ブロックチェーン次世代トレンドとは

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2022年7月11日に開催された「Non Fungible Tokyo 2022」のセッション“ブロックチェーン次世代トレンドとは”をレポートします。

竹田 匡宏(たけだ まさひろ)
幻冬舎「あたらしい経済」編集者 / 記者

早稲田大学人間科学部卒。2017年よりクリプト領域で、仕事を始め「あたらしい経済」を創刊しました。これまでグローバルキーパーソン含め100名近くを取材してきました。

John Nahas(ジョン・ナハス)
Vice President of Business Development, Ava Labs

Ava Labsのビジネス開発担当副社長で、Avalancheブロックチェーンとそのエコシステムをサポートしています。彼は、分散型金融(DeFi)、NFT、企業、機関投資家、資本市場、取引所/フィアット・オンランプ、およびゲームにわたるウォレット、資産、およびアプリケーションに重点を置いて、Avalancheのエコシステムの拡大を監督しています。

Dominic Tsang(ドミニク・ツァン)
Solana – Director of Business Development

2018年にSolanaに入社し、同社で戦略とパートナーシップをリードし、Solanaが今日のWeb3内で最大のエコシステムの1つに成長するのを支援しました。

竹田氏:幻冬舎の「あたらしい経済」というウェブメディアにて、Web3領域の編集を務めています、竹田匡宏と申します。

このセッションでは、直近のブロックチェーンの開発状況についてとこれからのトレンドについてお伺いしたいと思っています。

本日はDominicさんとJohnさんにお越しいただきました。Dominicさん、Johnさんの順に自己紹介をお願いします。

Dominic氏:初めまして、Dominicと申します。現在、Solana Foundationでビジネスディベロップメントのポジションを担当しています。

いろんな役職を経験していますが、主にコミュニティを大きくしていく役割を担ってきました。これからももっといろいろな開発者の方々にお使いいただけるように、より一層のコミュニティ強化を図っていきます。

John氏:John Nahasと申します。Ava Labsでビジネスディベロップメントを担当しています。Ava Labsには、2020年の9月頃から所属しているので、約1年半在籍しています。

現在、主に海外のビジネスディベロップメントを担当していて、マーケット、ウォレット、GameFi、NFT取引所、DeFiというような領域についてユースケースを作っていけるように頑張っているところです。

竹田氏登壇写真

竹田氏:それでは1つ目の質問から始めていきます。

Web3における開発は、現在のように暗号資産のマーケットが厳しい状況だと難しいと思っていますが、今のマーケット状況について、ご意見をお伺いしてもよろしいでしょうか?

John氏:マーケットというのは波が繰り返すものだと思っています。ブルマーケットという急上昇の波が急に来た後に、ゆっくりめにベアマーケットという波が来ているところだと思います。市場が盛り上がるといろんな人が参入しますが、一方でこうやってベア市場に差しかかってくると、人々はまた興奮から冷めて、いろんなところに散っていってしまいます。

同時に、本当にこれから必要になっていくところに注力し、何を作るべきかを真剣に考える人が残って、手を動かしてものを作るフェーズに差しかかっていると考えています。ベア市場は楽しいことではないという人がほとんどだとは思いますが、本当に重要なイノベーションが生まれるのはこういった時期だと思うので、粛々とものを作り続けていくことで、より良いものが生まれることを非常に楽しみにしています。

竹田氏:ありがとうございます。Dominicさんは今の状況についてどのようにお考えでしょうか?

