2021年6月10-11日に開催された「Non-Fungible Tokyo2021」DAY2のセッション“コレクション型NFTが創造した奇跡の市場 The new market build by the collectable NFT”をレポートします。
Daniel Crothers(ダニエル・クロサー)氏
Co-found & COO at Ecomi (VeVe)
ハズブロ等、国際的なクライアントにサービスを提供する代理店など、様々なスタートアップに成功。最近では、共同創業した米国のメディア会社で何百万人ものソーシャルフォロワーを獲得し、同数の月間ページビューを獲得した成功事例がある。2017年前半にブロックチェーン業界に参入すると、即座に潜在的な機会とアプリケーションの利用に夢中になる。2017年に「CryptoKitties(クリプトキティ)」がリリースされると、ダニエルと共同創業者のデイビッドはコレクション業界の新しいカテゴリーになると考え、 VeVeの開発に着手した。
Michael Bramlage(マイケル・ブラムレージ)氏
Co-Founder & CEO at Quidd
325以上のブランドを集めたオリジナルデジタルコレクションマーケットQuiddの共同創業者兼CEO。Quiddは、700万人以上のコレクターが実際のデジタルコレクションを現金で購入し、所有したり、販売し、現金化したり、お気に入りのアイテムをブロックチェーンにミント化することが可能なサービス。
Mickey Maher(ミッキー・マハー)氏
SVP Platform Partnerships
DapperのFlowパートナーシップ担当役員(SVP)。以前は、Unity、Upsight、Applifierのシニアリーダーを務め、それぞれの初期事業の立ち上げに貢献。Unityでは、モバイル広告ビジネスを立ち上げ前から収益3億ドル近くになるまでに成長させた。それ以前は、アメリカン・エキスプレスの事業開発部長等、決済事業に従事。
Sergei Medvedev(セルゲイ・メドヴェージェフ)氏
co-founder at Metashift
コインテレグラフの最高事業責任者(CBDO)に就任後、世界で最も認知された暗号資産メディアに成長させる。現在はコインテレグラフを退職し、NFT、分散型金融およびアルゴリズム取引における自身のプロジェクトMetashiftにて同様の展開を進めている。
目次
自己紹介
セルゲイ氏:私はコインテレグラフの元CBDOです。1ヵ月前に辞めて、新しいデジタルレーベル「Metashift」を立ち上げました。私たちは、NFTや音楽、作曲家、音楽クリエイターに関わるクリエイティブなプロジェクトに関わっています。私にとって、長期的にNFTを導入して、どのようなことができるかを理解することが面白いです。
マイケル氏:Quiddの共同創業者兼CEOです。Quiddは、デジタルコレクションやNFTを売買するためのオンラインマーケットプレイスを運営しています。約5年前に設立され、325以上のブランドをプラットフォーム上で公開しています。
ミッキー氏:私はDapper LabsのプラットフォームパートナーシップSVPです。ここに来て3年以上になります。Dapper Labsをご存じない方のために説明しますと、私たちはCryptoKittiesなどのNFTを作っています。私たちは「NBA Top Shot」やNFT、コレクターズアイテム、エンターテイメントのDAppsやエクスペリエンスを一から考えて設計された一つのプロトコルを作成しました。
ダニエル氏:私はVeVeのCOO兼共同設立者です。VeVeは3年ほど前に立ち上げました。1月上旬にこの市場に参入しました。それ以来、30万人以上のユーザーを獲得し、現在抱えているブランドは100以上になります。このサービスは、コレクターがコレクターのために作ったものです。私たちにとって最も重要なことは、現実のコレクションの世界にいるコレクターがすでに知っていて愛している、没入感のある体験や環境を作り、それをデジタル環境に持ち込むことです。
デジタルの世界ではダイナミックにコレクションを展開可能
セルゲイ氏:では最初に、コレクターズアイテムのNFTと、物理的なコレクターズアイテムの違いについてお聞きします。
ダニエル氏:NFTでは、毎年3,000億ドルの価値を持つコレクターの物理的な世界を、デジタル空間に移行することができます。物理的なコレクターズアイテムとの大きな違いは、より多くの人がコレクションにアクセスできるようになることだと思います。
例えば、BE@RBRICK(ベアブリック)はとても手に入りにくいものです。入手するには、特定の国の人と知り合いになる必要があります。しかし、デジタル、つまりアプリやWebのプラットフォームで運営すれば、ユーザー同士がより簡単につながることができます。多くのユーザー同士が簡単に売買や取引に参加でき、コミュニティがより充実したものになります。
セルゲイ氏:ミッキーさん、アメリカでは「NBA Top Shot」が人気ですが、ミッキーさんが子供の頃、トレーディングカードは流行っていましたか?
