フィンテック業界の発展が目覚ましい昨今、 ブロックチェーン・暗号資産(仮想通貨) 業界への参入・転職を検討している方も多いと思います。
しかし、 ブロックチェーン・暗号資産(仮想通貨)業界自体が認知され始めたのは2017年頃からなので求人情報も少なく、以下のような疑問を持っている方も多いのではないでしょうか?
- エンジニアじゃなくても業界に転職できるの?
- 年収は良いの?平均年収は?
- ブロックチェーンの知識はどのくらい必要なの?
- 今後のキャリアアップになる業界なの?
そこで今回、仮想通貨・ブロックチェーン業界専門で転職支援サービスを展開している私たち「株式会社withB」が、転職希望者の方からよくいただく質問を体系的にまとめました。
本記事では、第1章として「どんな職種の募集があるのか?」〜「エンジニアの求人」をテーマに、業界事情を公開します。
職種ではなく、どんなビジネス/企業があるのかを知りたい方は別記事「カオスマップ」を参照ください。
目次
どんな職種の求人があるの?
この項目では実際に企業から私たち株式会社withBにいただく求人情報を整理して、職種ごとに3つのグループに分けて紹介します。
まず私達は職種を大きく3つに分類しています。
【仮想通貨・ブロックチェーン業界の求人分類】
- エンジニア
- 金融経験者が求められる職種
- その他の一般職
エンジニアはもちろんのこと、金融経験を求める職種としていわゆる「2線・3線」と呼ばれるディフェンスラインの経験者、会計などの数字を扱う仕事の経験者が多く求められています。
「3.その他の一般職」には、こちらの画像の通り、デザイナーからマーケ、カスタマー、人事まで、従来の業界にも存在する職種がたくさん含まれます。
エンジニア以外の求人はあるの?
特に一番多い質問「エンジニア以外の募集はあるのでしょうか?」といった質問にお答えします。
結論:求人の半分以上はエンジニア以外の募集です。
仮想通貨・ブロックチェーン関連の仕事というと一部のスペシャルなエンジニア求人のみというイメージを持たれる方が多いようですが、実は全くそんなことはありません。
意外にも、営業や広報、人事、カスタマーなどのエンジニア以外の職種の求人が全体の半分以上を占めています。
様々な職種があるため、このコラムでも取り上げていきますが、この章ではまずは業界でもっとも多い職種「エンジニア」についてご紹介させていただきます。
エンジニアの求人
エンジニアの中でも、主な分類として「フロントエンド(WEB)」「モバイルアプリ」「サーバーサイド」「インフラ」「ブロックチェーン」といったレイヤーに分けられます。
フロントエンド(WEB)エンジニア
HTMLやCSSを使用した開発はもちろんのこと、企業によってReactやVueなどのフレームワークを使用します。
現状ではマークアップの技術だけで転職するのはかなり厳しく、jsフレームワークおよびUI/UXへの知見まで求められる場合が多いです。
ブロックチェーンとは直接は関係のない技術を活用するポジションのため、転職時点でブロックチェーンの知識を求められることはほぼ無いです。
モバイルアプリエンジニア
スマートフォンアプリのフロント開発を担うポジションです。
iOSとAndroidを両方開発できる必要はなく、それぞれに十分な経験のある方を求めています。
従来はiOSであればObjective-C、AndroidであればJavaでの開発経験を求められていましたが、業界内でもほとんどの企業がSwiftおよびKotlinでの開発になってきているため、それぞれの経験を求められるケースが多いです。
こちらもブロックチェーンの知識を求められることはほぼ無いです。
フロントエンジニアと同じく、ブロックチェーンと直接は関わらない可能性が高いポジションですので、一般的なWEBやアプリの会社と同等程度の年収感になることが多いです。
サーバーサイドエンジニア
エンジニア分類の図でも表現している通り、サーバーサイドアプリケーション開発のエンジニア需要が業界内で最も多いです。
サービス内容により開発するものは様々で、取引所やゲームなどC向けプロダクトのバックエンドシステムから、社内の管理システム、分散台帳システムのAPI開発などのお仕事があります。
求められる開発言語経験も企業によりますが、現時点で求人数として多い傾向にあるものを並べると以下の通りです。
Java/Ruby/Go/node.js/PHP/C#/C++/Python … etc
ご自身の経験に合ったプロダクトや言語の組み合わせで入社していただくのがベストですが、特定の言語経験に絞った募集にしていない企業も多いため、各社の求人要件次第ではチャレンジの機会にもなります。
