次のWeb3トレンド

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2022年7月11日に開催された「Non Fungible Tokyo 2022」のセッション “次のWeb3トレンド”をレポートします。

田中 章雄(たなか あきお)氏
Headline Asia 創業パートナー
Headlineは北米、南米、欧州、アジア各地でインターネットベンチャーに投資するグローバルVC。また2021年にAnimoca, Circle, Digital Currency Groupなどの海外投資家が中心に出資する約110億円のトークン専用ファンドIVCを立ち上げ、現在アジアで最もGameFiやWeb3のシードステージに出資するVCとして150以上のクリプトポートフォリオを持つ。Headline及びIVCのポートフォリオにはSoRare, C2X, Crypto Unicorns, Irreverent Labs, MetaTheory, Proof of Learn,YGG, YGG SEA, YGG Japan, JPYC, Yay! (Nanameue), Double Jump, Oasys などが並ぶ。

熊谷 祐二(くまがい ゆうじ)氏
Emoote ジェネラルパートナー
2021年、Web3ファンド「Emoote」General Partnerに就任。エンターテイメント、メディア、ライフスタイル分野を中心に投資を推進する。主な投資先は、STEPN、BreederDAO、EthSign、YGG Japanなど。2019年8月からHeart Driven Fund ヴァイスプレジデントに就任。自身の起業・経営経験を元に主にアーリーステージの投資実行、ハンズオン支援を行う。2015年にスポーツテック事業を手掛けるSkyBall株式会社を創業し、2018年にアカツキへ売却。2014年にiemo株式会社共同代表取締役COO就任を経て、同社を株式会社ディー・エヌ・エーへ売却。

佐藤 崇(さとう たかし)氏
Arriba Studio Founder / CEO
SGと東京を拠点とするWeb3アクセラレーター Arriba Studio 代表。エクイティに限らずトークン投資をしたりスタートアップ支援活動をしている。2000年の黎明期から多数のサイトやプラットフォームを事業化しネット業界の栄枯盛衰を渡り歩く。SBI NFT(旧スマートアプリ)・アクセルマーク(旧エフルート)創業者。

國光 宏尚(くにみつ ひろなお)氏
gumi Cryptos Capital managing partner / Thirdverse・FiNANCiE CEO
米国Santa Monica College卒業後、2004年5月株式会社アットムービーに入社。同年に取締役に就任し、映画・テレビドラマのプロデュース及び新規事業の立ち上げを担当する。2007年6 月に株式会社gumiを設立し、代表取締役社長に就任。2021年7月に同社を退任。2021年8月より株式会社Thirdverse代表取締役CEOおよびフィナンシェ代表取締役CEOに就任。2021年9月よりgumi cryptos capital Managing Partnerに就任。

金山 裕樹(かなやま ゆうき)氏
MZ Web3ファンド アドバイザー
大学卒業後、音楽系ITベンチャーに勤務を経てヤフージャパンへ。ヤフージャパンではヤフーファッションなどの新サービスを複数立ち上げる。2008年にファッションアプリ『IQON』(アイコン)を開発するためにVASILY創業。IQONは、AppleとGoogle両社のベストアプリを受賞した唯一のファッションアプリ。2017年10月に「ZOZOTOWN」 を運営するZOZOにM&A。M&A後は同グループの技術開発を担うZOZOテクノロジーズのイノベーション担当代表取締役として、ZOZO研究所の発足などR&Dと新規事業の創造を行う。 2022年MZ Web3ファンドのアドバイザー就任。 著書に「いちばんやさしいグロースハックの教本」(インプレス)など。 2000年フジロックフェスティバル、レッドマーキーステージに当時最年少で出場した経験もあり、音楽とファッション、テクノロジーを愛する。

