激動の業界でも安心して転職できた、その理由とは?

クリプタクトインタビュー6

ブロックチェーン・暗号資産(仮想通貨)業界内で活躍する女性にスポットを当てた特集記事「ブロックチェーン女子部」。今回は、株式会社クリプタクトの本廣 麻子氏にお話を伺いました。

全く違う業界からブロックチェーン・暗号資産(仮想通貨)業界へと転職した本廣氏。転職時のポイントや今後の展望についても語っていただきました。

本廣 麻子(もとひろ あさこ)氏

2013年法政大学卒業後、東証一部上場企業に入社。経理、総務を経て、2015年より経営企画に異動し、広報やIR、社長秘書などを兼任。 IRとしては、開示資料の充実や、投資家と経営陣とのコミュニケーションの場を積極的に提供。会社初の海外IRも提案、実施し、企業価値の継続的な向上に貢献。 2018年10月よりクリプタクトに入社。コーポレートサイドやプロジェクトなど、幅広く業務を担当。

大企業から仮想通貨・ブロックチェーン業界へ

本廣氏写真

今の事業内容からすると意外かもしれませんが、前職はエンタメ関連だったんです。東証一部上場の企業で非常に安定しており、まさに成熟期でした。

とてもいい経験をさせていただいたのですが、同時に、何かゼロベースで関わっていけるような、スタートアップに転職したいという思いが芽生えてきたんです。ちょうどその時、友人が代表の斎藤を紹介してくれました。もともと仮想通貨やブロックチェーンに絞って企業探しをしていたわけではなかったのですが、話を聞いてみて単純に面白そうだと思いましたね。

弊社の創業メンバーは金融業界で長年経験を積んできた者たちです。そんな彼らが仮想通貨・ブロックチェーンの未来に確信を持っていること。そして、金融業界で革新的なことが起きようとしている今、『取って代わられる側より取って代わる側になろう』という想いにも共感し、入社を決めました。

一緒に仕事したいと思える人と働く

正式に入社する前にしばらくお手伝いをしていたのですが、その期間で創業メンバーのことをよく知れたのもポイントでしたね。人柄の面でも信頼できる人物たちだと思いましたし、大企業から社員がまだ数名しかいないスタートアップへという変化の大きい転職でしたが、安心して入社できました。

転職の際の軸は色々とあると思いますが、スタートアップへの転職をお考えの方には、創業メンバーを尊敬できるか?この人と一緒に仕事がしたいと思えるか?といったところもぜひポイントに加えてみて欲しいです。 

仮想通貨・ブロックチェーンは変化の大きい振興業界

クリプタクトに入社して、まずスピード感の違いに驚きました。業界自体も会社の中も日々目まぐるしく変化していきます。前職で関わっていた業界は寡占が進んでいましたが、仮想通貨・ブロックチェーン業界はまだ誰にでもチャンスがある状態だと思います。

また、業界内で同種のサービスを提供する企業は競合関係にあるわけですが、ただ単にライバルというだけではなく各社一丸となって業界を盛り上げていこうという雰囲気があります。これは仮想通貨・ブロックチェーン業界独特ではないでしょうか?

仮想通貨だけじゃない、”投資するならクリプタクト”へ

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クリプタクトとして現在一番認知されているのは、仮想通貨の損益計算サービスです。仮想通貨の損益計算は、株などと違い、投資家本人が損益計算をし、必要に応じて申告しなければなりません。その一方、計算が非常に複雑でルールが定まっていないものも多いです。

そういった特性から、自動損益計算サービスの需要が高く、たくさんの方にご支持いただいています。toCの損益計算では、同種サービスの中では最も多くのユーザー(自社調べ)を獲得しており、取引数が大量にある大規模なユーザーにも対応できるのは弊社ならではかもしれませんね。

また、プロジェクト単位で、QUICKさんとのスマコン開発、東大との共同研究、STOの研究などにも積極的に取り組んでいます。 

今後の事業展開は?