Dominic氏:そうですね。Johnさんの意見に同意します。

今、非常に価値あるものを開発している人がたくさんいる状況だと思っています。もちろん、市場の影響で価値が下がってしまうのは辛い部分ではありますが、マーケットが加熱している最中に常に良いものが生まれているかというとそういうわけではないと思いますので、本当に価値を生み出すものに対して向き合わないといけないというか、ユーザーを熱狂させる、本当に利用する価値のあるものを作ることに集中できるタイミングとして良い機会ではないかと思います。

また、今のこういった状況が、啓蒙や教育をしていくにあたって非常に良いタイミングでもあると考えています。ブルマーケットの間では、ノイズがあまりにも多すぎて、プロジェクトの価値が正しく伝わらなかったり、誤解されてしまうことが頻繁に起きていたのですが、落ち着いた市場になってくると、正しい思想、信条、アプローチに従って技術をどう使うべきかを伝えやすい状況でもあると思っていて、これはむしろ歓迎すべきことなのではないかと思っています。

次に市場が盛り上がってくると、今のこの比較的落ち着いた市場で正しく学んでいる人たちが花開いていくタイミングになると思うので、そう考えるとありがたいことだと思います。

竹田氏:SolanaとAvalancheは、エコシステムが強いサービス、ブロックチェーンだと思っています。エコシステムを大きくしていく上で、最も大事なポイントはなんだと思いますか?

John氏:Dominicさんが先ほどお話されていたように、教育、啓蒙していくことが大事だと思います。

教育という理念もいろいろあると思っていて、これまでのWeb2企業にWeb3のことを教えていったり、世界中の開発者になぜAvalancheを使うべきか、なぜSolanaを使うべきかを伝えていくことも非常に大事だと思います。

業界内でも、こちらから教育を活発に行っていくことで、特定のブロックチェーンが強くなるのではなく、世界全体のブロックチェーンエコシステムのレベルがどんどん上がっていき、テクノロジーの水準も上がり、良いものを作れる土壌が整っていくと思います。

先ほどDominicさんも話されていましたが、ブルマーケットはノイズにまみれていて、なかなか伝えたいことも伝えづらい状況が続いてしまいますが、今のような状況であれば、なぜ我々のブロックチェーンが重要なのかを伝えやすくなるので良い状況だと思います。

Dominic氏登壇写真

Dominic氏:今お話しした教育という側面は、主にインフラ領域や開発者に対してフォーカスが当たっていると思います。もちろん、いろいろなプロダクトを作っていくのは開発者なので、我々が究極的に向き合うべきは開発者だと思うのですが、一方で実際に自分が開発するわけではなくとも、トークンが今後どうなっていくのかを知りたいと思っているトークンホルダーの方々もいると思うので、開発者と同じように開発者以外の方にも向き合っていくことが重要になると思います。

そのような意味で、我々が本質的に集中すべきなのは、開発者が良い価値を生み出すためにブロックチェーンをどう使うべきか、ベストプラクティスは何か、逆にやらない方が良いことは何かについてを教育することで、なるべく摩擦を減らしてブロックチェーンを使える状態にしていくことが大事だと思います。

もう1点挙げるとすれば、これらのテクノロジーを使うためのサポートネットワークを作ることも必要だと思っています。

これまでのWeb2の世界観とは違って、Web3ならではの部分や、市場レベルでも細かい規制があったり、ブロックチェーン・クリプトならではのニュアンスもあったりして、最初は上手く全体を捉えることが難しいと思うので、この辺りを支えられるコミュニティや機構を開発者向けに作ることが大事になると思います。

ただ単にソフトウェアを使えるようにするというよりも、こういったハブをきちんと用意してあげることが大事だと思います。

コロナ禍で一時期国境が閉じてしまいましたが、今再び国境が開かれつつあるので、これからどんどん活発になっていくと良いなと思っています。

竹田氏:今回教育というキーワードがお二方から飛び出しましたが、一口に教育と言ってもいろいろな意味を含んでいると思います。

改めて、このエコシステムを大きくしていくという観点の中で、最も重要な打ち手は何だったのかをお聞きしたいです。

Dominic氏:唯一効果的だったものを挙げるのはなかなか難しいですね。

というのも、人によって成熟レベルが違ったりするので、非常に有効な打ち手というものは1つに限らないと思います。ただ、もし1つ挙げるとするとTwitter上でのやりとりが非常に重要だと思っています。オープンな場所で技術に関するディスカッションが行われたり、時には議論が過熱して、汚い言葉が飛び交ってしまうこともありましたが、ほとんどの人がマナー良く、技術について真摯に語り合っていることが多く、お互いのアイディアを研鑽し合ったり、切磋琢磨したりする場面をよく見かけた印象があります。

