Fressets株式会社 CEO&CTO 日向理彦氏
取引所のハッキング被害を防ぐためのウォレット管理システム開発
「Fressets株式会社代表の日向です。突然ですが今、安全な暗号通貨ウォレットが求められています。およそ一カ月前に、日本国内で某取引所が数百億円の暗号通貨を盗られるという事件がありました。それに限らず国内外含めて色々な取引所がハッキング被害に遭っていまして、暗号通貨を預かるというところでかなりハッキングに対するリスクが高まっています。我々の目的としては、そういったハッキング被害を防ぐために取引所のバックエンドで利用できるウォレット管理システムを開発することです」
「ウォレットソリューションには様々なものがありますが、基本的には一般ユーザー向け、いわゆるAndroidウォレットとか、iphoneウォレットとか、一般向けのウォレットが非常に多いです。そういったものは取引所のバックエンドで利用するには適しません。もちろん、一部には事業所で使えるようなウォレットもありますが、どちらかというと安全性や開発性よりも利便性を目指していたり、そもそも日本国内でやっている事業がそれほどないなど色々な問題点があります。一方で、日本の金融事業者が求めるウォレットとしては、安全性の高いコールドウォレットと利便性の高いホットウォレットを組み合わせた最適なソリューションが求められています」
「続いて遅ればせながら私、日向の経歴を簡単に紹介させていただきます。東京大学理学部物理学科を卒業した後、同大学院の総合文化研究科というところに進学しまして、ずっと物理学を研究していました。その後、2013年から2014年ごろに暗号通貨に出会いまして、その魅力に引き寄せられて、モナコインの取引所であったりとか、ウォレットサービスですとか、ギフト券をモナコインやビットコインで買えるサービスですとか、様々なサービスを僕1人で開発・運営してまいりました。合同会社ジャノムという違う会社も作りました。その後、事業者のバックエンドで利用できるウォレットシステムが国内に不足しているということを危惧しまして、去年の2017年8月、ちょうど半年前に、紹介していただいておりますFressets株式会社を作りました」
「様々な個人的な活動が(スライドの)下に書いてあります。1つ目は暗号通貨勉強会・輪読会というエンジニアさん向けの無償の勉強会を行っています。大体、月に1回くらい開催しているので、もし皆様もよろしければご参加ください。connpassというサイト上で運営していますので、connpassでビットコインとか暗号通貨勉強会などで調べていただくと出てきます。ちょうど次の火曜日(2月27日)に勉強会を開催しますので、ご興味のある方がいらっしゃいましたらぜひご参加ください」
「オープンソースカンファレンスというオープンソース系の文化祭と言われている、オープンソース系のお祭りみたいなものがありまして、ここ3年くらいずっと出展しています。ちょうど、昨日今日とオープンソースカンファレンスがありまして、昨日は会場にいました。他にもビットコイン・コアという公式のビットコインクライアントの翻訳なども2年くらい前からやっています」
「続いて会社概要です。社名はFressets株式会社で、所在地は文京区の白山というところにあります。三田線白山駅から徒歩2分の非常に駅から近いところですので、通いやすいと思います。社員数は大体10名くらいです。正社員以外にアルバイトや営業みたいな方も含めて10人くらいの規模で現在運営しております。設立は先ほども申し上げた通り、去年の8月です。取締役は僕、日向とビジネス系のことをやっている余語というものがいます。こちら(スライド)は今年の1月に白山駅の近くの白山神社というところで社員が集合して撮った写真なんですが、こういう感じのメンバーでやっています」
「社名の由来ですが、『Fressetsってなんだ?発音しにくいぞ」みたいな感じだと思うんですけど、実は『frictionless assets』という英語の略になっています。frictionlessというのは『摩擦がない』という意味で、assetsは『資産』という意味です。これをくっつけてFressetsという名前にしています。つまり、インターネット上でデジタル資産を、摩擦を感じさせないくらい滑らかに資産を移せるような、そういう社会というか世界を創りたいという思いからFressetsという社名を付けています」
「事業内容は、交換所・取引所さん向けのバックエンドで利用できるビットコインのウォレット管理システムの提供を現在はしています。現時点では、ビットコインのウォレット管理システムだけなのですが、今後はビットコイン以外のコインがたくさんありますので、そういったコインも需要に合わせて作っていくというところを目指しています。また、僕自身は研究開発とか基礎研究というところにかなり興味がありまして、将来的にはこういった基礎研究や研究開発の方に注力していきたいと思っています。具体的にはライトニングネットワークといったマイクロペイメントチャネル周りの技術であったりとか、ミックスアップを使った分散型の取引所であったりとか、プライバシー周りはゼロ知識証明などかなり最新の暗号技術を使った暗号通貨の仕組みなどが考えられているので、そういったところの研究開発もしていきたいなと思っています」
「仮想通貨・ブロックチェーン技術者の教育および人材育成もやりたいです。やはり、国内を見渡しても、今日いらっしゃっている方も『ビットコイン、ブロックチェーン超詳しいぜ』という方はそんなにいらっしゃらないと思うんです。まだまだ日本国内にビットコイン、ブロックチェーンを詳しく知っているエンジニアさんというのはすごく少ないと思うので、そういった人材の育成をしていこうと思っております。他にはマイニングとか他にも色々やっていきたいです」
暗号通貨、ビットコイン、ブロックチェーンについては仕事をしながら学べばOK
「求める人材は、暗号通貨に興味があって、テクノロジーに精通している方を我々は求めています。特に暗号通貨、ビットコイン、ブロックチェーンに詳しい方が少ないことは理解しておりますので、どちらかというとビットコインやブロックチェーン周りについては一緒に勉強していきながら働いていけたらなあと思っています。具体的にどういうテクノロジーを使っているかなんですが、Node.jsとTypeScriptを言語的には使っております。後は普通にMySQLですとか、ソースコードの管理はGitHubを使って行っております。サーバーはMicrosoftのAzureを使っています。コミュニケーションについては、SlackですとかSkypeを使っておりまして、当社はリモートワークが可能ですので、自宅からリモートワークをする方用にSkypeなども使っています」
「あるとうれしい経験としましては、取引所を作るというよりはバックエンドの基幹システムを作るという会社になりますので、金融システムとか決済システムの開発経験、特にそのバックエンド側のシステムを作った経験がある方がいれば非常に歓迎いたします。働き方は先ほども申し上げた通り、リモートワーク可能で、もちろんオフィスに来ていただいた方が、能率が上がるのでしたら来ていただいても構いません。そのための設備は整っているのですが、自宅の方が能率的な方はリモートワークで自宅で働いていただいてもかまいません。そういう社風になっております」
「最後に求める人物像ですが、最新の技術に追従して一緒に新しい事業へと挑戦していきたい、という意欲がある方を求めております。繰り返しになりますが、暗号通貨やブロックチェーン、ビットコインの知識はそこまで求めませんので、一緒に勉強していきながら作っていけるようなエンジニアさんを募集しております。ありがとうございました」