ブロックチェーン×エンターテインメント。業界の最先端を走り続ける秘訣とは?

業界で活躍する方にお話を伺い、仮想通貨・ブロックチェーン業界に関わる人々の姿をお届けするインタビュー。

今回は株式会社グッドラックスリーの代表取締役 井上 和久氏にお話を伺いました。業界全体が冷え込んだ時期も周りに流されず自身のビジョンだけを見据えてきた井上氏。同氏がブロックチェーンに寄せる期待、そして未来について聞きました。

井上 和久(いのうえ かずひさ)氏

1980年生まれ。福岡県出身。東京大学工学部卒業。
新卒でドリームインキュベータに入社。大企業への経営コンサル、ベンチャー投資、インキュベーション、新規事業立ち上げなどを経験し、インターネット・モバイル・コンテンツ分野を統括。

その後、福岡から世界中の人々に喜んで貰えるようなエンターテインメントを生み出して行こうと決意し、グッドラックスリーを創業。

「ブロックチェーン×エンターテイメントで世界最先端を走る」というビジョンを掲げ、国内初ブロックチェーンゲームの「くりぷ豚レーシングフレンズ」、「クリプトアイドル」、ブロックチェーンアミューズメントプラットフォーム「RAKUN」などを手掛ける。

ビットコインとの出会いは飲み会の清算

-仮想通貨・ブロックチェーンと出会ったきっかけはなんだったのですか?

経営者の先輩との飲み会の際に、精算でもらったのが最初です。それが2014年7月だったので5年前ですね。

その方は暗号通貨取引所に人材紹介をされていたので、自身も理解しないといけないという事で持っていたようです。銀行振込より送金手数料も安くておもしろいよね、というので送ってくださいました。

実際にビットコインを受け取ってみて、「これって知ってる?」と社内のエンジニアに聞いてみたら、すごい技術なんだということを教えてもらって。「んじゃちょっと持ってみるか」ぐらいの軽い興味で持ち始めました。最初は仕事にするつもりもありませんでしたね。

 

-なぜ会社でブロックチェーンに取り組むことになったのでしょうか?

弊社の株主でベンチャーキャピタルをやってらっしゃる方が、暗号通貨取引所に投資されていて。「これ面白いから」と関連記事を送ってくれるようになったんです。

とある時、「これはゲームにも活かせるんじゃないか?」と思い始めて。現取締役の畑村が入社する前に、半年置きにランチミーティングをしていたのですが、ちょうどそのタイミングで、2人とも話したい内容がブロックチェーンだったんです。

「ブロックチェーンベースでいろんなプロダクトやビジネスモデルがでてきてるらしいから、ちょっと始めてみようぜ」という話になり、早速その晩からスタートしました。それが2017年の8月です。

それから3ヶ月ぐらいは2人だけで動いてたんですが、そのうちにゲーム会社の役員の方と「ブロックチェーンゲームを作ろう」という話になったり、様々なプロダクトのアイデアが具体化されていきました。

ちょうどその頃、北米でブロックチェーンメディアのsteemit(スティーミット)やブロックチェーンゲームのCryptokitties(クリプトキティーズ) などのブロックチェーンを使った面白いプロダクトがでてきて。「これ、うちでも作れるよね?」と(笑)特にゲームは文化依存・言語依存が高いので、日本人向けのゲームだったらチャンスがあるんじゃないかということになりました。

国内初のブロックチェーンゲーム誕生秘話とその未来

-御社プロダクトのくりぷ豚レーシングフレンズはなんで豚なのですか?

それはよく聞かれるんですが・・。面白く答えるなら「僕らが決めたのではなく豚の神様から創らされている」のかもしれません(笑)私自身は、犬やパンダなどの動物人気ランキング上位のものでなくてもよいのかと考えました。豚は、出てきたときのメインビジュアルと「クリプトン」という言葉の響きが結構よくて。

それに実は妻の実家が養豚業をやっているという点でも共通点があったので、クリエイターが意識していたのかもしれませんね。意図して豚になったわけではなく、宿命的に豚になったという感じです。

また、くりぷ豚のゲーム内レースで入賞すると、報酬として豚肉がもらえます。これは豚がメインキャラクターであることでリアルと紐づけられているわけで。今後は有料で買った「くりぷトン」を豚肉に変えられる仕組みも作ろうと思っています。

なので合理的な理由をつけるとすると、「メインビジュアルの良さ」「クリプトンという言葉の響き」「リアルとも絡められるという点」ですが、最後のは完全に後付けです(笑)でもそう考えるとやっぱり豚の神様に創らされたとしか思えないですよね(笑)

-ブロックチェーンの取り組みの中で今後目指していきたい未来はありますか?