ミッキー氏:子供の頃、スポーツカードを集めていた経験があります。近くのカードショップに行って1パックのカードを買い、友人2、3人と一緒に開封して交換していました。時には学校にカードを持ち込み、20人から25人に見せることもありましたが、子供の頃にできたことといえば、それくらいでした。
デジタルの世界では、同じことを何百万人もの人に、同時に行うことができます。そのため、資産の流動性も非常に高くなります。資産をパーミッションレスで取引することもできます。このような大規模な取引や、デジタルで可能になる社会的な側面は、物理的なコレクションに比べて大きな利点だと思います。また、デジタルでは物理的な世界よりもはるかに、大規模かつ簡単に、コレクションに実用性を持たせることもできます。
セルゲイ氏:Quiddは多くのブランドから支持を受けていると聞きました。ゲーミフィケーションのような付加的な仕組みについてはどう思われますか?物理的なコレクションは触ることができますが、デジタルの世界では、もしかしたらもっと多くの仕組みを作る余地があるかもしれません。これについて、お考えをお聞かせください。
マイケル氏:私も物理的なスポーツカードを集めて育ちました。ハイテク企業で10年ほど働いた後、アメリカの古いベースボールカード会社に就職しましたが、そこでは基本的に、段ボールから作ったカードを売ることでビジネスを成り立たせていました。私は物理的なカードのコレクターですが、物理的なトレーディングカードを発行するチームの一員でもあります。ミッキーさんが述べたように、段ボールでできたものを所有することの意味をリスト化し、デジタルなものを所有することと比較した場合、デジタルな体験の方が、段ボールやプラスチックのカードよりも10倍優れていることが明らかな分野もあります。
ミッキーさんは流動性、ダニエルさんはアクセシビリティについて述べていました。どちらも全くその通りですが、まだそこまで至っていない部分もあります。どこにでも持ち運べるという点です。物理的なものはどこにでも持ち運ぶことができます。それがNFTの未来の姿なのかもしれませんが、まだ完全には実現していません。
ご質問のメカニクスやゲーミフィケーションについてですが、私たちは実際に、物理的な世界で段ボールやプラスチックのカードを集めることについて考察しています。カードコンベンションやコミコンなどで何が行われているのかを分析したところ、そこではメタゲームが発生していました。最高のコレクションを持っているということは、ステータスや威信につながります。それをデジタル環境で実現するのです。ラッフル(オンラインくじ)やリパックを行うこともできます。デジタルであれば、非常に信頼性が高く、流動性の高い、効率的な方法で行うことができます。最終的には、デジタルコレクションは進化し、物理的なコレクションのすべての特性と一致するようになると思います。すべてがデジタルの環境で行われるため、10倍、100倍も良くなることが明らかな特性もあると思います。例えば、段ボールや紙、プラスチックでものを作るには、物理的な限界があります。
デジタルコレクターズアイテムの世界では、(プログラム)コードを使って作ることができるものが媒体となります。「Top Shot」は、従来の物理的なバスケットボールカードに命を吹き込むような、プラットフォームの素晴らしい例です。アーティストやプログラマーが、紙でもプラスチックでも存在し得ない、まったく新しく革新的なことをしたときに、NFTがどのようなものになるのか、私たちはまだ発展の初期段階にあると思います。
大手ブランドのNFTへの取り組み
セルゲイ氏:ミッキーさん、大手ブランドは、NFTにどのように取り組んでいますか?長期的な戦略を立てているのでしょうか?それともトレンドのある市場に向けてPRをしているだけなのでしょうか。
ミッキー氏:ブランドやIPによると思います。多くの企業が長期的な戦略を立てており、興味深いアイデアを持っています。しかし、すべての人がこの分野ではまだ初心者です。他のパネリストも同じような経験をしているのではないでしょうか。企業はDapper LabsやQuiddに対して、アイデアや戦略、メディアでブランドをファンに届ける方法について、アドバイスを求めてきます。だからこそ私たちは、ブランドやIPが戦略を立てる際に、多くの知識や支援を提供しているのです。
