デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリー合同会社（以後DTFA）でWeb3、ブロックチェーン技術に特化したチームが立ち上がった。同チームで活躍中のM.H氏に、社内の様子や仕事の魅力を聞く。
M.H氏
デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリー合同会社
前職では金融機関でFXディーラーとして活躍。業務を行う中でブロックチェーンの魅力に気づく。2023年にDTFAへ入社し、Web3に関するアドバイザリー業務に携わる。
目次
DTFAのWeb3コンサルティングサービス
ブロックチェーンについては、前職の頃から興味を持っていました。業種としては金融機関で為替ディーラーとして働いていたのですが、業務を行う中で、コスト削減やタスク軽減など多くの課題に対してブロックチェーンが解決策になりうると考えるようになりました。そこで、このチームに参画することを決めました。
ブロックチェーン業界ならではのお話になりますが、暗号資産の保有等で監査や財務の部分が課題となるケースも多くあります。我々のグループは監査法人を有するので、監査・保証業務、リスクアドバイザリーといった方面の業務についてお任せいただくことも可能です。実際に他部署の方と横断的に一緒に働く機会は多く、様々な分野のプロ集団が揃っているからこそ、ブロックチェーンに限らずワンストップでビジネスを立てられるソリューションをクライアントに提供できている実感があります。
もちろんクライアントは金融関連の企業に留まりません。非金融分野のお客様も多く、メーカーやIT企業なども支援しています。
急拡大するweb3業界の可能性と未来
ブロックチェーンと聞くと、一般的にはNFTブームや投機対象としての暗号資産というイメージが強いかもしれません。
キーワードとしては浸透してきていますが、実際に金融機関やさまざまなビジネスでインフラとしてブロックチェーンが導入される事例に関しては多くなく、まだまだ未熟な業界です。
まさにブロックチェーン技術は成長の過渡期の中にあり、そこに携われるのが醍醐味だと思うのです。
ブロックチェーン技術は日々進化していて、新しいチェーンやソリューションがどんどん出てきています。この流れの速い業界に身を置いて、実際にそれがお客様の課題解決につながるということにやりがいを感じています。
情報収集は複数のチャネルを活用
裏返しになりますが、業界の流れが速い分情報のキャッチアップは大変で、日々勉強していく必要があります。しかし、それをプラスに捉えられる方や業界のことが好きな方にとっては、魅力の1つではないでしょうか。
ブロックチェーン業界の情報をキャッチアップするには、伝統的なメディアよりもX（旧Twitter）やDiscordなどを活用し、海外の情報を集めていかなければなりません。積極的にさまざまなチャネルで情報収集することを心がけています。
フラットな社風と頼れる仲間
入社して良い意味で驚いたことがあります。私の前職は金融機関だったので、コンサルティング業界は初めての経験でした。いろいろなバックグラウンドを持った専門家が集まっているのはコンサルティング企業ならではですね。中に飛び込んでみてやはりすごいなと思いました。
製造、医療、通信など各業界に精通したプロが社内にいるので、お客様の業種やご相談内容に応じて他の部署とコラボレーションしながら業務提供ができるのは素晴らしいことです。
さまざまな事業会社からメンバーが集まっており、風通しはいいですね。ゴルフが好きな人が多いので、みんなでゴルフコンペをやることもあります。
プロが注目するブロックチェーンの新技術とは？
ブロックチェーン自体の技術発展も著しいです。近年、チェーン自体をカスタマイズできるモジュラーブロックチェーンというものが出てきました。
モジュール型で必要に応じて機能がカスタマイズできる仕組みになっており、利便性・柔軟性が向上しました。より企業の各ニーズに対応できるよう進化してきています。今後どのように発展していくのか、興味深いですね。
暗号資産を取り巻く法改正にも注目
我々のお客様は日本の大手企業が多いので、暗号資産保有に係る税制面は注視していますね。
2023年には、暗号資産の保有に関して大きなニュースがありました。自社発行トークンを保有する法人は、これまで期末時点での含み益にも課税されていましたが、それが課税対象外となったのです。
一歩前進したとはいえ、まだまだ暗号資産の保有に関しては、多くの制限があります。法改正次第で、日本企業がより暗号資産に取り組みやすくなるか否かに大きく関わるので、関連するニュースは重要だと捉えています。
Web3業界で働く上で重要なこと
探究心を持って知識をインプット・アウトプットできるかはとても重要です。
ブロックチェーンに詳しくないお客様も多くいらっしゃいますし、業界に関する知識もまだ十分に浸透していません。いかに分かりやすい言葉でお客様に伝えるか、ということを意識して業務に取り組んでいます。
Web3で世界を変える仕事を
ブロックチェーン業界は流れが速く、さまざまなベンチャー企業や優秀なエンジニア達が良いソリューションを次々と生み出しています。
しかしそういった技術は、大手企業が取り込んでいかなければ世の中にインフラとして浸透していきません。
大げさかもしれませんが、「世の中を変える仕事」に携われるのはすごく面白いです。興味のある方は、是非チャレンジしてください。
