Dappsはコンテンツ領域に必要な技術なのか?NFTは理解されるのか?

2021年6月10-11日に開催された「Non-Fungible Tokyo2021」DAY1のセッション“コンテンツを使ったDappsサービスの展望 Prospects for content-based Dapps services”をレポートします。

上野 広伸(うえの ひろのぶ)氏
double jump.tokyo株式会社 代表取締役 CEO

野村総合研究所にて金融基盤、モブキャストにてゲームプラットフォーム開発に携わり、2018年4月にdouble jump.tokyo株式会社を創業。「My Crypto Heores(マイクリプトヒーローズ)」をリリースし、イーサリアム上で取引高・取引量・DAUで世界一を記録。ブロックチェーンゲーム支援プログラム「MCH+」にて「ブレイブ フロンティア ヒーローズ」含めて多数のブロックチェーンゲームをサポート。NFT販売事業支援サービス「NFTPLUS」も開始。

前田 英樹(まえだ ひでき)氏
株式会社フィナンシェ 取締役 COO

2010年、楽天株式会社。2013年より株式会社モブキャスト 執行役員としてプラットフォーム事業責任者、韓国子会社代表、ゲーム事業責任者を経て、2017年に取締役。2019年 gumi cryptos取締役COO、2019年に株式会社フィナンシェ共同創業。

小澤 孝太(おざわ こうた)氏
CryptoGames株式会社 代表取締役 CEO

2014年、慶應義塾大学経済学部卒業後、サイバーエージェント新卒入社。複数のゲーム関連事業を立ち上げ、2016年にCA36に抜擢。
2018年、CryptoGames株式会社を設立。
2019年6月、NFTゲーム「クリプトスペルズ」リリース正式リリース。2週間のクラウドセール 売上は900ETHを突破し、当時国内最高記録となった。
2021年4月、クレジットカードでNFTを販売できる「NFTStudio」、事業者向けのNFT支援サービス「NFTStudio OEM」を開始。

髙橋 卓巳(たかはし たくみ)氏 
株式会社Kyuzan 代表取締役 CEO

ブロックチェーンスタートアップKyuzanを2018年に創業。創業前から個人でブロックチェーン開発にフリーランスで携わる。大学ではプライバシー保護データマイニングと完全準同型暗号を用いた秘密計算のビッグデータ分析への応用に関する研究に従事。大学院では人間の跳躍力を拡張するバックアップ型ドローン「Lunavity」を研究 。東京大学大学院修士卒。

尾下 順治(おした じゅんじ)氏 
アクセルマーク株式会社 取締役会長

1974年生まれ。国立神戸大学卒業後、第二電電(現KDDI)に入社。
ITベンチャー企業の立ち上げにCOOとして参画。
その後Yahooへの売却を成功させる。
2005年にベンチャーキャピタルへ入社後、投資先のエフルートへ出向し同取締役に就任。経営にコミットするため、転籍し、副社長に就任。2008年8月、同社代表取締役社長兼CEOに就任。
2011年10月、アクセルマークがエフルートを吸収合併すると同時に、同社代表取締役社長兼CEOに就任。
2021年1月、アクセルマーク取締役会長に就任するとともに、上場企業を対象とした投資ファンドのディレクターも兼任し、投資実行と投資先支援を行う。

そもそもDappsとは何か

高橋氏登壇写真

尾下氏:前田さんが楽天ご出身。小澤さんがサイバーエージェント。髙橋さんはご経歴としては東京大学大学院。皆さん本当にエリートコースを歩んでいたにも関わらず、随分苦しい中でもブロックチェーンにコミットしていらっしゃる。なかなかのクレイジーな皆さんとこのセッションを進めていきたいと思います。

改めてセッションのお題「コンテンツを使ったDappsサービスの展望」です。

最初お題をいただいた時に、随分ちょっと難しいお題をいただいたなと思いました。Non-Fungible Tokyoの名前の通り、NFTに関してお話すればいいのかなと思っていましたが、Dappsだということです。

このDappsってそもそもなんやねんと。多分これ、少なくても今日のセッションの中で唯一Dappsという冠がついているセッションになっています。Dappsってなんやねんということで調べてまいりました。bitFlyerさんのサイトに載っていました。