ダニエル氏:多くの企業は、NFTブームが起きた昨年から、この分野でのチャンスを見出していました。もちろん、多くのライセンサーがこの分野に参入したいと考えているのは明らかです。今、パネルに参加している企業に連絡を取り、彼らのアドバイスや専門知識を利用して、この新しいメディアで自社製品をどのように扱うのがベストなのかを考えるのが一番だと思います。
マイケル氏:ケースバイケースだと思います。ミッキーさんは、企業はまだこの分野について初心者だと述べていましたが、メディア企業の中には、10年前からこの問題を研究しているところもあります。その理由の一つは、物理的なコレクターズアイテムのエコシステムがまだ多くの課題を残しているからです。
物理的なコレクターズアイテムの場合、製造に関して非効率な点が多すぎます。サプライチェーン、原材料、物流なども関わってきますが、製造して出荷しなければならず、時間がかかってしまいます。また、物理的なコレクターズアイテムの活動の多くは、アフターマーケットで行われています。これはメディア企業にとって嘆かわしいことです。そこで、ライセンスを持つ企業やメディア企業がコレクターズアイテムの二次販売に参加すれば、紙やプラスチックでできた製品に見られたような、多くの問題を解決することができます。そうすると、単に潜在的な収益源を増やすだけではなく、市場も修復されていきます。
さらに、物理的なコレクターズアイテムには、供給過剰という問題点もあります。従来、ライセンス店舗やライセンシーは、コンテンツを増やすことでしか収益を得られませんでした。そのため、供給が過剰になっていたのです。NFTで参加すれば、10年先、100年先までの長期的なアフターマーケットにおいて、一次市場に存在する問題を解決することができます。つまり、NFTが新しいビジネスカテゴリーであることや、資産が増加した場合にアフターマーケットでの販売に参加できるという利点だけではないのです。10年後、100年後の耐久性を知っていれば、企業はセカンダリーマーケットにおいて、より良い商品を提供できる可能性があるのです。
NFTの普及がブロックチェーンを強化する
セルゲイ氏:ミッキーさんは、NFTを開発したDapper Labsのような大きなブランドと仕事をしていますが、NFTの普及を阻む最大の要因は何だと思いますか?
ミッキー氏:私たちは、イーサリアムブロックチェーン上において、最も経験豊富な消費者向けアプリケーション開発者です。NFTの普及を阻む要因について、長い間考えてきました。イーサリアムに存在していた普及を妨げる問題や、利用者に対応できない原因となっていた問題を、Flowで解決しようとしてきました。
基本的には、暗号資産(仮想通貨)のためのブロックチェーンの抽象化を考えています。つまり、ユーザーが簡単なUX/UI、オンボーディング、決済を行えば、理解できなかったり、やりたくなかったりした場合に、暗号資産に触れる必要がないということです。これは、従来のEコマースやApp Storeとよく似ています。ここでイノベーションを起こしました。私たちのブロックチェーンのスケーラビリティにより、ブランドやマスマーケットの体験が入ってくるようになったのです。主な障壁は、開発者、ブランド、IPが、それらの体験をサポートするために作られた新しいプラットフォームで、実証やテストするための時間だと思います。
セルゲイ氏:ダニエルさん、例えばVeVeにはどのようなブロックチェーンを使っていますか?
ダニエル氏:VeVeは最近Immutable Xというブロックチェーンに移行することを発表しました。その理由は、ミッキーさんが述べたように、Immutable Xがイーサリアムをベースにしているからです。いくつか重要なポイントがあります。1つ目は、ガス(手数料)のない環境が必要なこと。2つ目は、環境に優しいこと。これは最近のライセンスホルダーにとって大きな関心事です。3つ目は、相互運用性があること。これは資産を移動させることができるという意味で必要でした。イーサリアムにはいくつかの問題がありますが、VeVeのチームは、イーサリアムが将来的にナンバーワンのプラットフォームになると確信しています。
セルゲイ氏:マイケルさん、普及の主な障壁は何だと思いますか?
