福岡からブロックチェーンを盛り上げる。コミュニティ運営で気づいたブロックチェーンとの共通点とは?

Fusicインタビュー3

業界で活躍する方にお話を伺い、ブロックチェーン・暗号資産(仮想通貨)業界に関わる人々の姿をお届けするインタビュー。

今回はエンジニアとして働きながら、コワーキングスペースGeek Studioの運営やブロックチェーン勉強会の主催を手がける吉野 雅耶氏にお話を伺いました。地元福岡からブロックチェーンを盛り上げたいと語る吉野氏。彼が見据えるブロックチェーンの未来とは?

吉野 雅耶(よしの まさや)氏

福岡県出身。大学在学時にプログラミングに興味をもち、大学3年時にFusicの長期インターンを経験したことで、エンジニアとしてのキャリアを志す。東京で複数のインターンを経験するも、福岡という場所やFusicの環境に魅力を感じ、2017年10月に新卒としてFusicへ入社。副業として、クリエイター向けコワーキングスペース「Geek Studio」の運営や、福岡のブロックチェーンコミュニティの形成に関わり、勉強会を定期的に主催している。

ビットコインとの出会いはアルバイト

ー仮想通貨・ブロックチェーンとの出会ったきっかけはなんだったのですか?

大学時代、子供向けのプログラミング教室でアルバイトをしていました。

2017年前半に、そこで給与がビットコインで支払われる制度ができ、初めてビットコインを知りました。その会社の社長さんの、社員がビットコインなどの新しいものに触れる機会を作りたいという思いからできた制度だったのですが、それがきっかけで仮想通貨やブロックチェーンの仕組みについて調べ始めたんです。

ー今取り組んでいる内容について教えてください。

私は普段はFusicというWebシステム受託開発会社でエンジニアとして働いています。その傍ら、ブロックチェーンの勉強会の運営を行ったり、ブロックチェーン企業のChaintopeも入居している、コワーキングスペースのGeek Studioの運営を行っています。

最近は、福岡でブロックチェーンコミュニティの運営およびコワーキングスペースの提供を行う、GBEC Parkのコミュニティマネージャーも任せていただくようになりました。 

コミュニティで強まる横のつながり

吉野氏インタビュー写真

ーブロックチェーンの勉強会を始めたきっかけを教えてください。

実は、私は会社員としてはブロックチェーンに関わっていないんです。個人的にブロックチェーンを勉強していると、壁にぶつかることは多々あります。

そんな時はいつも知り合いに聞いたり、イベントで質問をするなどして解決していました。コミュニティ運営が好きだったということと、自分自身の勉強を進めていきたいという思いもあり勉強会を始めました。

ー勉強会ではどんなことをやるのですか?

最近だと、初心者向けにTruffleというブロックチェーンのフレームワークを触ってみる講習会をやりました。上級者向けにはプラズマやライトニングネットワークを取り上げたものもあります。

ー福岡のブロックチェーンコミュニティの様子はどうですか?

昨年から福岡内のブロックチェーンコミュニティを広げる動きがありました。特にHi-Etherのイベント(イーサリアムの技術者向けコミュニティ「Hi-Ether」のミートアップ)が昨年2回福岡で開催されたことで、福岡のブロックチェーン関係者、特にイーサリアム関係者の横の繋がりが強固になった印象があります。

私の方でも昨年から勉強会やイベントの主催を行ってきて、業界に関わる人同士でプレイヤーが誰がいるのか把握でき、今後協力していこうという枠組みができたという状況ではないかと実感しています。

ブロックチェーンとエンジニアコミュニティの意外な共通点

ーブロックチェーンの面白さとはなんでしょうか?

勉強会の運営などをやっていく中で思うのが、エンジニアのコミュニティってある意味分散型だと思うんです。中央で管理をする人物がいるわけではないけれども、各々の技術力を高めるためにそれぞれが知識をシェアし合ってコミュニティがさらに強くなっていく。

非中央集権型のブロックチェーンもそれに似て、個々の独立したノードが協力しあってコンセンサスをとりチェーンを維持しています。非中央集権型の形はどうやったら1番うまく機能するのか?それを考えるのがとても楽しいですね。どう設計したら1番いい形のブロックチェーンになるのかという議論の行き着く先は、どこかコミュティと重なるものになるのではないかと考えています。

ブロックチェーンはまだまだ発展途上の技術です。社会実装ができるまでには、時間がかかるでしょう。しかし、その社会実装を模索するというフェーズを体験できるのは非常に貴重ですし、社会実装後もそのフェーズでの経験は必ず役立ちます。そういったところに、今のタイミングで仮想通貨・ブロックチェーンに関わる価値があると思っています。

ー趣味でやっていることはありますか?

プライベートでは光GENKIというグループ名で光GENJIというアイドルのコピーをやっています。学生時代に糸島の地域活性化サークルに参加していました。そのサークルに、地域活性のために一人で光GENJIを踊っている先輩がいたんです。

ある時、地域のお祭りで一緒に踊ろうと誘われ、よくわからないながらも「1回だけならいいかな」という気持ちでやってみました(笑)でもこれが意外と良くて。

地域活性の活動といえば、地域で学生が何らかの事業をやって、地元の人に利用してもらうというのがよくあるパターンかと思います。しかし、地元の人の前で踊って、単純に地元の人たちが楽しんで元気になってくれるのも十分活性化に繋がるのでは?と思えてきたんです。そうこうしている間にもう4年も続いていますね。

興味があるならまずコミュニティに参加を!

吉野氏インタビュー写真2

ー今後の展望を教えてください。

自分の地元である福岡とブロックチェーン、この両方を盛り上げていきたいですね。福岡のブロックチェーン企業はまだ数社しかありませんが、福岡でブロックチェーンをやろう!という人がもっと増えていくといいなと。

今やっている勉強会をこれからも続けていき、福岡のブロックチェーンコミュニティの存在をより多くの人に知ってもらう。そして、コミュニティメンバーに知識を共有することでコミュニケーションを活性化し、そこで生まれたビジネスのアイディアで起業をしてみようという人が増えていく。そんな流れが作れたらと思っています。

ChaintopeやNayutaなど、福岡のブロックチェーン企業はコアな技術を追求しているところが多いです。そういったところもこれから福岡の強みになっていきそうですね。

各企業が深掘りした技術のノウハウが、これからブロックチェーンを社会実装していく上で重要になっていくと思うんです。福岡市自体もスタートアップ都市として新しい事業の支援を推進しており、様々な実証実験にも積極的に取り組んでいます。ブロックチェーンのスタートアップもその一つとして発展していってほしいですね。

ーこれから仮想通貨・ブロックチェーン業界を目指す方へメッセージをお願いします。

ブロックチェーンの業界は技術者の集まりだというイメージがあるかもしれません。確かに優秀なエンジニアの方がたくさんいらっしゃいますし、それでもまだまだ足りていないという状況です。

しかし、学問の総合格闘技とも言われるブロックチェーンだからこそ、法律・ビジネスなど様々な知識が活かせるチャンスがたくさんあると思います。それぞれの専門分野を活かして、業界内でたくさんの方に活躍してほしいですね。 

仮想通貨・ブロックチェーン業界に興味を持っている方には、まずコミュニティに参加してみて!と言いたいですね。「まだ知識がない」「全然詳しくないけど参加して大丈夫?」といった迷いは不要です。様々な方に参加してほしいと思っているので、初めての方も大歓迎です。忙しくてもとにかく参加をして繋がりを作ってみてほしいと思います。

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