2021年2月6日(土)に日本最大級のブロックチェーン・暗号資産(仮想通貨)業界特化型転職イベント「ブロックチェーン企業オンライン転職フェア」が開催されました。オンラインで行われた企業スピーチを、要約してレポートします。
正田 英樹 氏
株式会社chaintope 代表取締役CEO
1999年7月、ハウインターナショナル創業。2015年頃より共同創業者であった故高橋剛、現CTOの安土らと共にブロックチェーンの研究開発を開始し早期から社会実装に向けた取り組みに注力。2016年12月、ブロックチェーンに特化して事業を進めるべくchaintopeを設立。ブロックチェーンを用いた自律分散型の新たな社会モデルの構築をモットーに様々な分野でのブロックチェーン実装に向けて日々奔走。
目次
ガバナンスとオープン性の両立を実現したTapyrus
私たちchaintopeはブロックチェーン技術からアプリケーションまで開発を一手に担い、顧客に直接アプローチを行っているスタートアップ企業です。2016年に福岡県飯塚市を拠点として設立し、マレーシアに子会社も持っています。
chaintopeではパブリックブロックチェーンとプライベートブロックチェーンの課題を解決したハイブリッド型ブロックチェーン『Tapyrus』を開発し、分散型データ社会に安心と信頼を提供したいと考えています。ブロックチェーンは将来的に関連市場規模が67兆円にまで伸びるとの予測も出されていますが、現状はそれほど普及が進んでいません。それは一体なぜでしょうか?
パブリックチェーンとプライベートチェーンが抱える問題点
ブロックチェーンは、ご存知のようにビットコインから生まれました。ビットコインはオープン性・透明性に優れた画期的なコードを持っている反面、管理者がいないため何か問題が起きたらどうするのかというガバナンス面や、決済等の最終決定が曖昧になってしまうというファイナリティの面で課題を抱えています。
そこで、ガバナンスやファイナリティの問題を解決するために多くの事業者はプライベート型のチェーンやコンソーシアム型のチェーンを開発しました。しかし、残念ながらそれらはオープン性や透明性の確保がなされていません。
また、このようなクローズドなブロックチェーンであれば既存のデータベースでも代替できるのではないかとの議論もあり、なかなか実装に至らないという現実があります。
ハイブリッド型チェーン『Tapyrus』とは?
そこで、chaintopeのTapyrusではProof of Authorityという方式のコンセンサスアルゴリズムを取り入れました。ブロックチェーンをガバナンス層とレッジャー層という2つの層に分けることで、オープン性と透明性、ガバナンスとファイナリティ双方の問題を解決したのです。
ガバナンス層では署名のネットワークを形成し、ブロックの生成を承認します。一方レッジャー層では台帳のネットワークを形成し、不特定多数の人とデータ共有ができるようになっています。
特許申請中の技術で大量データ処理・チェーン間連携の問題を解消
ブロックチェーンの課題として、大量のデータ処理が難しいという問題や異なるチェーン間の連携が難しいという問題もあります。膨大なデータの処理に関しては一般的な実装をすると処理するデータ件数が増えるに連れてシステム上のデータサイズが増加し、ブロックチェーンにデータが載りきらないという問題が起こってきます。
そこで、chaintopeではデータサイズを圧縮する特殊な技術を開発しました。こちらは現在特許申請中です。この技術を用いることで、処理するデータが増えてもシステム上のデータサイズをほぼ増大させることなくデータをブロックチェーンに載せることが可能となるのです。
異なるチェーン間の連携(ブロックチェーン同士の連携)は、これまでのブロックチェーンの実装だと既存のシステムを代替する形で行うためデータ連携ができないという問題がありました。また、チェーン間連携も仲介者がトークンのやり取りを仲介しているだけで、システム連携・データ連携はできません。
その点、Tapyrusを使った実装では新たに構築するアプリケーションのみでなく、既存システムとも繋いで安全な形で様々なデータ連携が可能となっています。その他、二重使用を防ぎつつ第三者を介さないチェーン間のデータ連携も可能となっており、こちらについても特許を申請中です。
chaintopeの事業展開について
今後の展開として、将来的にはスマートフォンの上でアプリケーションが作れるように、簡単にブロックチェーンアプリケーションができるプラットフォームを開発したいと考えています。その実現のためにTapyrusプラットフォームを構築し、その上にAPIをつなぐことで複雑な開発を簡素化する仕組みを作っています。
また、元々長く取り組んでいたトレーサビリティに加えて、DX(デジタルトランスフォーメーション)化やCO2の削減といった分野にも力を入れています。例えば、TapyrusプラットフォームのAPIではトレーサビリティAPIや行政DX用API、CO2削減の見える化・価値証書化APIを開発して提供を始めました。
さらに、新しい取り組みとして個人のデータ管理権限を取り戻すという観点で、GAFAの対抗軸にもなるDID(分散型ID、Decentralized Identifier)にも力を入れています。また、ブロックチェーン技術者を育成するための勉強会GBEC(ジーベック)も行っているので、興味のある方はGBECで検索してみてください。技術者を育成しながら一緒に開発する企業も増やし、自立分散型の新しい社会モデルを作っていきたいと考えています。
現在、chaintopeのホームページではTapyrusや実施中の社会実証実験などについて概要がわかる動画をご覧いただけます。是非当社のホームページをご覧ください。
chaintope 公式ホームページ https://www.chaintope.com/
Tapyrus チャンネル(動画ページ)https://www.chaintope.com/tapyrus-channel/
今、chaintopeが求める人材とは?
現在chaintopeでは、共にビジネスモデルを構築してくれるビジネス開発メンバー、ブロックチェーンのプロトコルを開発したいというエンジニア、ブロックチェーンを活用してアプリケーションを開発するブロックチェーンエンジニアを募集しています。現在完全にリモートで仕事を行なっているので、勤務地は自由です。共に安全な分散型の社会を実現していきましょう。
Web掲載のない非公開求人もございます。詳細は以下の転職相談よりお問い合わせください。