田中氏:セッションを開始させていただきます。簡単に自己紹介から入りたいと思います。まずは國光さんからお願いします。

國光氏:國光です、よろしくお願いします。もともとgumiという会社をやっていましたが去年、退任しました。今は3つの事業をやっています。ThirdverseというVRゲームやブロックチェーンゲームの作成を行っている会社、フィナンシェというサービスをやっている会社、gumi Cryptos CapitalというWeb3に特化したファンドをサンフランシスコでやっています。トークンにもFEDにも出資しているファンドです。本日はよろしくお願いします

田中氏:ありがとうございます。次に金山さんお願いします。

金山氏:MZ Web3ファンドでアドバイザーを行っている金山です。MZ Web3ファンドはLP(有限責任組合員)がZOZO創業者の前澤友作さんです。ファンドサイズとしては100億円ぐらいです。我々もNFT、トークン、エクイティ問わず、面白そうで可能性がありそうなWeb3プロジェクトに投資をしていく姿勢で、今年の4月に立ち上がりました。実際に投資実績が1件あり、ロンドンのブロックチェーンゲーム会社のOpenBloxに先日出資をしました。よろしくお願いします。

田中氏:次に佐藤さん、お願いします。

佐藤氏:Arriba Studioの佐藤と申します。

Arriba Studioは僕自身が社長を務めております。シンガポールを拠点に日系Web3系のスタートアップに対してトークンを中心にエクイティで出資して事業支援を行っています。

僕と、元GMOベンチャーパートナーの宮坂さん、double jump.tokyo創業者の一人である玉舎さんの3人で経営しています。

Oasysやdouble jumpなど名が知られている会社にも出資しているのですが、今後はいろいろな若手のスタートアップを支援していきたいと考えています。よろしくお願いします。

田中氏:次は熊谷さん、お願いします。

熊谷氏:Emooteというファンドのジェネラルパートナーをしております熊谷と申します。

Emooteはアカツキというデジタルエンタメの子会社とシンガポールベースでWeb3特化のファンドを行っております。僕らはトークンに特化して投資しています。領域としてはエンタメ、メディア、ライフスタイル、コンシューマービジネスでどうやってトークノミクスを見つけるかに特化しています。

現在、世界中で25のプロジェクトに投資を行っています。有名どころではみなさんもご存じのSTEPNという走って、歩いて稼ぐというMove to Earnのランニングアプリに投資しております。本日はよろしくお願いします。

田中氏:ありがとうございます。最後に僕も簡単に自己紹介をします。

HeadlineとIVCの2つのファンドの代表を務めているのですが、現在はその中でもIVC、アジアでトークン出資に特化したファンドを行っています。ファンドサイズ100億円ぐらいですが、170社のポートフォリオがあります。

アジアで最もWeb3系の会社に投資しているシードファンドだと思いますが、今回ここに参加されている國光さん、熊谷さんの会社からも出資いただいてます。アジア全体、グローバルに投資をしているファンドです。

本日は、Web3領域にすでに投資をしている経験値の高い方々で未来を占おうというセッションです。スピーカーのみなさんにはあらかじめ「次のWeb3トレンドはこれだ」と思うものを占ってもらいました。それを順番にお見せしたいと思います。

最初に届いた占いは、大凶ともいえるものが出ました。次のWeb3のトレンドは「Web3プロジェクトやdaoの多産多死」という予言です。死神みたいな予言ですが、これは金山さんでした。

金山さん、このコメントの心を教えていただきたいと思います。

金山氏登壇写真

金山氏:基本的に全部のプロジェクトが成功する世界ではないので、失敗するプロジェクトも当然出てくる。その中でWeb3のプロジェクトが今後発展していくためにはより多くのトライアルが必要であり、その結果、多くの失敗も生まれる、という意味です。会場にもWeb3関連のプロジェクトを行っている方もいると思いますが、1人も失敗しないということはないと思います。ですが、ピボット(方向転換)したり長期的に見たらうまくいくことはあるかもしれません。不吉というよりそれが普通かなと思います。

