ブロックチェーン×教育分野に止まらずDeFiへも取り組むtechtec

2021年2月6日(土)に日本最大級ブロックチェーン・暗号資産（仮想通貨）業界特化型転職イベント「ブロックチェーン企業オンライン転職フェア」が開催されました。

オンラインで行われた企業スピーチを、要約してレポートします。

田上智裕　氏
株式会社techtec 代表取締役

株式会社techtec 代表取締役。愛知県名古屋市出身。チームラボでのアプリ開発やリクルートホールディングスでの全社ブロックチェーンR&Dを経験後、2018年に株式会社techtecを創業。メディアでの執筆や海外での講演なども行い、ブロックチェーン業界の発展にコミットしている。

1 techtecが提供するサービス
2 教育分野でのブロックチェーン活用
- 2.1 techtecによるオラクル問題へのアプローチ
3 学習歴を金融サービスへ接続する試み
- 3.1 今後の課題・懸念
4 「Web3.0」実現へ向けて
5 仮想通貨・ブロックチェーンのオンライン学習サービス特別割引のご案内

techtecが提供するサービス

株式会社techtecは2018年1月に創業し、教育分野におけるブロックチェーン活用をメインに取り組んでいます。日本国内だけの活動に止まらず、Brave・MakerDAOなどを始め多数のグローバルブロックチェーンプロジェクトとパートナシップを結んでいるのが特長です。

「PoL(ポル)」はtechtecが提供する全く新しいeラーニングシステムです。ブロックチェーン・暗号資産初心者をターゲットとし、1から学習できる仕組みで、学習を進めるほどトークンがもらえ、「学習による将来への選択肢を増やす」ことをコンセプトとしています。

教育分野でのブロックチェーン活用

techtecは、2019年に経済産業省・リクルート社と協同し、ブロックチェーンを使用した学位履修履歴不正改ざん防止に関する調査報告書を公開しています。

調査によると、同課題は海外でも盛んに取り組まれており、中でも米Blockcertsは学位・卒業証明書をブロックチェーンで管理しています。そこで浮上してくるのが、オラクル問題です。

techtecによるオラクル問題へのアプローチ

ブロックチェーンとは、記録されたデータの改ざん防止技術です。ただし、そもそも記録されたデータ自体に誤りがあった場合、ブロックチェーンは全く意味をなさないいわゆる『オラクル問題』が発生してしまいます。

各社解決策が見出せない状況でしたが、techtecの「PoL」がそれを提示しています。ユーザーの学習行動に応じて自動的にトークンが発行されるので、オラクル問題を解消できるのです。さらにトークンのインセンティブがサービス継続のモチベーションになっていることも、データより明らかになっています。

techtecは「PoL」の学習データだけでなく、将来的には小学校～大学などの学習データを記録し、様々な場面に活用していきたいと考えています。その最たるものが、ラーニングスコアの金融活用です。

学習歴を金融サービスへ接続する試み

DeFiとは分散型金融とも言われ、ブロックチェーンを活用することにより特定の管理者を持たない金融サービス群の総称です。管理者がいないことで、世界中の誰でもがアクセスできるようになり、一部の人にしか金融サービスを提供できていないという既存の課題を解決します。

タイのスラム街住民でさえ持っているスマートフォン。それさえあれば、DeFiを用いて金融サービスを届けられます。金融包括を目指して取り組んでいくのがtechtecのビジョンであり、DeFiの本質でもあるのです。

今後の課題・懸念

現在、様々なDeFプロダクトが生まれ注目が集まっていますが、利率が約6～8%と非常に高額となっているのが現状です。この課題に対し、techtecでは「PoL」の学習履歴を活用し、知識のある人=清算リスクの低い人には、利率を下げてサービスを提供できないかと考えています。

techtecは2020年10月に、DeFi市場を牽引する大手レンディングプラットフォーム「Aave」より、「Aave Ecosystem Grants」を通した資金調達を実施しました。これは日本企業として初めてかつ唯一の事例です。今後Aaveとも共同して日本のDeFi市場を盛り上げていけたらと考えています。