細かいところはbitFlyerさんのサイトを見ていただいてざっくり要素だけ抜き出すと、非中央集権であって分散管理されていて、透明性が担保されている。自動もしくは自律実行される、スマートコントラクトによって実行されるものである。あとはユーザー参加コミュニティによって合意形成がなされる。管理者がいないということですね。こんな特徴を持っているものがDappsです。

正直これ、皆さんとも事前にディスカッションをしましたが、厳密なDappsは実は今現在もそんなにたくさんは存在しない。分散型取引所のDEXだったり、予測プラットフォームであったり、暗号資産(仮想通貨)そのものであったりこういったものはDappsと明確に言えますが、この定義になぞらえるとなかなかなくて、ただそれでもDappsというものの優位性とかメリットというものも大きくあるだろうと。あえて難しくもうちょっと広く捉えると、ただ単にブロックチェーンベース、ブロックチェーンを何かしら活用しているアプリケーションはDappsといえるんじゃないかという説もあります。

しかし、今回はあえて狭く捉えてDappsというものの議論を深めていければと思います。

ということで、質問一つ目です。ブロックチェーン×コンテンツの領域で事業を推進している皆さまですが、先ほど申し上げたような特徴を持ったものとして提供することを目指していましたか。もしくは今も目指していますか? 

Dappsを開発する上で目指すべきこと

小澤氏:弊社の運営する「クリプトスペルズ」、および今、私が取締役を務めるMCH社で運用している「マイクリプトヒーローズ」に関しましては、本当にDapps、非中央集権的なサービスを目指しております。やはりブロックチェーンならではというところです。

例えばクリプトスペルズですと、自分の描いたイラストがそのままカードとして使えます。マイクリプトヒーローズですとガバナンストークンというものを発行しており、自分の意見がそのままゲームに反映されます。ブロックチェーンならではの体験を作れるというところがこのブロックチェーン、Dappsの強みだと思っております。

完全なDappsではないんですが、運営の一部をユーザーに移管するという形で、ブロックチェーンを取り入れている事例があります。 

尾下氏:やっぱりユーザー参加のコミュニティによる合意形成を重視しているということですかね。

小澤氏:そうですね。そこによる新しいユーザー体験。面白さがNFTブロックチェーンの特徴と思っています。 

NFTブロックチェーンの特徴はユーザー参加による新しいユーザー体験

前田氏登壇写真

尾下氏:ユーザーの参加による合意形成で、何か新しいユーザー体験はできましたか。 

小澤氏:例えばクリスペですとギルドというものがあるんですが、ギルドが盛り上がれば盛り上がるほどゲーム収益が入ってくる仕組みがあります。

実際にギルドのマスターがイベントを活発的に行ってくれたり、オフラインの大会を行ってくれたり、本当にユーザーが主体・主役となっていろんな活動行ってくれるものは、クリスペでもマイクリでもあると思っています。 

髙橋氏:僕たちは「EGGRYPTO(エグリプト)」というブロックチェーンゲーム運用をしていますがDappsの厳密な定義でいうと、スマートコントラクトがバックエンドになっていて、フロントのWebなりアプリなりのクライアントを誰でも作れる状態にはなっていないんです。それでもやっぱりユーザーDappsというかdecentralized(分散型)なアーキテクチャーやユーザーのNFTの体験というところは、Dappsが提供しているような体験を目指していきたいと思っています。

NFTの所有に関しては、イーサリアムで発行していて、しっかりイーサリアム上でアイテムやモンスターの所有の管理がされています。ゲームを離れてユーザーがNFTの取引をできるところは担保しています。

ここからは小澤さんもおっしゃっていましたけれども、ゲームの中でどれだけユーザー間でコミュニケーションができたり、あとはゲームの中でUGCとか、ユーザーがゲームの中のコンテンツや体験を独自に作っていけるような要素をどれだけ実装できるかがポイントになると思っています。そういう意味も含めて、その要素はどんどん追加していきたいと思っています。ユーザーやコミュニティがゲームの中で活躍するようなゲームにしていきたいと思っています。 

尾下氏:他のお三方が比較的ゲームとNFTみたいな文脈でサービス提供されている中、前田さんは唯一ちょっとクラウドファンディング的な、ファンジブルトークン的なサービスアプローチですけど、こちらもDapps化、Dappsの方向性というのは目指していらっしゃいますか。