むしろ多産多死なくして質の高いWeb3プロジェクトやNFTプロジェクト、DAOが生まれるのは困難であり、コミュニティとして必要なプロセスだと思います。だからこそ、我々はこのMZ Web3ファンド、いわゆるファンドというかファミリーとして協力していきたいと考えています。前澤さんは100億円規模のファンドなので、実質、期限がないという点は大きいですね。

田中氏:普通のファンドと違って、それは大きいですね。

金山氏:例えばシードの段階で投資できなくても終わりではありません。創業者やチームが学びを得てもう1回トライアルして、我々の扉を開いてくれたらいいなと思っているので、深い意味はないです。ただ、多産多死が起こらなければ質のいいプロジェクトも出てこないし、まずは多産を我々がバックアップしたり、みなさんが勇気を持ってプロジェクトを一歩進めることが大事だと思います。

田中氏:今のお話にも繋がると思いますが、金山さんは最近、NFT.NYCにも行かれてかなり辛口の感想をおっしゃっていましたが、是非その辺りをみなさんにもご紹介をお願いします。

金山氏:正直、セッションのレベルは高くありませんでした。私はWeb2のバイトもやっていて、そのバイト先ではAWS3イベントやGoogle IOにも参加しているのですが、比較対象としてGAFAのような企業がやっているものと、NFTやDAOなどのプロジェクトをやっているカンファレンスを比較するのはフェアじゃないかもしれませんが、NFT.NYCは、3日間まじめに朝からセッションに参加しましたが、特に持って帰るようなものもなく、割と夢や気合いを語っていたものが多かった印象でした。

田中氏:中身がなかったということですか?

金山氏:僕にとって期待していたものではなかったといったほうが正しいです。

熊谷氏:NFT.NYCはそもそも、スピーカーが1500人いたんです。かなり細かい枠でたくさん会場もあり、手をあげたら誰でもスピーカーになれる状態だったため、質はかなり下がったと思います。僕は1つもセッションに参加せず、ほぼサイドイベントのみで、ネットワーキングに専念しました。

金山氏:それが正解だったんでしょうね。

田中氏:ということはパーティーに出られたということですか?

熊谷氏:半分そうですね。ほぼネットワーキングで人が集まるのはNFT.NYCだから、そのためですね。

金山氏:わかります。

田中氏:ちなみに今回、多産多死というすごいコメントでしたが、これに対してもし違う見解がある方は教えてください。

佐藤氏これからいろんな世代がプロジェクトを立ち上げていくと思っています。若手のトークンエコノミクスの未来というか、夢を語る人がたくさんいる中で、ガチンコの上の世代がどんどんアダプテーションしていき、プロジェクトがいっぱい出てくる時期がくると思っています。若い世代と少し上の世代、僕たちの新鋭世代がガチンコで競争する時期がやってきています。それが多産多死といわれればそうですけど、相乗効果でマーケットができるのかなと、僕はそういった世界がきてほしいです。

田中氏:ありがとうございます。次のコメントは「Web3プレイヤーのミドル世代躍進」です。僕は最初この意味がよくわからなかったのですが、これは佐藤さんのコメントです。先ほど少し話題が出ましたが、このミドル世代というのは何でしょうか?

佐藤氏登壇写真

佐藤氏:僕は2018年ぐらいからブロックチェーンゲームやこの界隈に関わってきました。スマホネイティブ業界に中華ゲームの勢力がたくさん入ってきて、サチっていく(飽和するというスラング)過程でした。最初は、ソーシャルブロックチェーンゲームという領域から日本勢が大きくなったと思っています。一旦、クリプトの冬がきて下火になったのですが、ここから生き延びた会社が飛躍していこうとしている段階です。ブロックチェーンゲームだけではありませんが、NFTという領域ではデジタルコンテンツや会員サービス、サブスクサービスなどいろんなサービスが出てきます。そこでSaaSとかネット業界などで頑張っている会社が、この領域に入ってきたり、少し出遅れたプレイヤー、30代などの経験者が入ってくるのかなと思っています。

田中氏:では、このミドルとは年齢のミドルですか?