そうですね、「暗号資産を資産として感じられる」世界を普及することですね。普及要因は大きく2つあると思っていて、1つ目が、「普通にゲームとして楽しめて、かつその楽しさの中に、資産を蓄積したりトレードしたりできること、それを通じたコミュニケーションが楽しめること」が1番大事かなと思っています。

ゲームはそもそも現実のシミュレーターのようなところがあり、その中の面白い部分を抽出しているわけで。ゆえに、現実世界で起きていることを取り込んだゲームが、その特徴により、現実よりも面白いと感じれるものを創れるか、ということに今挑戦しています。

2つ目が、ビットコインの価値の根拠を現実に紐づけて裏付けることです。よく「マイニングにかかるコスト」が価値の根拠としてあげられますが、それだけじゃ価値の担保はしづらいと思ってるんですよね。

そこでさっきの豚の話がでてくるのですが、「僕たちのくりぷ豚は豚肉に替えられるからね」っていうのがあれば、価値の裏付けになると思っています。お金もみんなが交換価値を認めているからこそ価値を持っているわけですし。

くりぷ豚や、今度「RAKUN」という暗号通貨を使ったゲームやメディア向けプラットフォームを出すんですが、これらは、最終的に「豚肉(食料)には替えられる」という価値を担保し、世界初の豚本位制を実現していきたいと思っています。(RAKUNのトークンは、初期はポイントとして取扱う予定です)

 

-今度出すという「RAKUN」について詳しく教えてください。

「RAKUN」はゲームのコミュニティを基盤としたようなプラットフォームと通貨で、トークンを発行します。トークン自体でうちのゲーム内通貨を買えたり、ゲームの記事を書いたりコミュニティ活動をするごとに貰えるようにしようと思っています。

まずは「RAKUN」の仕組みを使って「くりぷ豚レーシングフレンズ」と連携した「くりぷ豚日記」というコンテンツを設ける予定です。(RAKUNのトークンは、初期はポイントとして取扱う予定です)

ブロックチェーンの可能性を信じて

-本社を福岡に置くメリットはどういうところにあるのでしょうか?

良くも悪くもマイペースにやっていけるところでしょうか。例えばブロックチェーンや暗号通貨って北米や海外のほうが進んでいて、日本だと東京が1番進んでいると思います。ですが、世界はもはやフラット化しているので、どこと比べても1年も2年も情報が遅れてるということはないんです。

また、「事業を続けること」が1番大事なことだと思いますが、暗号通貨の流出事件を機にたくさんの人が事業を辞めたり通貨を手放したりしました。そんな中でも弊社はブロックチェーンプロダクトを開始した2年前から、ビジョンを叶えるためにコツコツとプロダクト作り、ビジネス作りをやってきました。「周りの情報を気にしながらも左右されない」という意味では、良い環境だと思っています。

 

-ブロックチェーンや暗号通貨の仕事に関わることにはどんな魅力がありますか?

チャンスがいっぱいあるところだと思います。技術やビジネスモデルが未成熟だということは逆に伸び代があるということです。

全部見えている、分かっていることなら資本力や人材力で結果が決まりますが、不確定要素がたくさんあればあるほどスタートアップやベンチャーにもチャンスがありますよね。困難は多いですがやりがいがあります。

 

-グッドラックスリーに入って欲しいのはどういう人材ですか?

ブロックチェーン事業を始めてから入ってきてくれたエンジニアがいるんですが、共通しているのはやっぱり「ブロックチェーンがもたらすインパクトに興味がある」とか「その技術を使って何か変えられるんじゃないか」とかそういう直感。そしてそれを喜びだと思える人。そういう人のほうが今は親和性が高いんじゃないかなと思っています。

ブロックチェーン業界にチャレンジするなら今!

9/16に開催された「Tokyo Blockchain Game Conference2019」での登壇の様子

-プライベートでやってる趣味や好きなことはありますか?

基本的にライフとワークを統合していくタイプなので、どこからが仕事でどこからがプライベートなのかというのはあるんですけど(笑)ブロックチェーンと関係ないことでは、地域メディア事業をやっていて、ドラマやバラエティ番組、音楽などを作っています。エンタメを作って提供していくことが、ブロックチェーン事業以外では好きでやっていることです。

それからキックボクシングジムに、3年間、週1回休まず通って体を鍛えています。始めた理由は、心を鍛えるためです。経営者としての悩みや葛藤がたくさんある中で、体を鍛えれば心も鍛えられるんじゃないかと。結果として、この3年で体は鍛えられましたし、心が傷ついたときも回復が早くなりましたね。

 

-これからチャレンジしたいこと、やってみたいことはありますか?

いつも考えていることは、「今ベストなことをやれているのか」ということです。ただあんまり追い込み過ぎてもよくないので、「自分たちのペースでベストを尽くす」ということを意識して日々やっています。

 

-これからこの業界に入りたい人にメッセージをお願いします。

開発フレームワークやビジネスモデルが整ってきている今はチャレンジするには1番最適なタイミングです。これから起こる変化や、自分がその中に関わって世の中を前進させるチャンスと考えると、まさに10年に1回のチャンスです。そういうものに携わってワクワクしたいと思う人には本当にオススメの業界です。