サーバーサイドの場合は、ブロックチェーンの知識が求められる場合と求められない場合があります。
年収感についても様々ですが、フロントやモバイルに比べると上限が高い傾向にあり、特に経験がマッチする方の場合は1000万円台後半ぐらいまで狙えます。
例)ネット金融やFintechプロダクトの開発経験が10年以上で、設計から開発、運用、マネジメントまで経験している方 など。
インフラエンジニア
ネットワークの設計、構築、パフォーマンスチューニング、トラブルシューティングなど、サービスの根元を支える仕事です。
社内インフラの仕事も若干ありますが、現状はかなり少ないです。
募集枠は1社あたり1名あるかどうかの場合が多いため、十分な経験を求められます。
大規模ユーザーに耐えるインフラ構築、およびセキュリティの知見なども求められる場合が多いため、C向けWEBプロダクトのサービスインフラの経験が5年以上程度はあるといいです。
プロダクトの規模感にもよりますが、平均的にはサーバーサイドエンジニアよりも年収帯は低いです。
また、ブロックチェーンの知識は求められないことが多いです。
ブロックチェーンエンジニア
この業界では花形の存在と言える職種です。
ブロックチェーンエンジニアと一言で言っても種類があり、大きく分けると以下の通りです。
- 基盤技術開発
- スマートコントラクト
- 仮想通貨
《基盤技術開発》
独自分散台帳の開発や、パブリックブロックチェーンのプロトコル開発など、アプリケーションではなく根元の開発になるため、とりわけコンピューターサイエンスの領域で学術的な知識を求められることが多いです。
開発言語は低級言語がメインであり、C/C++の知見はほぼ必須とも言えます。次点でJava/Go/Rustなどの経験の方でも可能性があります。
このジャンルの仕事では、BitcoinやEthereumといった代表的なパブリックチェーンをプロトコルレベルで理解していることも求められる可能性が高いです。
非常にハイレベルな求人となるため、給与は上限設定があまりなく、知識と経験に基づいて評価されることが多いです。
《スマートコントラクト》
最近ではゲームやSNSの領域で使用されるようになってきており、現在はEthereum上での開発が多いです。
Ethereumの場合はsolidityという言語で開発されることが多く、「実務経験または趣味レベルでのプロダクト開発経験」が求められます。さすがに実務経験を積まれている方は少ないため、独学で習得された方であればgithubやwebプロダクトを見せることにより企業に評価してもらう必要があります。
そして、しばしば「solidityだけができればいいのか」と思われることがありますが、結論としては「厳しい」です。
スマートコントラクトを書くだけの仕事は無く、それをアプリケーションとして世に出さないといけないため、基本的にはサーバーサイド開発をできる上でスマートコントラクトも習得されなければ、プロダクトを作っていくための技術評価につながりません。
特にエンジニア未経験の方がsoidityだけ勉強してブロックチェーンエンジニアになろうとするケースがありますが、前述したサーバーサイドエンジニアとしてのスキルを先に磨くことをお勧めします。
《仮想通貨》
ブロックチェーン領域の中でもとりわけ「通貨」を扱うエンジニアです。
仮想通貨取引所やウォレット開発企業などで、ノード運用やウォレット開発、入出金システムの開発、新規通貨の技術調査といった仕事があります。
スマートコントラクトに比べると、お金を扱う仕事になるため技術ハードルが高い傾向にあり、特にBitcoinとEthereumといった主要通貨の基本的なプロトコル理解は必須です。
企業によってエンジニアの分担範囲は様々ですが、国内では特に希少人財であるため、800万円〜1000万円台後半までの年収感を狙えます。
まとめ
いかがでしょうか?
エンジニアの中にも、仮想通貨・ブロックチェーン業界で活躍できる領域は様々で、さらにブロックチェーンエンジニアと呼ばれる職種の中にも種類があります。
「いずれはブロックチェーンエンジニアになりたい」と思っている方でも、今までに経験している技術を活かして業界に飛び込んでから習得していく方もたくさんいるため、まずは自分の経験に合った求人を探してみてはいかがでしょうか?
株式会社withBでは、仮想通貨・ブロックチェーン業界で活躍していただくエンジニア職を多数取り扱っています。
まずは自分に合った求人を知りたい方は、お気軽に相談窓口にご連絡ください。
次回は「金融業界の経験を活かした仕事」についてご紹介します。
おすすめのエンジニア求人
Web掲載のない非公開求人もございます。詳細は以下の転職相談よりお問い合わせください。