佐藤氏:ちょっと上の世代ですね。

田中氏:ミドル世代は30代、40代も含めていいのでしょうか?

佐藤氏:それでいいです。

田中氏:それでは、これからミドル世代の多産多死が進むということでしょうか?

佐藤氏:多産多死というかミドル世代はお利口さんなので、いろんなピボットもできると思いますし、市場が作れる存在でもあると思うので僕も協力していきたいと思っています。

熊谷氏:面白いですよね。去年の末頃から日本ではWeb3がトレンドワードになって流行ってきたと思いますが、最初は、どちらかというとまだビジネスをしたこともないような若手たちが、最後のフロンティア的にこれしかないと考え、Web3を勉強してNFTをやっていました。それに対して、僕も今年の初めにシンガポールに移住したのですが、7〜8月頃から30〜40代の方が家族全員でシンガポールに引っ越す事例が増えたんですよ。

田中氏:2波がきている感じですか?

熊谷氏:第2波がきていますね。彼らは、自身の経験や成功事例をみながら、気合を入れてこれまでの知見やネットワークを使ってやってくるところは、かなり早い周期ですがすでに始まっていて時代が変わっている感じがしますね。

田中氏:皆さんにお聞きしたいのですが、もっと前からやっているWebネイティブな20代とこれから押し寄せてくるミドル世代のおじさんたちとどちらが強いのでしょうか。

佐藤氏:実はおじさんは油断をしているので失敗すると思っています。

僕は、今若い世代から逆に学んでいますが、振り切ってやっています。僕自身もそうでしたが、ミドル世代は中途半端に優秀すぎるとビジネスモデルを組むにも、既存のWeb2のモデルの経験からどうやるかというような雰囲気でやってしまうのかなと感じます。

田中氏:Web3おじさんで知られている國光さんからもコメントをいただければと思います。

國光氏:ここは結構シンプルだと思っています。僕らはソーシャルゲームで同じことを経験しましたから。例えば、モバイルゲームが出てきた時、最初に何が起こったかというと家庭用ゲームや公式サイトで実績があった人たちが、ソーシャルゲームのことをあまり勉強せずにこんな感じだろうという姿勢で作ったゲームが、全部こけたんです。

次に、怪盗ロワイヤルやドラゴンコレクションが出てきましたね。「ソーシャルゲームってなに?スマホゲームってなに?」という部分を徹底的に研究し尽くした当時の地頭のいい新卒といわれる人たちが圧倒してきたのです。

ただ、成長特性の中でソーシャルゲームならでは、スマホならではという肝心の部分があるタイミングからコモディティ化してくるんです。例えば、今のスマホゲームはスマホならではのところを基本的にコモディティ化してしまいます。

そうなってくると、その上のIP、演出、世界観など含めてが重要になってきます。さらに大規模開発が進んでくるとおじさんたちのほうが強いので、最終的にはおじさんたちが反省して「スマホならではとは?」という部分を徹底的にやり込んできました。これは若者とおじさんたちのラーニングカーブという感じですね。

同様に、初期はブロックチェーンゲームをやっていて、ほとんどのゲームは既存のWeb2ゲームのNFT部分のところ、つまりカードのところをNFTにするとか、とりあえず既存のサービスにトークンをつけるとか、ブロックチェーンならではとは何かというのを一切考えません。このようなおじさんたちは一瞬で淘汰されます。

その中でブロックチェーンならではとは何かをおさえられている若者がまずは有利になります。ただ、ブロックチェーンならではの部分も、おそらく2年間程で出尽くし、コモディティ化します。そうなってくると、その上での世界観、演出という感じになってくると思いますので、この辺の時間軸をしっかり見た上で若者がうまくおじさんを活用する、おじさんはうまく若者を活用するみたいなパートナーシップが出来るところが有利になってくると考えています。