またTwitterを利用することで、オンライン上のコミュニケーションだけではなく、オフラインでのコミュニケーションも活性化されたところが良かったと思います。

世界中にいる様々な方々が、オフラインで一堂に介してコミュニケーションをとるということも、Twitterを介して行われやすくなったと思います。この技術を採用することによるリスクや、ベストプラクティスについて積極的に議論されやすくなったところが良いと思います。

他には、いわゆるエンジニアの方向けのハンズオン的なプログラムで、具体的にどうやってこのブロックチェーンを使うのかについてなど、使い方を初歩から事細かに教えていくというような打ち手が有効だったと思っています。

竹田氏:エコシステムを拡大していく中で、様々な経験をされてきたと思いますが、振り返られて最も印象的だった出来事は何がありましたか?

John氏登壇写真

John氏:メインネットの正式ローンチは欠かせないものではありますが、メインネットローンチ後にあったイベントで印象的だったものだと、ラッシュイベントが1番重要だったと思います。

Avalancheが立ち上がってから、しばらくしていろんなDeFiやアプリケーションが開発されてはいったものの、最初から成功していたかというとそうではなくて、開発されたアプリケーションに対してトラクション(推進力)があまりない時期が続いていました。

Avalancheが途中でEVM(イーサリアム仮想マシン)と互換性のあるチェーンを立ち上げたり、Avalanche Bridgeを立ち上げて、Avalancheとイーサリアム間の資金の移動などができるようになりましたが、そのきっかけとなったのが、このラッシュキャンペーンイベントでした。

このイベントについて、特に最初はインセンティブなどを設けていたわけではなくて、こういったキャンペーンを始めます、というアナウンスをしただけで、本当にたくさんの開発者が我々のブロックチェーンに入って来て、ユーザーも取り込んで来てくれました。アナウンスをしただけで、いろんな人に使っていただける状況になり、Avalancheブロックチェーンを1度使ってみると、速さやトランザクションの安さが魅力として伝わっていきました。

これがきっかけとなって、Avalancheを使ってどういうことができるかについて、ユーザーや開発者に目を向けてもらうことができ、またマルチバース的な形で、ブロックチェーン上で様々なサブネットが生まれるようになっていく過程を考えると、全ての起点になったのが、ラッシュキャンペーンだったと思っています。

竹田氏:Dominicさんにも同じ質問をお伺いしたいと思います。

Dominic氏:1つ選ぶというのは難しいですが、何か挙げるとしたら、Solana上にSerum(DEX)が立ち上がった時だと思います。

暗号資産取引所のFTXチームとパートナーを組んで、Serumを立ち上げました。世界中で横断して使われるような流動性のオーダーブックのようなものをコンセプトにしていたのですが、革命的なアイディアだったのではと思います。

今までよくあった流動性の供給者としては、SushiSwapやUniswapといったDeFiが多い印象がありましたが、流動性という観点でいうと、各DeFiに分散されていたので、これをグローバルにつなげていって、流動性をまとめて管理するというところで非常に革新的なアイデアだったと思います。

同時にこのSerumの開発に携わった人達は、真摯に開発に取り組んでくれていて、こういった開発者の姿勢を見て、さらにいろいろな実験をする方が増えていくということがあったので、オーガニックな成長をどんどん遂げていったことが印象的でした。

エコシステムを成長させる観点で、他に重要だった打ち手でいうと、ハッカソンもあります。ハッカソンも、やはりいろんな人が入ってくれたおかげでトラクション(推進力)成長の貢献に影響があったと思います。