前田氏:FiNANCiE(フィナンシェ)って、実は最初は海外でやろうと思っていたのでイーサリアムをメインネットでウォレット読み込んで。元々思想的にはDapps的な思想を実現しつつ、個人とかプロジェクトを応援するような形でできればというので始まっているんです。

ファンジブルトークンを中心にしているところも法律的な部分とか実際の取引が結構ボリューミーなので、それをスムーズに動かすためには今のところ難しい部分もあったりします。NFTに関してはまだオフチェーンでやっていたりしますが、できるところはいろいろあると思っているのと、ファンジブルトークンの部分も将来的にできるところが、いろいろ新しいスキームが見えてきたので取り組んでいきたいと思っています。そこは思想とユーザーを巻き込んでやっていくとか、そういうDapps的な元々考えていた部分は忘れずにちゃんと今やっています。

サービスがDappsである必要性はあるのか

尾下氏:でも忘れずにいなければいけない理由ってなんですか。クラウドファンディングプラットフォームとして、すごく今順調に伸びてらっしゃるじゃないですか。サービスとして伸びているということは支持を受けているということで、それでもやっぱりDappsを目指さなきゃいけないんですか。 

前田氏:そうですね。仕組み的にどうしてもクローズドになっているので。やっぱりブロックチェーンを使うというとグローバルで、即時で、トラストレスでやれるところが良かったりすると思います。そういう部分はちょっと犠牲にしているので、その部分はクレジットカードとか使っているとクレジットがとれるので証明できるのはいいところですけど、本来的にはそれいらないじゃんというところから始まっていると思うので、そういう部分はちゃんと忘れずにやっています。

尾下氏:最後にDappsという意味では、本当に技術的にもサービス運営的にも相当たくさんのチャレンジをしてらしたdouble jump.tokyoさんですね。

上野氏:Dappsとして提供することを目指していましたか、については完全にイエスです。今も目指していますかというのは条件付きでイエスになります。何を言っているかというと、マイクリプトヒーローズを当時作っていた時は、Plasma(プラズマ)が搭載されると噂のLoom Networkというのを使って、本当にゲームの仕組みからブロックチェーン上のSolidityで書いて、ブロックチェーン上で実現するっていうことを目指していたんですよ。やってみてわかったんですけど不可能ですね、これ。そんなことは始めからわかっていたという方もいらっしゃると思うんですけど、一回試してみようとしました。本当の意味でゲームそのものをブロックチェーンで全て動かすというのは当時も無理でしたし、おそらくL2(レイヤー2)とかサイドチェーンとか、もしくは他の技術が発達したとしてもかなり難しいと言わざるを得ないということが僕なりの結論です。

ただ、それに対して今も目指していますかというのは条件付きでイエスと言ったんですけど、我々Loom Networkを諦めた時に改めてDappsの真の意味とは何かというのを考えたんですよ。先ほどあげられたbitFlyerさんのDappsの定義というのは、あれはあれで非常に正しいものだと思うんですが、僕の中で本当にちゃんと考えなければいけないのは、技術としてのDappsと、文化としてのDappsなんですよ。

何を言っているかというと、例え技術的にDappsだとしても、文化的にDappsでないものっていうのはDappsじゃないと思うんですよね。逆に、文化としてDappsであるものが技術的にも裏付けとして、100%Dappsかどうかは別としても、技術の裏付けとしてある程度Dappsの技術を入れているというのは非常に正しいやり方だなと思っています。

我々サービス提供者が目指すべきは、やっぱり文化としてのDappsというのを目指すべきであって、そこに対して裏付けを得るための技術としてのDappsというのを利用すべきだというふうに考えております。 

技術としてのDapss、文化としてDappsという考え方

尾下氏登壇写真

尾下氏:なるほど。次の質問に行く前に、文化としてのDappsというところをもうちょっと掘り下げていきたいと思います。もう少しわかりやすい平易な言葉で言うとなんでしょう? 