クリプタクトのサービスは、仮想通貨の取引をしている人なら登録して損はないと自負しています。今は仮想通貨の損益計算の需要が高いですが、仮想通貨、損益計算にとらわれず、今後は投資という、大きな切り口でのサービスを展開していく予定です。


これから『投資をするならクリプタクトに登録』というのを定着させていきたいですね。すでに投資をやっている方はもちろん、興味がある、これからやってみたいという人にも選んでいただけるサービスを目指したいです。

軸をブラさず会社にとってベストな判断を

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私の社内での役割はというと、ずばり開発以外全部です。事業開発やサービスのマーケティング、カスタマーサポート、経理、人事、総務的なことまで、会社存続・拡大のために必要なことは何でもします。バックオフィス業務については、前職で広く経験してきたので、それがかなり役立っています。転職後初めて担当するようになったマーケティングは、まだ手探り状態ですね。

日々生活していく中で、選択を迫られる場面は多々ありますよね。特に仕事の中だと、選択する上で気にしなければならないこともたくさんあるでしょう。しかし、会社のために何がベストか?会社が大きくなるためにどうするべきか?という判断軸をブラさないように意識しています。

クリプタクトの新たな取り組み

最近、企業YouTubeを始めました。仮想通貨に囚われず、広く投資という切り口でのコンテンツをアップさせていただいています。

私自身、金融知識がない中で投資について勉強中ということもあり、私の勉強した内容をアウトプットしながら、画面の外側にいる投資初心者の方々と一緒に学んでいこうというスタンスです。初心者がターゲットの中心ではありますが、プロの知見もご紹介しながら、ある程度投資経験のある方にも役立つ内容を意識しています。

多国籍なメンバーと学び多き環境

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実は社員で1番多いのはフランス人なんです。社内のやり取りにはSlackを使っているのですが、みんなが見るスレッドは基本英語ですね。あとはフランス人同士はフランス語、日本人同士は日本語といった具合に話す相手に合わせて1番通じる言語で会話しています。外国籍社員向けに社内で日本語レッスンもやっているのですが、日本語レベルがグングン伸びているので驚いています。

私自身、新たなことにチャレンジしている人、常に好奇心をもっている人はすごく尊敬しています。そういった意味でも、今の会社のメンバーは全員尊敬できるので、本当に恵まれた環境にいると感じます。また、私も刺激をもらうだけではなく、与えられる人間でありたいですね。 

知識習得のため勉強の日々

全く違う業界からの転職だったので、知識のギャップを埋めるために毎日勉強の日々です。ありがたいことに、弊社には金融や投資の世界で長年活躍してきた者や仮想通貨・ブロックチェーンに精通している者がいますので、彼らの実戦に基づいた知識をちょっとした勉強会のような形で教えてもらうことも。また、本を読んで週に1回わからないところをまとめて聞き、本からの学びと直接のフィードバックを組み合わせて知識を積み上げています。

ブロックチェーン関係だと、杉井靖典氏の『いちばんやさしいブロックチェーンの教本』は入門書として非常に役立ちました。これから勉強を始めようという方にはオススメです。

本もですが、プライベートだと漫画が好きで、家にある5つの本棚にはたくさんの漫画があります。手塚治虫さんの作品がとても好きですね。私が生まれる前に発表された作品でも、いまだに新しさを感じさせられるので何回読んでも感動します。あとは冨樫義博さんの作品も大好きで全部そろえています。

これからは誰もが投資をする時代

今年はいい仕事をするためにも、健康管理をしっかりとやっていきたいです。以前やっていて最近できていないサルサダンスは、いい運動になるので再開したいですね。

仕事では、会社として今まであまりできていなかったマーケティングに力を入れていきたいと思っています。今後は海外展開も視野に入れ、さらに事業拡大を図っていきたいです。

アメリカでは2018年から2019年にかけて仮想通貨の保有率がなんと約2倍になっているんですよ。今やアメリカの成人の3割が仮想通貨を持っているそうです。日本だと『仮想通貨?それって大丈夫?』というネガティブな反応も多いので、このデータには救われました。(笑)

投資時代に選択肢を

昨年は『老後2,000万円問題』なども話題になりましたね。これからの世代は投資が当たり前、むしろマストになってくるのではないでしょうか?そんな来たる日本の投資時代に向けて、会社として選択肢を広げることができれば有意義ですね。

よく金融と相性がいいと言われている、証券のトークン化、いわゆるSTOなどは注目しています。トークン化することで、少額から気軽に売買できる投資商品やセカンダリーマーケットの創出が容易になれば、投資の裾野がさらに広がると思います。

そして仮想通貨が、株やFXのように、当たり前に自己資産の一部として保有されるようになって、広く売買される世の中になってくれたら嬉しいですね。仮想通貨が普及していく過程をぜひ業界の中から見届けていきたいです。

株式会社クリプタクトについて
2018年1月設立。創業メンバーの3人はゴールドマン・サックスにて、ヘッジファンドの運用や金融システムの開発を経験。2019年10月にはジャフコ、マネーフォワードなどから計3.3億円の調達を実施。
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