田中氏:なるほど、ありがとうございました。

次の未来予言は、次のWeb3のトレンドは「ほぼオフチェーンw」國光さんのコメントですね、ご説明お願いします。

國光氏登壇写真

國光氏:結局、今、流行っているブロックチェーンゲームを見ていると、どんどんオフチェーン化が進んできています。STEPNに関しては、ほぼオンチェーン部分がないみたいな感じになってきており、ここからはもともとのWeb3原理主義者的なものはディーセントライズという感じです。そことユーザビリティ、UI/UXの部分がかなり相反する感じがあり、ほとんどのことはオフチェーン化していくと解決されます。

僕の未来予想でいくと、ここから流行ってくるサービスアプリケーションレイヤーは、最終的に透明性や信頼性を担保するというところだけをオンチェーンに書き込むけれど、それ以外のトランザクションはほとんどオフチェーンでやっていく形になってくると思います。

ウォレットも、中のマーケットプレイスも、NFT発行というところも最終的にユーザーがミントするまではすべてオフチェーン。トークンのところもオフチェーン。最終的に必要で自分のウォレットにある時だけオンチェーンというようなものが意外と主流になってきていると思います。

田中氏:そのモデルに今一番当てはまるプロジェクトを1つあげるとしたら何ですか?

國光氏:STEPNですね。STEPNはオンチェーン部分がほとんどない。

今後、さらにオフチェーンという感じになっていき、ここから2~3年はこれは「Web3じゃなくない?」とみんなが疑問に感じる時がくると思います。そして、次の3~4年でもう一回揺れ戻しがくる。当面の2~3年はオフチェーンというのがサービスアプリケーションレイヤーでは主軸になってくるだろう、これが僕の読みです。

田中氏:今、ノストラダムスのオフチェーン予言が出たんですが、他のコメンテーターの方々はいかがですか?

熊谷氏:基本的に僕も同意です。

今まで、ブロックチェーン、オンチェーン原理主義者からすると相反する話だったので、STEPNは違う角度から入ってきてユーザーを取っていくというのがあります。ただ、今の時点では開発工数やテクノロジーなど色々問題はありますが、長期的にみてみると、もっとオンチェーンのデータがのってきてコンポーザビリティが働いて面白い事例が出てくると思います。STEPNがオンチェーンに載っていれば実はもっと可能性が広がると思います。今は色々制約があってそうせざるを得ないからで、3〜5年経てば変わるかもしれません。

田中氏:ミドル世代代表の佐藤さん、どう思いますか?

佐藤氏:僕はオンチェーンの自由な感じが好きなので、自由やディセントライズだけではマスアダプテーションしないので、その組み合わせかなと思っています。オンチェーン側のOasysも含めたイノベーションの競争とオフチェーンを組み合わせた競争がガチンコでバトルしていいモデルが出来上がってくる世界を作っていきたいなと思っています。

田中氏:金山さん、オフチェーン論争に対してコメントがあればどうぞ。

金山氏:全く同意です。ブロックチェーン技術って人類の前に現れた、これまで見たことのない超便利な道具です。これからどう使っていき、その道具をどのように進化させて使い方を習熟させていくかで価値が産み出てきます。そのような意味で、中間地点としてほぼオフチェーンもありえると思っていますし、フルオンチェーンは結構時間がかかるのではないかと思っています。

田中氏:先ほど國光さんからSTEPNが例として上がりましたが、他に今あるもので新しいトレンドの良い例はありますか?

熊谷氏:全然違うトレンドでもいいですか?

オンチェーン、オフチェーンではなくていうと、ゲームのソフトカレンシー、ハードカレンシー問題です。今までユーティリティトークンとか上場してリスティングしていったものでした。インゲームのポイントとして取り扱うようになったトレンドもありますし、結構、オンチェーンでトークンもパブリックが正解みたいな感じでしたけど、今は切り離されている社会ではありますね。

田中氏:それはどうしてでしょうか?パブリックマーケットが崩壊したからですか?