髙橋氏:そうですね。例えばマイクリプトヒーローズになると、マイクリコインというのをガバナンストークンに使っているというのもあるんですけど、ユーザープロデューサーが生まれました。つまりユーザーが運営の主体となるという世界が、いわゆる文化としてのDappsの一つのあり方なんじゃないか。全てとは言いませんけどゲームとしては一つのあり方なんじゃないかなと考えています。 

尾下氏:先ほど小澤さんからもあったように、やっぱりユーザーがどんどんどんどん参加して、運営側に一歩足を踏み入れて、一緒にコミュニティやコンテンツを作っていくということですか。 

髙橋氏:そうですね。ゲーム運営するというユーザー体験をもたらすというのが、文化としてのDappsというか、あり方かなと思っています。 

コンテンツ領域で非中央集権的分散管理は成り立つか

尾下氏:次の質問に移りたいと思います。今、小澤さん上野さんからの事例にあったユーザー参加型、特にガバナンストークンも含めて投票権みたいなものを持って、少しゲームの運営や意思決定に関与をするというところで、現状は現実としてその辺なのかなと。本当にコンテンツというか、例えばアートは広い意味でコンテンツは映像作品だったり漫画だったりいろんなものがあります。作り手と受け手というのが明確に分かれるものの中で、コンテンツ領域で非中央集権分散管理というのは本当に成り立ち得るのかなという素朴な疑問を持っています。果たしてそれが成り立つとしたらどんなものでしょうか?

上野氏:どういうものが正解かというのはわからないです。一つあると思っているのは、日本でいうと昔から人気のある漫画やアニメやゲーム等のIPを活かしたNFTというのが発行される、みたいな世界があります。NFTが発行する発行体というのは、NFTを発行してそのユーティリティとしてのゲームコンテンツを誰かが作る形でもいいんじゃないかなと考えています。なので、発行されたNFTに対してユーティリティとしてのゲームサービスをユーザーが勝手に作るみたいなことが成り立つと、結構分散管理的なコンテンツサービスの一つになるんじゃないかなと考えています。 

尾下氏:だからユーザーが作り手にも回れるし消費者側にも回れるしという、行ったり来たりするようなものであれば、分散であったり非中央集権ということですね。 

上野氏:前にも考えたことがあるんですけど、ブロックチェーンもしくはNFTというものを媒介にして、提供者と消費者という関係性だったものの消費者をなくす。ユーザーが提供者でもあるしというような世界になると、面白いと思っています。 

NFTを活用した具体的なサービスイメージはあるか

尾下氏:面白いというのは僕もすごく同意ですけど、なかなか具体的イメージになると難しいですよね。

髙橋氏:まさに最後におっしゃっていたことが全てかなと思っています。例えば、今、議論に上がっている、写真をNFTにしてサービス提供者側が一般消費者向けに作って販売するという関係をずっとやっていく構造においては、一生非中央集権的な形にはならないと思います。ゲームだったら例えばユーザーがサービス運営する。新しいコンテンツを作るという部分と運用という側面があると思っていて、新規コンテンツを作るという部分においては、ゲームの中でマイクラフトで作るとか。ああいうような仕組みをいかに作れるかというのが一つのポイントです。運用においてはスマートコントラクトというか、プロトコルレイヤーで言えばどれだけ濃度が分散しているかみたいな議論になるんですけど、その部分でゲームとかいろんなアプリケーションを運用の面で分散化するのは結構難しいと思っていて、UGCとかユーザーがいかにコンテンツを生み出すかといったところを、いかに仕組みとして提供できるかがポイントです。CryptoKittiesだったらジェネレーションゼロというのはパブリッシャー側が一回用意して、それ以外のコンテンツはユーザーが組み合わせて作れるみたいな。ああいう仕組みをどれだけNFTとかDappsのUXとして考えるのかというのが、NFTとかDappsのパブリッシャーとしてやるべき仕事なのかなと思います。 