John氏:Avalancheもプロジェクトが立ち上がった期間も短く、パンデミックの最中に立ち上がったので、この期間にたくさんの人をプロジェクトに巻き込んでいくというのは、正直難しかったです。一度バルセロナでオフラインによるAvalancheのミートアップを開催したことがあり、プロジェクトのメンバー同士も初めて会うというようなことがありました。このミートアップがきっかけで、世界中の各都市にいつでもオフラインで集まれる拠点として、Avalanche Houseというものができたのですが、これは非常に良い打ち手だったと思います。

Solanaでいうハッカソンみたいな形で、開発者がコミュニティに携わるきっかけとして良かったと思います。

Avalancheの場合は、最初はEVMや、Solidityと互換性のある形でサービスを提供していましたが、おそらく今後の成長を大きくさせることになるのは、いきなりAvalancheからブロックチェーンを触り始めるという人達ではないかと思います。

Dominic氏:ワクワクするお話ですね。ぜひこういったAvalanche Houseや他のオフラインの拠点で会えたら嬉しいと思います。

竹田氏登壇写真2

竹田氏:もう1つ簡単な質問をしたいと思います。エコシステムの間でSolanaブロックチェーンとAvalancheブロックチェーンはお互いどういった関係性にあるのでしょうか

ライバルのような関係性なのか、あるいは友達のような関係性なのかお伺いしたいです。

Dominic氏:個人的にはすごく友好的なコミュニティだと捉えています。

何かが起こったらお互いのブロックチェーンにも影響を与えることにもなるので、結局1つのコミュニティが成熟していくと、他のコミュニティにも良い影響を与え合うような関係性になっていると思います。最初の立ち上げの頃よりもどんどん規模が大きくなっていますが、コミュニティ同士は引き続き緊密にお互い仲良く成長している最中であると思います。

John氏:完全に私も同じ考えで、まさに切磋琢磨という言葉が1番似合う表現だと思います。例えば、他のブロックチェーンが宣伝で上手くいっていたとすると、我々も頑張ろうと工夫をしてみたりと活動が促進されるので、各プロトコルも同じ目標に向かって、お互い切磋琢磨し合いながら成長しているところだと思います。

一方で、最初の頃を振り返ると、マキシマリストと呼ばれるような特定のプロトコルだけを褒めたり固執する方がいて、他のブロックチェーンやプロトコルをけなしたりすることもあったりはしましたが、長い目で見ると、こうした活動は単に小さな喧嘩に過ぎず、本当に成し遂げようとしていることは、非常に巨大な経済的インパクトを与えることだと思います。こういった些細ないざこざは気にせずに、お互いこの産業の大きな発展に向けて、協力し合っているところだと思うので、引き続き手を取り合って、取り組んでいくべきだと思います。細かい技術的なサブはもちろんあるとは思いますが、それ以上のものがあると思います。

竹田氏:今の話に対して何か意見はありますか?

Dominic氏:いえ、完全に同じ意見ですね。

竹田氏:SolanaもAvalancheもGameFiやDeFi、NFTなど、いろんなプロジェクトが並行して動いていると思いますが、今のDeFiの状況についてはどのようにお考えでしょうか?

NFTはエコシステムにとっても重要なものであると思うのですが、とはいえ、NFTがエコシステム拡大に貢献するかどうかと言われると、どうなんだろうという意見がありますよね。

NFTとDeFiに関して、どのようにお考えなのかお伺いしたいです。

Dominic氏:DeFiに関しては、長い間ノイズにまみれている状況だったと思います。

流動性に関することや、技術に関することなど、市場の低迷によって得られる利潤も下がり、ユーザーから紛糾の声が聞こえてきたりといろいろなノイズがあったと思います。現在は以前の市場が盛り上がっていた時と比べると、それほど人が群がっている状況ではないと思います。

一方で、DeFiの価値がなくなったかというとそうではなくて、第三者や人の手を介さずにお金を貸し借りできることは、これからのアプリケーションを開発していく上でも引き続き大事になってくる概念であると思います。