熊谷氏:パブリックマーケットが崩壊したこともありますが、結局は理想的に運用できないことが大きな要因です。現実的な解としては、中間地点が必要なのではと思います。

田中氏:ありがとうございます。本日最後の予言に移ります。

Web3の次のトレンドは「Web3のIPがアカデミー賞受賞」これは何かBAYCなどがアカデミー賞を取ってしまう感じですか?熊谷さん、お願いします。

熊谷氏登壇写真

熊谷氏:最後は明るい話題で締めたいと思います。

田中氏:これは誰がアカデミー賞をとるんですか?NFTクリエイターがとるのでしょうか?

熊谷氏:NFTクリエイターとかBAYC、ボアード・エイプから派生した映画とかそういう話です。大きな流れの中で何がおきているかというとNFTコレクタブルみたいな、とりあえず発行してソーシャルトークン的にソーシャルで盛り上がるとか、NFTはパーティーをするために盛り上がるとか、これは一巡した印象です。

大きな中でNFTを次に何に使うかというのがトレンドとしてあります。1つはレンタルがもっと自由にできる、金融的な意味でのレンディングができる。その中の1つに大きな軸があればどうアドバリューできるか、どうNFTに価値やユーティリティを持たせるかがポイントとしてあるので、みんなアニメを作ったりゲームを作ったりしていると思います。

Web3ネイティブで生まれたIPから映画を作るとか、Web3やDAO的なやり方で制作委員会みたいなものを作って映画を出してみるとか。いろんなHowとしてはグラデーションがあります。Web3的なテクノロジーやブロックチェーンを使った中で生まれるIPが、例えばNetflixからアカデミー賞ノミネート作品がうまれたみたいな形で、世界の話題になって賞をとるIPが出てくるんじゃないかなと、そういう期待感を持って挙げさせていただきました。

田中氏:例えば、NetflixがWeb2から出てきたものでアカデミー賞やオスカーのノミネート作品はバンバン出していますが、Netflixはプラットフォームじゃないですか。今回は、IPの話なので、Web3のコンテンツとしてのIPがアカデミー賞をとるみたいな感じですか?

熊谷氏:Netflixが制作会社や委員会になって世に出した作品がノミネートされるというようなイメージなので、今ここにいる100人でDAOを作って一つの映画を作りましょう。というところから何か新しい作品が生まれてくる、または出来上がるBAYCとかAZUKIみたいなIPから誰かが映画をつくって賞を取るというイメージです。

田中氏:イメージが湧いてきました。どうでしょう。アカデミー賞受賞、来そうですかね。

國光氏:NFTは変化が激しいのでみなさんとっても大きなチャンスだと思います。

現在NFTは2.0です。1.0はビープルみたいな1点ものの高額アート。これはもう終わりました。

2.0は3つあって1つはゲーム×NFT、2つ目がボアード・エイプのようなIP×NFT、3つ目にThe SandboxやDecentralandのようなメタバース×NFT。今第2世代というところが花盛りですが、現実的にいうと第2世代は死にかけていると思います。

ここからいよいよ第3世代になってきていると思います。次の第3世代もある程度見えてきていてゲーム×NFTです。これはシンプルにNFT、ゲームトークン、ガバナンストークンの3つのバランスをどうとるかということ。先ほどのボアード・エイプはとりあえずお金を集めてからIPを作っていますが、僕はずっとエンタメ系に携わってきているのであのやり方だと絶対に無理だと思っています。

あのようなやり方ではなく、逆が良いと思っています。始めからIPをつくる。つまりコミュニティやファンベースを作り、その上でNFTみたいな。IPを作るベースを最初に整えるべきだと思います。

メタバース×NFTは人がいない土地を売ってどうするんだということもあります。まずは、人がたくさん集まっている面白い有名RPGなど、なにか面白いものを作った上でNFT化していきます。

