllipticから声をかけていただいたんです。

提供しているサービスも、暗号資産のリスク評価ソリューションということで、暗号資産を安心して取引できる基盤づくりにつながると感じました。

コロナ禍での転職

Ellipticには今年2020年4月に入社しました。新型コロナウイルスの影響もあり、面接は全てオンラインで行われ、実際にメンバーと直接会うことができたのは6月頭です(笑)。

面接から入社まで一度も直接会わないというのは初めての経験でしたが、オンラインだったからこそ服装やその場の雰囲気にとらわれすぎず、相手の中身をしっかりと見ることができたと感じています。入社後も、特にコミュニケーションにおいて問題を感じることはありませんでした。

子ども時代の原体験が今の仕事につながっている

私は、6、7歳の頃にインドに数ヶ月ほど住んでいました。当時は先進国しか知らなかったので、あの時の記憶は今も強烈に残っています。

特に、自分とほとんど年の変わらないような子どもが物乞いにやってくる様子は衝撃的でした。それを見て、一体自分に何ができるのか?幼いながらに深く考えさせられた経験でしたね。

現在の私の仕事の根幹にある新しいものに取り組んで問題を解決するということに対する情熱は、そこから来ているのかもしれません。

最近は新型コロナウイルスの影響で難しいですが、海外を旅するのは今もすごく好きです。私は、日頃から海外の行きたい店や場所をGoogle マップにピンしていくようにしています。そうすると、ある程度ピンがたまったら、自分がどこの国に1番行きたいのかが自然にわかるんです。

最近気になっている国はモロッコですね。歴史が深く料理も美味しそうで、魅力を感じます。状況が落ち着いたらぜひ行ってみたいです。 

変化の大きい業界で、価値あるデータで勝負する

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暗号資産・ブロックチェーンはまだ未成熟な業界です。私は、変化の大きい環境が好きなので、これから成長していく市場に面白みを感じています。

個人的にデータがすごく好きで、以前にもデータを商品とする案件に関わったことがあるのですが、そのビジネスモデル作りには難しさを感じていました。

Ellipticはクライアントのニーズにマッチしたデータを情報として提供しており、ビジネスとしてもうまく成り立っているところが私にとっては魅力でしたね。 

Ellipticでの仕事の難しさとは?

データは質が命です。このデータの『質』の大切さを伝えるのが意外と難しいですね。企業が何らかのソリューションの利用を検討する際、金額とサービス内容を見て決めるというパターンが多いと思うのですが、データに関してはそれだけでなくぜひこの『質』も比較検討いただきたいんです。

データの分析について何も知識のない方に自社のデータの質の高さをどう伝えるか?というところは、日々試行錯誤しているところですね。 

暗号資産、そしてEllipticのこれから

日本でも『Elliptic』という社名が通るようにしていきたいです。そのために、暗号資産・ブロックチェーン業界にとってプラスになるサービス展開や情報発信を強化していきたいですね。

暗号資産取引所は弊社の重要なクライアント様になりますが、そちらだけを顧客対象としていては広がりがありません。暗号資産関連企業との取引を検討している既存の金融機関に対しても、暗号資産関連企業の信頼度チェックとして弊社サービスを使用していただくことで、より業界への貢献を進められると考えています。

私自身、新規事業に携わるのが好きなので、立ち上がったばかりのElliptic Japanは最高の環境ですね。Ellipticのサービスで暗号資産の信用基盤を作り、ブロックチェーンを使った事業の支援につなげていければと考えています。

暗号資産・ブロックチェーン業界の魅力

激しい変化が好きな人、技術が好きな人は、暗号資産・ブロックチェーン業界はハマると思います。これから変わっていく世界が見たいという方にオススメの業界ですよ。

世界の中でもトップクラスの優秀な人々がブロックチェーンや暗号資産にコミットしているのは、それだけ価値のあるものなのだということですし、私はそれを信じています。怪しいイメージがまだまだ根強い暗号資産ですが、とても面白い技術なので危ないものだと決めつけずに、まずは知って欲しいですね。

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