市場の低迷で人が離散してしまうことは、どうしても起きてしまうことだと思ってはいますが、この技術自体はこれからのゲームを作ったり、NFTを作ったり、DeFiの技術を中心として、どんどん発展していくのではないかと思っています。利便性をもったまま、例えば、価格を探索する機能や、価値をどこかに移転する機能などの礎として使われるような技術だと思います。

John氏:Dominicさんの意見に賛成で、DeFiは数々のリノベーションが進んでいる領域だと思っています。

中央集権的な組織で行われてきたことが、様々な人がリスクを避けるような行動に直結する形で流れが動いてしまっていると思いますが、DeFiに関しては、市場の動きが激しい中で、非常に良いパフォーマンスを保ったまま維持していると思います。

Solanaブロックチェーンが、市場の動きが激しい中でずっと正しくパフォーマンスを保ったまま稼働していることは、本当にすごいことだと思います。

DeFiの本質的な目的や、既存の金融システムを分散型のシステムで再現することが大事だと思いますが、もう実際に実現され始めていて、より透明性も上がり、人の手に任せずにシステムが動き始めていて、非常に素晴らしい状況であると思います。

人の手が介在する中央集権的なシステムの場合、例えば、2008年のリーマンショックで金融の大不況のような悲劇的な出来事が起きてしまったと思いますが、DeFiの場合はこういった悲劇が起きないように、改善された形で金融というものを再発明できると思っていて、より柔軟性と復旧力の高い、非常に強固なインフラが作れると思っています。DeFiはこれからの産業に欠かせないものになっていくと思います。

NFTに関しては、PFPなどプロフィール写真で使われるNFTが目立っていますが、これからは本当にユーティリティを持った実用性のあるNFTが出てくると思っています。スマートコントラクトと融合されたNFTや、DeFiとの連携性が設計されていてお金の動きと連動するNFTが登場したり、クリエイターエコノミーの中で流通するものなどが登場すると思います。

竹田氏:次の1年間について、エコシステムがどのようになるかお伺いしたいです。

John氏登壇写真2

John氏:DeFiの領域でも非常に大きな成功を収めてきたと思っていて、GameFiやNFTも同様に非常に急速な成長を見せています。様々な素晴らしいプロジェクトが出てきていて、ユースケースも増えているところであると思います。

この1年に関して、主に注力する領域で言うとサブネットになると思います。ブロックチェーンは1つのチェーンで全ての用途を満たすということは難しいと思っています。金融であれば、金融の用途に特化したブロックチェーンがあって、ゲームであればゲームに特化したブロックチェーンがあります。例えば、金融の世界であれば、規制に関する機能があるかなどが大事になってくると思いますが、どういった目的を成し遂げたいかによって、最適な形のブロックチェーンを提供することが大事だと思います。

ゲームの世界や既存の企業などに対してサブネットのブロックチェーンを提供していくことが、次の1年になると思っています。

竹田氏:Solanaブロックチェーンについてはいかがでしょうか

Dominic氏:複数の要素があると思いますが、引き続き、開発者を引きつけて大きくしていきたいのと、バーチカルな産業に特化したソリューションを作っていきたい気持ちもあります。

特にNFTで言えば、エクセキュータブル(実行可能)なNFTというところで、スマートコントラクトを内蔵したものやシンプルなウォレットがありますが、NFTを受け渡しできるシンプルな機能が備わっているものが作られると良いなと思います。お父さんやお母さんがNFTで何かを受け取れるような世界観を作っていけると良いと思います。これからはまさにそういったことが実現できるインフラを作っていくことが大事だと思います。

これに関して、我々は今非常に大きな意思決定をしているところで、モバイルの世界に飛び込むことを目指しています。

Androidの世界でSolanaブロックチェーンが使えるように開発を進めていて、来年の早い段階で出てくる可能性もあります。

今クリプトの世界を見渡すと、デスクトップベースのアプリケーションが非常に多いと思いますがその一方で、それ以外のアプリケーションというか、Web2の既存のものは、スマートフォンベースで動いていると思いますので、クリプトの世界もスマートフォンの方に持っていくことが必要だと思います。

ですので、我々はモバイルの世界で上手く動けるようにすることで、世界をもう1歩前進させることができたら良いなと思います。

また、先ほどの教育の観点においても、オフラインでいろんなイベントを実施することで、Web3に触れられるきっかけを作っていきたいと思います。

竹田氏:Avalancheはモバイルの世界に入っていく予定はありますか?