僕はNFT3.0が見えてきています。引き続きゲーム×NFT、IP×NFT、メタバース×NFTの、今の課題を解決してからの今後だと思うので、是非、みなさんとそういうところを作っていきたいと思います。

田中氏:今ちょうど、IPの話とオーディエンスの話があったのですが、客観的にみるとWeb2の世代ってユーザー数が1億を超えるようなコンテンツを含めたプラットフォームがたくさんありますよね。一方でWeb3は100万いくようなものがほとんどありません。下手すると、ボアード・エイプも実際にやっている人達は数万人しかいないと思います。超マイノリティーの人たちがやっているものがメジャー化していずれ賞が取れるようなものに化けていくと思うのです。言い出しっぺとして熊谷さんに是非展開を教えていただきたいです。

熊谷氏:難しいのは僕らが100人でDAOを組んで作ったとしても、例えば、宮崎駿さんには勝てないですよね。僕らが集まっても彼以上のアニメを作ることには壁があります。どうクリエイティブを作るのかは話が別になりますが、結局は面白いコンテンツさえ作ってしまえば、Netflixでもいいし、映画館でもいいし、流通にのせれば絶対に面白いものは盛り上がります。ゲームも全部そうですが、最終的にコンシューマーがWeb2かWeb3かなんて意識しないのが最強なんですよ。

ただ、面白いものがあればいいのです。そのHowとしてWeb3的なものが金集めやクリエイティブの作り方であり、Howを使う話なので面白いものが作れればいいんじゃないですか?

田中氏:最終的には、Web3でできたものが、まず上にいく器としてWeb2に乗っかっちゃってもいいというお話ですか?

熊谷氏:僕はそれでいいと思います。むしろ、そうなりますね。

田中氏:せっかく素晴らしいメンバーがここに集まっておりますので、最後にオーディエンスのみなさんから1つか2つ程の質疑応答を行いたいと思います。今日集まっているみなさんで質問がある方、おられますか?感想でもOKです。

質問者:私自身Web3、NFTの世界に疎くて、エンタメ系の会社なのですが、会社としても領域に入っていこうとしているものの、まだ掴めなくて意思決定ができていません。

田中氏:熊谷さん、エンタメ系の会社で迷っている人たちへのアドバイスをお願いします。

登壇者集合写真

熊谷氏:どうでしょう、難しいですね。エンタメ系もいろいろありますが、さっきのアニメの話じゃないですが、DAOとかブロックチェーンなどを使うことによって、どれだけコンテンツを面白くできるかというチャレンジだと思います。

映画1つ取ってもこれまでのやり方で面白かったので、そこの事例を様々見ていくことが1つ。あとはゲームをやっていく中でNFTって不可避かなと思っています。海外の流れを見ていくと、ここはどうしたらアダプトできるか、どう応用するかもそうですが、今のビジネスとは1回切り離して考えた方がいいと思います。

どうしても今のファンを守ろうとすると難しいのでそのようなチャレンジができれば良いと思います。

田中氏:下手に既存のものを守りに入るなということですか?

熊谷氏:というより、全くゼロから新しいものを作ったほうがIPでも価値がありますし、そこにいるクリエイターの方々に価値がついてくるのでその人たちが作ったほうがよいと思います。

田中氏:佐藤さん、何かアドバイスありますか?

佐藤氏:プロジェクトやコンテンツのいろいろな発信や発表はどんどん進んでいくと思います。ウォレット1つ取ってみてもそうですし、マーケティングプレイヤーにとってもそうです。事業やプロダクト、プロジェクトを支えるエコシステムが圧倒的に足りていないと思っており、そういった部分と並行して支援していきたいです。

田中氏:最後はポジティブにミドル世代に優しい佐藤さんのコメントがありましたのでこれでこのセッションを終わらせていただきたいと思います。ありがとうございました。

登壇者集合写真2

田中氏集合写真

金山氏登壇写真2

佐藤氏登壇写真2

熊谷氏登壇写真2

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