NFTブームはバブルなのか

上野氏登壇写真

尾下氏:お二方の意見集約すると、UGCが分散であったり、Dappsとしてのコンテンツの一つのあり方の形であろう、方向性であろうというところですね。

NFTバブル前から取り組んでいる皆さんから、NFTバブルについて一言、ちょっとぶっちゃけトークで盛り上げていきたいと思います。

ここにいらっしゃる皆さんは、ICOバブルの残り香がする中でブロックチェーンに参入して、でもICOって日本だと危ないからやらないぞっていって、一生懸命シコシコ、シコシコ、ブロックチェーンゲーム、ブロックチェーンコンテンツを作ってICOバブルにはまず乗れず。世界中では確かにクリスティーズとか含めてもNFTバブルで盛り上がりまくっているんですけど、実は今NFTの領域で商売している我々には、あんまり恩恵がない中で、とはいっても長く苦しみながら取り組んできたこのマーケットが一気に注目を浴びたことは間違いなく、これについて今思っていること「こんな苦労してきたぞ」みたいな話があれば、ぜひ聞かせてください。

小澤氏:すごいのが、Kyuzanさんと弊社とdouble jumpさんが2018年の4月創業なんですよ。本当に3社全部同じタイミングなんですよ。そこ本当にすごいと思っていて、2018年の最初にCryptoKittiesが出たタイミングで取り組もうと思われて、参加してきている企業かなと思っています。おそらくこのNFTバブルについては、世界で高値がついているニュースが出たりして、そういうニュースが取り上げられているので、いろんな事業者さんが入ってくるとは思っています。とはいえ多分半年後とかに意外と儲からないよねということで、半分ぐらいは消えていくかなと思っています。我々にできることとしては、今注目浴びているこのタイミングで投資家から資金調達をしようと思っておりますので、皆さん、よろしくお願いいたします。 

尾下氏:半分ぐらい消えていくだろうと思いながらも、小澤さん、まだ消えてないじゃないですか。消えなかった理由、消えずに済んだ理由はどこでしょうか? 

小澤氏:これから入ってくる新規の事業者は、おそらく想定ほど市場が無いなというギャップがあるのかなと思っていますね。若干期待し過ぎのところがあるのかなと思っています。 

尾下氏:その中で期待値先行の人たちが地に足つけるためには、どうしていけばいいですか。 

小澤氏:地に足をつけるため。いろんな地雷を踏む可能性はあるんですけど、やっぱり一回発行してみる。もしくはサービスを作ってみるというところが良いかなと思っております。もちろんNFTの知識の無い時は、こちらにいるような会社さんとパートナー組んでやる形も良いと思いますし、自社でやるのも良いと思うんですけど、まずはやってみること。おそらく既存のサービスと結構違うと思うんですよ。Twitterでのコミュニティだったり、コミュニティの作り方とか。いろんな法規制、税規制面も違うと思います。まずはやってみて、踏める地雷はちょっとずつ踏んでいくみたいなのが良いと思っています。 

前田氏:NFTバブルがきて一番良かったなというのは、トークンとかNFTって言葉をいろんな人が理解してくれたのが嬉しかったというのがあります。お金が集まったかと言われるとアレなんですけど、フィナンシェで言うと、Jリーグのプロチームさんとか、アイドルの方とかと一緒にやっているんですけど、話が大分通じやすくなったので、非常にバブルウェルカムって感じですね。

僕らは、結局2年間ぐらい地道に積み上げてきました。double jumpさんもそうかなと思いますし、小澤さんと髙橋さんのところもそうかなと思います。2年間やってきたからポーンと行ったという感じより、細かいこと積み上げていって、この次これができたからこれができたっていうのがあるなって思いがあります。今から入られる方もそれを続けていって欲しいなと思います。

例えば今結構認知度が上がっているクラファンとかも最初のころは大変だったと思います。オンラインサロンもそうかなと思います。その結果市場が盛り上がって、トークンがそういうところに向かってもらえる、NFTってところに向かっていってもらえると非常に嬉しいなと思っています。間違いなく可能性がある分野なので、そういったことを期待しています。

NFTコンテンツに期待すること

尾下氏:これまでの苦労話なんかも含めてですね、今急に盛り上がり始めたNFT界隈に関して、思うことをぜひお願いします。 

髙橋氏:2018年4月を振り返るとCryptoKittiesが流行って、いわゆる金融とか投資とか投機以外にブロックチェーンのユースケースがあるんだってことがわかりました。そしてdouble jumpさんとかCryptoGamesさんとかが入ってきて私たちが考えたことは、先にゲームとかを出されているCryptoGamesより面白いゲーム、ていうかゲームにあれはなってないからゲームをもっと面白くすればCryptoGamesよりバーンといくんだみたいなのは絶対仮説としてあったと思っています。それで一定のトラクションもあったし、一定の成功もあったかなと思っています。