John氏:スマートフォンそのものを開発する予定はもちろんありませんが、Coreウォレットの提供を開始する予定です。Avalanche Bridgeの機能も使えるようになっているので、今はビットコインチェーンとAvalancheをブリッジさせることができますが、今後イーサリアムとも同じようにブリッジできるようにしていこうと考えています。これからイーサリアムのブリッジ機能に対応していくことが1番大きな目標です。

このCoreウォレットは大きな挑戦で、モバイル上でのAvalancheのスピードを体験できる革新的なイベントになると思います。

世の中に存在する、例えば、メタマスクのようないろいろなウォレットについて、他のブロックチェーンでいう決済速度が遅いところに最適化されて設計されているところがあり、使い勝手が若干気になる面があると思います。ですが、Avalancheは決済速度が非常に高速なので、これまでと全く違うものになると思います。

もう1つは、Avalancheの中でサブネットの切り替えが柔軟にできるようにしていく予定です。ワンクリックでゲームのネットワーク、金融のネットワーク、別のサブネットなどに移動できる機能を作っていきます。

竹田氏:Solanaは何かアップデートする予定などはありますか?

Dominic氏登壇写真2

Dominic氏:直近のアップデートでいうと、パフォーマンスの改善など、少し地味なものになってしまいますが、この1年間を振り返るとネットワークの規模も10倍程度に成長していて、非常に大きなものになってきていると思います。

トランザクションの量も凄まじいボリュームになってきていて、Solanaブロックチェーン自体が何度か落ちてしまったこともありましたが、こういったイベントもある程度認知されていた事態として、実際に起きてしまっていたので、現在それに対して対策を打ち、再度ブロックチェーンを立ち上げたところです。

タイミングが悪くベア市場での再起動となってしまいましたが、開発者の皆が本当に素晴らしいものを立ち上げてくれたので、これからどうなっていくのかすごく楽しみにしている状況です。

まだ大きな成長の余地を残しているところだと思うので、これから頑張っていきたいと思います。

竹田氏:最後に、日本の開発者やコミュニティを支えている皆様に向けて、何か一言お願いします。

Dominic氏:個人的に日本という国にワクワクしています。今、Web3の世界に対して規制を寛容する方針に変わってきているようですので、東京でもハッカーハウスを5月の終わり頃から立ち上げて、オフラインのイベントもやってきました。これからより緊密な開発者向けのワークショップなどを開催していきたいと考えています。

Web2向けの開発を行っている人に対しても、Web3の開発がどういったものなのかを伝えていきたいと思っていて、ここに力を入れて、どんどんブロックチェーンを使える人を増やしていきたいと考えています。さらにエンジニア向けのイベントと非エンジニア向けのイベントの両方をやっていきたいと思います。Solanaについてもっと知っていただいて、Web3とはどういうものなのか、Web3を使うとどういうことができるのかについてを伝えていきたいです。

John氏:Avalancheは日本でこれから立ち上げを始めるところで、我々のトークンも日本の取引所に上場した段階です。日本の市場でも、Avalancheの存在感をどんどん高めていければと思うので、日本国内でコミュニティマネージャー的な活動をしてくださる方を見つけて、コミュニティを大きくしていきたいと考えています。日本に住む優秀な方々にお会いできるように、対面のイベントやハッカソンなどを開催していきたいと考えています。

ぜひ日本でも開発者コミュニティを立ち上げられたらと思います。

竹田氏:ありがとうございます。こちらで本日のセッションを終わります。

本日はご参加いただき、本当にありがとうございました。それではまたお会いしましょう。

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