マイケル氏:ミッキーさんが述べたように、収集が好きで原資産を愛しているからこそ、関われる分野だと思います。所有権の記録だけではなくコレクション全体がオンチェーン化され、分散化の恩恵を受け、最終的には真のデジタルオーナーシップにつながるのです。このように、様々なものが利用しやすくなり、コインを持っていない人にもアピールできる、ハイブリッドなアプローチが登場していると思います。暗号資産のウォレットを持っていない人、暗号資産を保有していない人、さらにはクレジットカードを持っていない人にもアピールすることができます。
しかし、重要なことは、デジタルのみのフォーマットで、これらのオブジェクトを所有することに慣れてもらうということです。そこから先は、ブロックチェーンがその体験を強化するものになると思います。ただし、必ずしもQuiddで所有しているものすべてがオンチェーンである必要はありません。デジタルバインダーに保存するのは楽しいけれど、ミントプロセスを経るほどの価値はないかもしれませんし、コレクターが10年、100年かけて手に入れたいと思うほどのものではないかもしれない、というコレクターズアイテムは多くあります。
最終的には、コレクターが長期的にどこにコレクションを置くべきかを決めることになります。相互運用性などのメリットを得ながら、本当に好きなもの、孫の代まで継承したいものは、イーサリアムやHarmony、Wax、Flowといったオフチェーンで所有するのです。
重要なのは暗号資産知識不要のマーケットプレイス
セルゲイ氏:現在、デヴィッド・ボウイの未発表曲のリリースを準備しています。ところが、観客のほとんどが暗号資産に関わっていないことがわかりました。NFTを買う人の9割は、暗号資産に興味がないということなのですが、どうしたらいいのでしょうか。観客はかなり成熟しており、お金を持っていて買うことはできますが、どうすればいいかわかりません。この問題をどのように解決しますか?
マイケル氏:あまり専門的な話はしたくありませんが、希少性に大きく左右されると思います。販売形態にもよりますね。ボウイの未発表曲を収録した1枚のNFTを発行することで、ハイエンドのプレミアム市場にアピールしたいのであれば、希少性を高めるために、どのようにリリースを構成するのかによって、違ってくると思います。
オークション形式であれば、アートコレクターやミュージックメモラビリアのような市場を想定しています。高級品、中級品、低価格品、そして様々な希少性のモデルや収集の仕組みを模索しながらリリースを重ねることで、最終的に誰が勝つのかが見えてくるでしょう。購入者になるのは、コインを持っていない人なのか、それとも多額の投資をする投資家なのか。もし前者が出てきたとしたら、それはリリースだけでなく、業界にとっても大きな成功の兆しだと思います。
セルゲイ氏:支払い後に自動的にウォレットを作成するというのは、とても興味深いです。こういったユースケースは重要なので、視聴者の皆さんも興味を持ってくれると思います。コインを持っていない人がNFTを見て「どうやって参加すればいいの?」「ウォレットとは?」「イーサリアムとは?」「Flowとは?」「どうやってやればいいの?」などの質問が挙がるでしょう。
ミッキー氏:私たちは、Flowや、支払いに使える暗号資産の宣伝をしていません。そういったものは、コアな暗号資産コミュニティをサポートするためのものであって、イーサリアムやFlowなどで支払いをしたい場合には、購入希望者自らが方法を探しに行けばいいのです。しかし私たちは、NBAのTop Shotのような体験は、ブランドの熱狂的なファンのためのものだと考えました。
そのため、少なくともデフォルトのUI/UXや、デフォルトの支払い方法がクレジットカードや法定通貨であるという点では、対応しています。だから、暗号資産を見たり触ったりすることはありません。しかし、コミュニティ内での買い物に暗号資産を使用する投資家は、今でも手厚くサポートしています。ブランドのファンであるマスマーケットにはトップダウンのアプローチを、暗号資産のコミュニティにいる人々には、ボトムアップの経済構築のアプローチをとることができます。
マイケル氏:ミッキーさんの言う通りです。私たち一人一人が、需要の原動力が異なるコレクターのエコシステムを持って、進化させたいと思っています。もし需要の原動力が唯一の動機であれば、それはすぐに横ばいになります。しかし、需要を生み出している強固な買い手のグループがあり、その買い手の一人一人が異なる理由でその商品を欲しがっているのであれば、長期的な流動性を確保することができるのです。つまり、そのIPを愛し、セットのすべてのアイテムを集めて所有したいと思うファンと、明らかに別の形の価値を見出しているコアな暗号資産ファンのグループを結びつけるようなものです。そこに、最も健全なエコシステムが生まれると思います。
音楽NFTなどアートNFT以外の可能性
セルゲイ氏:ダニエルさんはどう思いますか?音楽のNFTは特に過小評価されていると思います。何か面白いユースケースはありましたか?それらをご自身のプラットフォームに統合したいと思いますか?