ただマーケットとしては取引ボリュームを見てみるとそこまで新規で参入してくるユーザーさんがいなかったので、ユーザー数を増やして一定の規模まで成長させるというところが各社苦労しているんだろうなと思っています。その中でサービスの作り方やビジネスモデルなどは、私たちもマイクリさんが苦労されている姿をみて学び、CryptoGamesさんが苦労されてるところで学びというように、細かい完全を繰り返してきて地道にプロダクト開発をしてきて、順調に伸びているという背景があります。

やっぱり今、バブルかバブルじゃないかみたいな話でいうと、CryptoKittiesの頃と今とは何が一番違うのかというのは、あの頃はクリプトユーザーしかNFT触っていなかったんですけれども、今は一般の人まで届くようになった。届くようになったというのは事実で、とはいえバブルの要素も一定あると思っています。届くようになったので日本の事業所とかが、日本のIPを使えば、これをNFTにすれば、バンて行くんだみたいに、ちょうど3年前の私たちみたいに考えていると思います。

しかしそれは結構大きな間違いかなと思っています。単純にデジタルコンテンツをNFT化して売ろうというのは、多分大体失敗すると思っています。海外の上手くいっている事例をみて、トップIPがNBAとかヨーロッパのサッカーリーグとかをNFT化して成功しているという事例だけをみて、日本のIPがそのままNFTにするのはすごい落とし穴だと思っています。なので、どういうコンテンツが本当に継続的に成長していけるのか。私たちがゲームを通してやってきたことですけども、そういうところをしっかり考えていく必要があると思っています。 

すごい完結に言うと、一般の方々へのNFTのリテラシーを上げていただいて、本当にありがとうございますというのが一つ目です。これは本当にコストがかかるので。コストも時間もかかるのでメチャクチャありがたい。 

NFTコンテンツは今後流行るのか

尾下氏:クリスティーズの落札がヤフトピトップに載った時がちょっとウルッときましたよね、正直。NFT、なんかヤフトピトップだよみたいな。

髙橋氏:ブロックチェーンコンテンツ協会とかやらせていただいているんですけど、そこでも、もうNFTっていう言葉がわかりづらいから流行んないんじゃないのみたいな議題があるぐらいです。 

尾下氏:変えようみたいなことがありましたよね。 

髙橋氏:「これわかりにくくない?」というのがあったんですけど、もう今やNFTというのが一般に広がったというのが一番でデカイと思っています。そして収益的な意味でいうと、別に恩恵は受けていません。ただ、ビジネス案件としては恩恵を受けております。暗号資産もそうですけど、ホールドし続けることが一番難しいです。NFTもそうで、このビジネスをやり続けることが一番難しい。我々が本当にどんな感じだったかというと、月一歩だとして三歩進んで二歩下がるを地でいってるんですよ。大体二歩下がったところぐらいでもうこれダメなんじゃねって諦めるところが多いんですけど、5ヵ月で一歩、10ヵ月で二歩。このペースでビジネスやっていって良いんだと歯を食いしばってやらないとなかなかできない。そういうところにぜひNFTビジネスに参加していただきたいなと思います。ただ、未来に必ず花が咲く。必ず花が咲くところなので、今一緒にやっていけるところがいると嬉しいなと思っています。 

最後に

登壇者集合写真

尾下氏:私の方でまとめさせていただくと、本当にここにいらっしゃる四方含めて、それぞれの会社でやってらっしゃるサービスというのは紆余曲折あって今に至って、まだまだこれからというところです。皆さんの顔ぶれを見ていただいたらわかるように、2年間これだけ苦労しまくっているのにまだこんなに明るい顔をしているのかというぐらいに、将来が明るいと思えるこの領域に関して、私自身も含めて数々の失敗を重ねてきて、それがイコールノウハウというところになっているかなと思います。是非この領域に取り組んでいきたいという方がいらっしゃれば、この皆さんに声をかけていただいて、楽しいNFTブロックチェーンコンテンツの領域に取り組んでいただければなと思います。

小澤氏登壇写真

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