ダニエル氏:音楽は、今のところ過小評価されているNFTだと思います。ミュージシャンやプロデューサーは、単に新しい音楽トラックをリリースするだけではなく、常に我々にアプローチしてきています。例えば私たちの環境では、特定のものに音楽を加えることができます。ウルトラマンの美しい3Dコレクションが欲しいとします。それにはウルトラマンのテーマソングがついているかもしれません。また、私たちが提供するバーチャルショールームでは、ステレオシステムを設置することができ、その中で音楽を楽しむこともできます。
このように、音楽だけではなく、より幅広い体験を提供することができると思います。最終的には、そのアイテムを集めているファンが、非常に没入的で集合的な体験ができるようにすることが重要になります。これまでの音楽は、どこでも手に入るものだったので、それほどコレクターズアイテムにはならなかったと思います。音楽コレクターズアイテムは、音楽を持ち込み、ファンが楽しめるような少し違ったフォーマットで提供するための革新的な方法です。
ミッキー氏:音楽NFTとそのための最適なユースケースはまだ策定中です。音楽NFTは、好きなバンドやアーティストの独占的なソーシャルキャピタルを表すべきだと思います。自分専用のメディアがあれば、友人に「自分はこのアーティストの一番のファンだ」「自分はこのアイテムやアーティストを最初に発見した」と自慢することができます。音楽ファンのためのソーシャルキャピタルを構築することは、一つの方法です。
もう一つの問題は、アーティストへのアクセスという点で、NFTは何をもたらしてくれるのかということです。物理的な世界でのチケットなのか、NFTを持っていることに感謝しているアーティストのYouTube限定動画なのか。実は、それ自体がNFTなのです。おそらくYouTube上ではないとは思いますが、何かしらの動画になると思います。
また、レベニューキャッシュフロー型のIPオーナーシップモデルもあると思います。アーティストが新しいアルバムを発売する場合、そのアルバムの権利をNFTに分割することができます。ユーザーはその権利の一部を購入することができます。アルバムの出来に応じて、ユーザーはその権利から収入を得ることができます。例えば、テイラー・スウィフトの新しいアルバムを30万枚分の1枚購入した場合、私はその一部を所有することになります。そのアルバムの売り上げがどうであれ、私はNFTの所有権を通じてその一部を受け取ることができるといったようなことです。
持続可能なエコシステムが市場を大きくする
セルゲイ氏:マイケルさんは今、NFT市場の主な課題は何だとお考えですか?
マイケル氏:誰もが「普及していない」と言いますが、最終的には私たちは皆、社会的、心理的、感情的、経済的といった様々な欲求を見つけ、複数の需要源を生み出したいと思っているはずです。NFTによってそれらの欲求を満たし、最大のチャンスを生み出す方法を見つけたいのです。最大のチャンスとは、長期的に見たときに、健全で持続可能なエコシステムを作り、最終的には多様な理由で最も多くの流動性を生み出すことです。
これは、ブロックチェーンとのやりとりをよりスムーズに、より効率的にするという技術的な課題というよりも、需要サイドの問題だと思います。言い換えれば、痛みを減らすのではなく、達成した時の喜びを増やすことです。道行く一般の人々が、技術的な課題を克服してでも欲しくなるようなものです。多様な需要を生み出し、あらゆるコレクターの痒いところに手が届くようなNFTにしていくのです。
ダニエル氏:最も大きな課題は、コレクターの心をつかむことだと思います。マイケルさんが述べたことと似ていますが、コレクターはなぜ収集することが好きなのでしょうか?それは、そのブランドや製品が好きだからです。と同時に、体験も好きなのです。ファンが絶対的に好きなものを作ること。これに尽きます。ファンの皆さんがすでに知っている、そして大好きな物理的な収集の世界と非常によく似た体験を提供するのです。デジタルへの移行はそれほど難しいことではありません。
他のパネリストの方々も述べていましたが、完全にアクセスできるようにする、アクセシビリティと経験が重要だと思います。コレクターがモノを集める理由はいくつかあります。お金が欲しい人もいれば、単純にそのブランドやキャラクターが好きな人もいます。だから、ファンが喜ぶような体験を作ることが大切だと思います。
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